明日へのヒント by シキシマ博士

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「Ns'あおい スペシャル」 不測の対応はマニュアルやデータじゃなく

2006年09月27日 18時18分19秒 | 明日のためのドラマ
久しぶりにTVドラマのレビューです。
Ns'あおい」、本放送は今年1月から3月でした。
観ていたんですが、レビューは書いていません。原作の漫画を知ってることもあり、ドラマ開始当初はあまり期待していなかったんです。
ですが、観始めてみると良質のドラマでしたね。
ということで、今回のスペシャル版は最初から楽しみにしていました。

桜川病院。
秋の移動で、看護師・あおい(石原さとみ)は新人指導をする立場になっていたが、院内の和気あいあいとした雰囲気は変わらない。
しかし、そこへアメリカ帰りの医師・夏目(石田ゆり子)が赴任して来たことで不協和音がおこる。
夏目は、それまでの桜川病院のやり方をことごとく批判する。
データと効率を重んじる夏目は言う。「医者に必要なのは情ではなく、正確無比な判断」だと。
新人看護師や研修医もプロ意識に欠け、最低限の仕事以外しようとしない。
一方、高樹医師(柳葉敏郎)は、他の病院の院長になった田所(西村雅彦)から、引き抜きの誘いを受ける。
そんな時、集団食中毒が発生。
さらにそのさなか、入院患者・花村(織本順吉)が行方不明になる…。
(放送 2006.9.26 フジテレビ)

全体的に説明セリフっぽいところがあるのが少し気になりますが、随所に核心を突くようセリフもあります。
例えば、夏目のセリフ
「自分の健康管理できない者を医者とは言えない」
「医者も勉強する時間が必要」(だから残業はしない)
「医者に必要なのは情ではなく、正確無比な判断」
など…。
どの言葉も、それ自体は正しく、異を唱えることは出来ません。
これに対するあおいのセリフ
「あなたは、患者を見ていない」
は曖昧で、説得する力がありません。
通常時ならば…。

しかし、ここで集団食中毒という通常でないことが起こります。
ここで力を発揮するのは何か?
運び込まれる患者は、一人ひとり症状が違います。
不安を抱えています。
それらに対し、マニュアルやデータはあまり機能しません。
患者をよく見て、それぞれの症状に合った個別の対応が必要になります。
担当者以外の人員も必要になります。

さらに、花村のエピソードでも、マニュアルやデータだけでは捉えることの出来ない、患者の心の問題が浮かび上がってきます。

これらのことを通して、夏目は自分に欠けていたもの〝病気だけでなく、患者の内面を見ること〟の大切さに気付いていきます。

今回のドラマ、とても解かり易いんですが、ストレート過ぎてちょっと気恥ずかしくもありましたね。

田所の誘いを断った高樹が、最後のほうで夏目に言ったセリフ
「1人で100%を目指さず、時には周りを見たらどうだ?」
これはそのまま、あおいに贈りたい言葉ですね。
あそこまで無理して頑張り過ぎてしまうのは、必ずしも良いことでは無いんじゃないでしょうか。疲労による医療事故も起こりかねないし。
一方的に至れり尽くせりでは、患者さんが(他の看護師も)頼ってしまって、自分で考えたり判断したりすることが出来なくなってしまう気がします。
医療チームとしてはもちろん、患者側も自主的になれてこそ、最良の医療になるんだと思います。

現実問題として、現在、看護師さんの負担は大きいと思います。
このドラマをただ良かったと締め括るのでなく、患者側の立場からもそういったことを考えていくべきなんだと思いました。
と言うか、何の世界にも言えることですけどね。


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