2023年5月 京都童心の会 通信句会作品(訂正)
この中より、十五句を選んでください。さらに特選一句をお願いします。
特選句の選評をいただけるとありがたいです。
1 転勤と桜便りと父訃報
2 おもかげや残花と共に逝かれる父
3 わくらばは心を病むか縮みたる
4 花降る通夜ささいな音に目を覚ます
5 兵役嫌だった少年九十三で逝く
6 花びらの一つの波紋また一つ
7 春の星いのちのうちの一つです
8 花へ老人徘徊ですか遠出です
9 黄砂覆う西の空からミサイルと
10 しゃぼん玉空の明るさ際立たす
11 人生に誤植のような綿毛飛ぶ
12 虹の橋無垢な時間のあるほうへ
13 雨に打たれて牡丹 美人の悩み顔
14 一本の夜桜散るまたの世
15 途中まで虹が出るくしゃみ
16 東海道線運転見合わせ春疾風
17 右腕痛いでも左腕も痛い影の中
18 一人雨の一日一面時計の音
19 春麗孫駆け回り空青し
20 鴬鳴や来年も聞きたし恋し声
21 花水木街路樹に咲き何処までも
22 春愁の小鳥さえずり朝目覚め
23 菜の花や河川に咲き風そよぐ
24 木蓮や太陽浴びし美しき
25 菜の花や大地に咲きて風揺られ
26 花添えて父の33回忌に供えたり
27 御主人は英語の教師ライラック
28 娘御はフランス留学ニラの花
29 剪定の行届いたる躑躅咲く
30 参道のキリシマツツジ背丈越す
31 長岡の天神様は躑躅好き
32 再会になんじゃもんじゃと話しけり
33 青空になんじゃもんじゃの雪光る
34 一畦の家庭菜園みどりの日
35 デジタルの人権憲法記念の日
36 里山に子等の声する子供の日
37 徳川の日の出と入りを大広間
38 逃げる子を笑い追う親樹々の間を
39 地蔵堂の花活ける人黙々と
40 剪定の街路樹の笑む小雨かな
41 車体の拭き跡見つけ黄砂笑む
42 語り種余さず使い春火鉢
43 霽月や大人になると忘れてる
44 花祭り過ぎてないのに花水木
45 灯に浮かぶ白花水月紅仄か
46 思い出は葡萄の皮の酵母菌
47 薫風や新郎新婦入場す
48 傘下ろす末黒の芒虹を見る
49 てきぱきと片付ける裏方花は葉に
50 いつからかいびつな爪やサヤエンドウ
51 山ふじやあれし田畑に廃家かな
52 井戸端会議聞いてる若葉輝けり
53 若葉盛る手元に残る古き辞書
54 高価ないちじく苗母の日にと娘にねだる
55 鯉のぼり川を群泳子の歓声
56 卯の花や家庭菜園整えり
57 マスクの判断コロナワクチン6回目
58 カエルの声求めている自分がいる
59 コロナあけさっそく誘いの電話くる
60 久しぶりの華燭の典に心踊る
61 最後の追い込みガラガラ声の選挙カー
62 波穏やかな海峡大河の流れと見紛う
63 BGMのない食堂 人のざわめき心地良く
64 プラスチックの食器の音懐かしさを感じるBGMに
65 さつきの空つばめの低空飛行ここちよく
66 昨日今日緑陰の風さわやかに
67 たけのこ料理食べに行こうと約束したのに
68 べったりと家で過ごしたゴールデン週間
69 家族ドライブおばあちゃんはお留守番
70 おみやげ買って来るネと手を振って
※11 「人生に誤植のような綿毛飛ぶ」に誤字がありました。記して訂正します。すみません。