明日へのヒント by シキシマ博士

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「拝啓、父上様」(終) とても味わい深いドラマだったと思われ…

2007年03月25日 02時10分52秒 | 明日のためのドラマ
拝啓、倉本聡様ならびにキャスト&スタッフの皆様。
素敵なドラマをありがとうございました。

実を言うと、このドラマ、最初はそれほど期待してはいなかったわけで…
倉本先生の『北の国から』が好きだったこと、一昨年の『優しい時間』も良かったこと。そんな理由から、無難かなっていう程度で見始めたのであり…
実際、第2話くらいまではあまり真剣に見ていなかったこともあり、面白さが判らなかったんだ。 
でも、第3話あたりから、このドラマがどう言うことを描いていくのかが見えてきて、それから俄然面白くなってきたわけで…

拝啓、倉本聡様。
このドラマは題名から言っても、あの『前略、おふくろ様』を思い出させるわけで…
老舗料亭を舞台にしていることからも、単なる焼き直しかと思ったんだけれど…
でも違ってた。
神楽坂に今もなお残る、情緒ある町の佇まいと職人たちの人情。
それが、時代の流れに飲み込まれ失われていくのは哀しいことであり…
昔からの伝統・しきたりにしがみ付こうとする大女将と、心を鬼にしても古いものを捨てて現実を掴もうとする若女将。
生まれ変わる料亭「坂下」に残れる者と、辞めさせられる者。
一平の父親の名をけっして言わない雪乃ちゃんと、その知らない父親のことで思い悩む一平。
どちらの想いも判るだけに、これらの対立はとても哀しく…
そんな物語の世界に、いつしか、どっぷりと浸っていたわけで…

拝啓、二宮和也様。
田原一平のキャラには、とても共感できるわけで…
かつて私にも、確かにああいう時期があり…
若さゆえの未熟さを抱きつつも、ちょっとしたきっかけで自信を持ったり、その反動でひどく落ち込んだり…
複雑な大人の事情ってものに、いろいろと翻弄されたりもして…
時にひどく子供扱いされたかと思うと、次の瞬間には厄介な重責を任されたり…
年上の大人たちの尊敬できる部分と、軽蔑したくなる部分を沢山見せられ…
そういうことに揉まれながら、少し傷つき、少し狡さも覚え、そうして人は一人前になっていくのだと思われ…

そして拝啓、二宮和也様。
一平のそんな心の様子を、あなたはとても見事に演じて見せてくださったわけで…
一昨年の『優しい時間』も『鉄コン筋クリート』のアフレコも『硫黄島からの手紙』も良かったけれど、今回の一平役には最も共感させられたわけで…
だから…そのことにお礼を言いたいんだ。
ありがとう。

拝啓、田原一平様。
大女将が壊れてしまったことが哀しく…
「坂下」がなくなってしまうのが哀しく…
竜次さんが辞めてしまうのが哀しく…

けれど、どんなことも時の流れの中では変わっていくのであり…
形あるものは、いつか必ず無くなってしまうわけで…

だから、そういったことに翻弄されることからは、もう脱却しようと思うわけで…
結局、父親が誰なのかは判らないままだけれど、それが判る判らないで田原一平という人間が変わってしまうことはないのであり…
周りの状況がどう変わろうとも、心の根底にあるものはそれに影響されない。
おそらく、それこそが大人になるということだと思われ…

拝啓、『拝啓、父上様』製作にたずさわった全ての皆様。
味わい深いドラマを、どうもありがとうございました。
お疲れ様でした。



以上、今回は倉本キャラになりきって書いてみました(笑)



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2 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
こんにちは。 (SHINGO。)
2007-03-25 17:08:53
>実を言うと、このドラマ、最初はそれほど期待していたはいなかったわけで
まったく同じ気持ちでした。見続けてよかったと、安堵した次第です。
倉本さんのドラマは、いくつか見た事があるんですが
それほど引き込まれたものは、ありませんでした。
ただ「拝啓、~」を見終わって、無性に
「前略、おふくろ様」は、見たくなりました。
DVD発売されてますが、2クール分なので
高いっすよね。
返信する
>SHINGO。さん (シキシマ博士)
2007-03-26 21:04:59
コメント&TBありがとうございます。
確かに、倉本さんのドラマにしてはそれほど深刻にならないのが良かったんだと思います。
けっこう笑えるシーンも多かったですし。
「前略、おふくろ様」が放送された頃は、私もまだ倉本ドラマに嵌まっておりませんでした。
改めて観てみたくなりましたね。
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