前回の記事までで残るは、RF基板のみか!と思っていたがマダマダ大変だった。
引き続き。トラブルを書くと
①温度調整が上手く出来ない。そのため0°Cから急激に250°Cへ上昇する。同時になぜかSWRの警告が出る。
これは最初から出ていて解決出来ていないもの。
温度、SWRの2つのセンサーが接続されているMPUポートを見るがショートしているわけではなかった。
仕方なく温度センサー回路の全部品のハンダ付けを再度試みる。するとハンダコテで片側を加熱しただけなのに2つの部品がポロリと取れた。
この2部品、センサーのバイアス回路部品だ。そういう事か!外れた部品をハンダ付けをして電源を入れバイアス調整を行うと正しく温度が表示された。
そこで、いよいよ・・TXから入力をして出力が出るかを確認しよう!
②TXから入力するもRFのパワー出ない。終段回路の電流も全く増えない。
仕方ないので、メイン基板のRF入力からRF出力までの回路を基板上で追う。ハンダ付け忘れも不良も見当たらず。
が、メイン基板のコネクタの1ピンにハンダ付け忘れ発見。これを直すとSWRの変なエラーが解消された。
しかし、パワーが出ないのは変わらず。RF基板を外してみるがハンダ付け不良はみつからない。
③RF基板を戻して電源コネクタを差しただけで焦げ臭くなる!!(臭いだけ)
RF基板をよーく見ると14Vの回路(バックアップ電源)パターンが焼損していた。
完成間近で目の前真っ暗!
焼損が14Vラインだけであることを確認して、焼損したパターンに変えてエナメル線で配線しなおす。
恐る恐るコネクタを差す。電源が入るも突然電源が落ちる?他に焼損があるのかと他基板も外してチェック。
そして再び・・・
④またまた電源コネクタを差しただけで発煙!今度は発火!(エナメル線だからな)
今度はフラットケーブルの14Vラインが黒くなって切れていた。
この日は、フラットケーブル部品が一切無いので終了。圧接コネクタの製作ミスだったのか??
翌日、サトー電気で圧接コネクタ及びケーブルを手に入れてフラットケーブルを作成。
14Vのショートが無いことを確認して電源コネクタを差す。電源を入れると無事に復帰。
②はまだ解決してない。
いよいよ、オシロを取り出して入力波が何処まで届いているかを確認すると、最終段のパワーMOSの手前まで届いている。
なのでパワーMOSの入力コイル及び出力コイルの1ターンコイル(真鍮棒)のハンダ付けをしっかりやり直した。
14Vのショートがないことを確認し、いよいよ・・・接続!果たしてちゃんと動くのか?
mcHFを接続して暫く様子を見る。
パワー表示に切り替えてmcHFのtuneボタンを押す。おーー、出力が出ている!
SWRはどうだろう?ダミーロードは実は10W用!
温度表示は大丈夫か?パワーを出したので室温よりも上昇している。
次にスタンバイモードに切り替えると、mcHFの出力がちゃんと表示された。
1Wあれば各バンドほぼ40W以上。2Wで100W近く、5Wあれば150W出ることが確認出来たが・・
これはJUMA PAの出力表示なので改めて測定してみる。
(速報:出力の大きい側の表示は180-200%程度大きく表示されていた。出力表示を校正しました)
1Wで20W程度、4Wで70W程度だった。3.5MHzは5Wで130W overだった。
反省点(今後へ向けて)
●今回のトラブルの殆どの原因は、最初に手を付けた「RF基板」だった。しかも全てハンダ付け不良だった。部品点数も少なく、SMDもサイズの大きいものが多いので甘く考えたか?反省反省。
(一番小さなSMD及びTSOP周りは殆どトラブルなしだったのと対照的)
●最大のトラブルはパターン及びケーブル焼損だった。原因は圧接コネクタ作成時にケーブルが斜めに入ったかな?と思ったのだがこれが最後に重大トラブルを引き起こした。
●SOP部品の一部ハンダ付け抜けがかなりあった。
●トラブルのお陰で回路図を追って論理的に修復出来ることが分かったのは収穫だった。
ポイントを押さえてしまえばSMD実装の方が(リードを切る必要ないし)非常に楽!なことが分かった。
やっぱチップ部品は慣れないとなかなか難しいですよね。
自分も20年近く父親に「72ピンSIMM頂戴」と言ったら・・・
基板とメモリチップなどを渡され手ハンダしたのを思い出しました。(両面実装で32MBのをなんとか作りました)
ダミーロードは50w/6GHZのやつが多数ありますか要りますか?
http://www.e-meca.com/rf-termination-loads/n-male/480-1
2個並列に繋げればSWR=2のダミーロードにもなります。
また、40dB/200wのアッテネータもありますのでパワーやスプリアスの測定もある程度はできます。
保証認定に使うのであればJARLかJARDの測定サービス使ったほうがよさそうですけどね。(JARDは平日限定ながら2000円で測定室解放サービスを始めたようです)
夕方から依頼のあったmcHFの修理をしていました。無事に終了でこんな時間に。
SMDには少しは慣れてきました。
40dB/200wの通過型アッテネータならばアンリツの携帯スペアナで測定してみたいものです。
ラボに籠って実験会をやりますか?
なかなか良さそうなリニアアンプですね。
私も購入を目論んでいますが、為替レート次第です。ご立派な測定器もあることで
すので、次回はスプリアス強度測定値を
拝見させてください。楽しみにしています。
JUMAのPAは、その後OUT OF STOCKのままです。出てくればもう一台手に入れたいところです。
スプリアス測定は自分で実施するのは難しいようなので・・
でも一度はやってみるか?