保健所の窮状を訴えるニュースがしばしば報道されている。狭い事務室内で、大勢の保健師の人たちが懸命に働き、保健師が消耗している様子が映し出される。一方、感染予防のため、「三密」を避けるよう呼びかけられ、人が密集しているところがあると、すぐさまカメラが向かい、映像を流す。しかし、保健所の保健師が極めて三密の状態で働いているという実態を指摘するニュースは見たことがない。
もし、保健所で集団感染が発生したら、それこそ、感染予防対策や感染者に対する医療は完全にストップしてしまうことがマスコミの人たちには分かっていないのだろうか?そんなことはない。マスコミで働いている人は頭の良い人たちが多い。それなのに、なぜ、この二つを結びつけて考えることができないはずはない。では、なぜ、こんなことが起こるのだろうか?
そこにあるのは、政府への「忖度」ではないのだろうか?国民に必要なことを伝えるよりも、政府から「白い目で見られないこと」を優先し、口を閉ざしているのだ。これまで、マスコミは事ある毎に言論の自由を主張するが、言論の自由を阻んでいるものは、それは、マスコミ自身の「忖度心」ではないのか?
保健所の保健師たちの懸命の努力を美談で終わらせて良いのか?保健師の増員、職場環境の改善を図るよう政府に迫ることが大事なのではないか?