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要するに、こういう映画に出会うために、自分は映画を観続けているんだなと思いました。
あさのあつこさんのベストセラー小説を、滝田洋二郎監督が映画化した作品「バッテリー」。
最初から最後まで、とても幸福な気分に浸りながら鑑賞しました。
もちろん、今年これまで観た映画の中では一番のお気に入りです。
中学入学直前の春休み。
少年野球のスター選手だった原田巧(林遣都)は岡山県新田市に引っ越してくる。
孤高の才能と自信を持ちながらも、病弱な弟・青波(鎗田晟裕)にばかり目を向ける母親(天海祐希)との確執や、自己表現の不器用さから、他人を寄せ付けない孤独さをいつも漂わせていた。
しかし、引越し早々出会った地元チームのキャッチャー・永倉豪(山田健太)は、そんな巧に屈託なく話しかける。
中学に入学した二人は、野球部に入りバッテリーを組む。
不器用で他人と折り合えない巧は監督や先輩と対立するが、豪や同級生のチームメイトに助けられ、絆を育みながら成長していく。
(118分)
別段、目新しい物語ではありません。
野球を通して人の絆や確執・孤独・友情・信頼・努力・挫折・成長…、様々な人間ドラマを描くというのは、私の大好きな水島新司先生の漫画で繰り返し見てきたものです。
でも、そういった作品群の中にあっても、この映画の伝え方の上手さは際立っていると思います。
登場人物たちが放つ言葉の多くに共感します。
とりわけ印象的なのは、父親(岸谷吾郎)の「野球は気持ちを伝えあうスポーツなんだ」というセリフ。
これらは原作の良さなのか、それとも脚本の良さなのかわかりませんが、すごく共感できます。
巧と豪の関係は、少し前に観た映画「鉄コン筋クリート」のクロとシロのそれに似ていますが、こちらの描き方のほうが的確だと思います。
互いに足りないものを補い合って成長していくもの。それが〝バッテリー〟なんだということ。
少年たちの実年齢は、役柄よりもかなり上のようです。
確かに、その点を気にしだせば気になりますが、この配役だからこそ説得力があるんだと思います。
林遣都くん、山田健太くん、鎗田晟裕くん、その他の少年たちも皆、素晴らしい。
役と同年齢の子が演じても、これほどのことを伝えるのは難しいでしょう。
肝心なのは、外見のリアリティよりも内面的な実感だと思いますから。
そしてもうひとつ忘れてならないのは、熊木杏里さんが歌う主題歌「春の風」。
映画の雰囲気にぴったり合っていて素晴らしいです。
才能がある故の孤立。
才能がない故の妬み。
そして、いつも希望と隣り合わせの挫折。
どの立場に立っても、少年期は傷付きやすいものですね。
けれど、それらすべての傷は、必ず、人として成長していくための大切な糧になるのだということ。
それを、我々大人は経験的に知っています。
だから我々は、そんな少年たちの誠実な戸惑いや挫折を、丸ごと肯定してあげましょう。
彼らがなんの屈託もなく、存分に輝けるように。
そしてもちろん、
我々自身の中にまだ息づいている少年をも、存分に輝かせていきましょう!
あさのあつこさんのベストセラー小説を、滝田洋二郎監督が映画化した作品「バッテリー」。
最初から最後まで、とても幸福な気分に浸りながら鑑賞しました。
もちろん、今年これまで観た映画の中では一番のお気に入りです。
中学入学直前の春休み。
少年野球のスター選手だった原田巧(林遣都)は岡山県新田市に引っ越してくる。
孤高の才能と自信を持ちながらも、病弱な弟・青波(鎗田晟裕)にばかり目を向ける母親(天海祐希)との確執や、自己表現の不器用さから、他人を寄せ付けない孤独さをいつも漂わせていた。
しかし、引越し早々出会った地元チームのキャッチャー・永倉豪(山田健太)は、そんな巧に屈託なく話しかける。
中学に入学した二人は、野球部に入りバッテリーを組む。
不器用で他人と折り合えない巧は監督や先輩と対立するが、豪や同級生のチームメイトに助けられ、絆を育みながら成長していく。
(118分)
別段、目新しい物語ではありません。
野球を通して人の絆や確執・孤独・友情・信頼・努力・挫折・成長…、様々な人間ドラマを描くというのは、私の大好きな水島新司先生の漫画で繰り返し見てきたものです。
でも、そういった作品群の中にあっても、この映画の伝え方の上手さは際立っていると思います。
登場人物たちが放つ言葉の多くに共感します。
とりわけ印象的なのは、父親(岸谷吾郎)の「野球は気持ちを伝えあうスポーツなんだ」というセリフ。
これらは原作の良さなのか、それとも脚本の良さなのかわかりませんが、すごく共感できます。
巧と豪の関係は、少し前に観た映画「鉄コン筋クリート」のクロとシロのそれに似ていますが、こちらの描き方のほうが的確だと思います。
互いに足りないものを補い合って成長していくもの。それが〝バッテリー〟なんだということ。
少年たちの実年齢は、役柄よりもかなり上のようです。
確かに、その点を気にしだせば気になりますが、この配役だからこそ説得力があるんだと思います。
林遣都くん、山田健太くん、鎗田晟裕くん、その他の少年たちも皆、素晴らしい。
役と同年齢の子が演じても、これほどのことを伝えるのは難しいでしょう。
肝心なのは、外見のリアリティよりも内面的な実感だと思いますから。
そしてもうひとつ忘れてならないのは、熊木杏里さんが歌う主題歌「春の風」。
映画の雰囲気にぴったり合っていて素晴らしいです。
才能がある故の孤立。
才能がない故の妬み。
そして、いつも希望と隣り合わせの挫折。
どの立場に立っても、少年期は傷付きやすいものですね。
けれど、それらすべての傷は、必ず、人として成長していくための大切な糧になるのだということ。
それを、我々大人は経験的に知っています。
だから我々は、そんな少年たちの誠実な戸惑いや挫折を、丸ごと肯定してあげましょう。
彼らがなんの屈託もなく、存分に輝けるように。
そしてもちろん、
我々自身の中にまだ息づいている少年をも、存分に輝かせていきましょう!
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父親のあのセリフ、たしかによかったですね。
気持ちを伝え合うって、
どんなときにも大事なことですよね。
子役たち、皆よかったですね。
生き生きしてました。
やはり良い映画は忘れませんね。
本当に、少年たちの生き生きした姿がこの映画の命になってると思います。