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異常な軌道を持ち、有機的な活動を見せる不可思議な海で覆われた惑星ソラリス。主人公ケルビンは惑星上空に浮かぶソラリス・ステーションに到着するが、ステーションは半ば放棄されていた。そしてケルビンは死んだはずの恋人が出現するなど、奇妙な現象に悩まされ始める。同僚の科学者達にも同じようなことが起きており、これらの現象は異常な軌道とともに「海」が原因らしい。ケルビンらは、自殺した研究員ギバリャンの記録をヒントに「海」と接触を図る。
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「夏への扉」に続いて・・・SFつながりということで、バイカー修さんにお勧め頂いた「ソラリスの陽のもとに」を読みました
「この宇宙のどこかに知的生命体が存在するのではないか・・・」それはSFでもこの現実世界でも永遠のテーマ。しかし、ソラリスの生命体は私たちがイメージするどんな「宇宙人」とも違います。
その知的生命体「海」は、地球を侵略するわけではなく、私たちに高度な文明を教えてくれるわけではなく、彼らのコミュニティや歴史を見せてくれるわけでもない。が、その独特な方法で接触をはかります。
「未知との遭遇」を描いた作品は多いですが、この本は広い宇宙に出て、惑星ソラリスに辿り着き、ステーションの外には惑星ソラリスの世界が広がり、知的生命体と遭遇しているというのに、ステーションから外には出ずひたすら主人公ケルビン自身の苦悩を掘り下げてばかり・・・という困った(笑)作品。
ケルビン自身の過去についても、他の研究者についても語られないことが多く、もっと知りたい・・・という欲求がムズムズ。一方で想像を広げることも可能・・・ということかなぁ。
とても哲学的な印象を残す1冊