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「同軸コリニアアンテナ研究会」でgoogle検索するとHPをご覧いただけます。研究成果がまとめてあります。

DCDC電源を並列運転する?

2020年03月01日 10時44分01秒 | DCDC

同軸コリニア研究会の一部メンバーで流行っている事7.8V→12.5Vの「CVCCタイプのDCDC電源」だ。

DCDC20A電源で先日430MHz50W対応を行ったところ出力20Aで変換効率80%近くまで落ち込んだ。そこで

  • 効率の良い所で使用してバッテリーの持ちを改善する
  • 大電流による発火・発煙のリスクを抑える
  • 仮に片側が故障してもDCDCでの運転が継続できる

ということで並列運転だな!とblogに書いたところ茨城のメンバーが早速実験を行った。

結線は下図の通り。DCDC10Aを2セット並べて接続だ。実際にはケースに余裕がりDCDCユニットを2個詰め込んだようだ。

並列運転をバッテリー系で行うと大変なことになる。少しでも電位差があると電圧の低いバッテリーに一気に逆流だ。

実は写真右側の緑のDCDCはお菓子を食べながら仲間にはんだ付けして貰い気楽に制作した。

抵抗、コンデンサはチップ部品が多くしかし全てチップで揃えられなかったので一部は回路図を見ながら直付けした。

気楽にのんびりやり過ぎて完成後所定の電圧が出なかった。抵抗の位置を間違える。抵抗値を変更する・・

結局調整終了まで1日がかり!!

自宅に帰って電圧を測定した仲間から・・出力が5Vしか出ない!とか片側しか動作しないとの連絡があったが・・・2週間ほどして完成したとの連絡が届いた?

5Vしか出ない問題はどうなった???でメンバーからの報告

『10wですと軽負荷で電流は片方に集中するようで0.1Aと2.7A

35w負荷にすると2台とも平均に4.5Aかかりました。1台にしか電流が流れない問題は解決です

VR1はほぼ中間10Aにしました。関東UHF の並列運用では送信時7.87Vでした』

この結果を見る限り・・IC7100は出力に応じた電流値だなあ。

では私も10Aの並列電源を製作するか?


20AクラスのDCDCで実験

2020年01月19日 11時24分13秒 | DCDC

実は先週移動運用を行ったのだけど50Wフルパワー運用したことでDCDCのMOS-FETを飛ばしてしまった。

理由は簡単で軽量化で分厚いヒートシンクを取り付けずアルミのケースだけを放熱板として使用したのが原因だった。

今回は放熱板を取り付けて改めて430MHz50WFMの送信テストを行うと5分程度で今度はコイルから発煙した。20A超えの電流にはそう簡単には耐えられないようだ。

10A台までは問題ないのだが20A超えとなると・・FET・コイル・ケーブル・ヒューズもよほど慎重に選定する必要がある

【コイル発煙前のDCDCアップコンバータ】

小型のコアならばタカチYM-100へ収納できたがコイルが大きくなったので余裕のあるケースへ入れ替えた。

まだ余裕があるので電圧計と冷却用ファンの実装も可能だ。電源の安定性を確認したらこれらを取り付ける予定。

全体の構成は下図の通りで大電流を流すと効率が悪くなるのは昇圧の比率が比較的高いためだ。

入力10Aでは効率90%、入力20A程度では効率80%となる。

結局、コイルを大きくして電流容量を確保した。勿論、放熱板は3mm厚のアルミ板を使用している。

入力電流30Aも可能だけど更に効率が落ちるので20Aが限界か?

【コイルを大きくしたのでYM-100へ入らなくなった】

効率を考えると10A電源並列または20A電源並列が次の選択肢かも。

今回のケースならば並列化も簡単にできそうだ。


 


破損したDCDC電源を修理した話

2019年09月21日 18時43分35秒 | DCDC

先日、木更津移動で出力端子をショートさせて発煙したDCDC電源の修理を実施した。

中を開けると10mΩシャント抵抗2本が完全に燃えてへばり着いていた。まずはこれを剥離する。

この回路と並列に入っているヒューズを確認すると切れている。

そもそも手抜きをしてヒューズは取り付けたがシャント抵抗を外さなかったことで、シャント抵抗にショート電流が集中して焼損したと考えられた。

外観チェックをすると電圧コントロール部の電解コンが完全に飛んでいる。これを引き抜いて交換する。

スイッチング用の大電流ショットキーバリアダイオードFETには異常はなかった。この状態で実験用の電源(1A)を取り付けて7.8Vに合わせ通電し出力電圧を測ると12.5Vあった。

電圧を少しだけ下げて12.2Vとして次は7.4Vリチウム電池へ接続する。出力電圧も規定値出ている。

これで修理完了だ。

【修理内容】 

  • シャント抵抗除去
  • ヒューズ交換
  • アルミ電解コン交換
  • 入力電圧計を取り付けた(穴あけが面倒で入力端子に直結)
修理は簡単に終了したが小型に作ったのでバラシと組み立ての方が時間がかかった感。
【使い込んでいるDCDC電源は傷だらけ。小型ながら入力は7.4V 30A 出力12V以上で15A】
7.4V 30A入力で出力12V以上、Cont.15Aなので・・各部の安全設計が必要だ。
メンバー内で増殖中!
使用しているリチウム電池は瞬間100Aは簡単に出せるので部品や回路、ケーブルが一瞬で燃える!!
危険なDCDC電源だ。
※本日も新たに3本の同軸コリニア製作中!

秋月電子で仕入れた部品は

2019年02月10日 10時48分24秒 | DCDC

最近は色んな所?で使われて研究会メンバーに拡散しているもの、DCDC電源。

メンバーの一人は発電機運用からDCDC電源運用に完全に切り替え静かに移動運用を行っているようだ。

但し注意点が必要である。430MHzFMモービル機以外でフルパワーで送信すると大変なことになる。

バッテリー電圧が落ちてくると7Vになる。これを12Vに昇圧しているので無線機に10A流れると

少なくとも 12V x 10A = 120W必要。効率90%でも入力には133W程度必要。

つまり入力回路には少なくとも133W/7V = 約19Aの大電流が流れる。IC9100クラスでは最大20A程度流れるので・・入力電流は?40Aに迫る。

電源ケーブル、基板配線、保護回路はかなり厳重に考える必要がある。

国内でリチウム電池は売られているが、まだまだ高くて簡単には手が出ないのが課題。

そこで汎用のラジコン高容量ニッケル水素やお安い10AH以下のリチウム電源(2セル)から12V電源を作ろうという代物がこれ。

元々、12Vを14Vへ昇圧するCVCC、DCDC電源の分圧比を変更して7.4V→12VのDCDCに手直ししただけなので・・誰でも出来るか??

電池はamazonで探せばニッケル水素パックが3000円前後で4000mAH-5000mAHの電池がゴロゴロしている。

山岳移動で使用しているFT817やFTM10SならばこれをパラにしてDCDCで12Vへ昇圧。FMでも半日は遊べる。

DCDCは実験中に入力や出力を何度もショートさせて部品を飛ばし半導体を全て取り換えても直らず途方に暮れていると・・

飛んでいたのはアルミ電解コンばかり。あとは電流検知用の抵抗が殆ど・・半導体はほぼ無傷。

というわけで東京メトロの24時間券を買って上野界隈を散歩したついでに秋葉原に行きDCDC用補修部品を仕入れてきた。

アルミ電解コン、N-MOS FET、60Aクラスのショットキーバリアダイオード、20AのFuse。忘れていたDCDCコンバータIC!!

ショートさせなければ出番はないが・・・ま、これからも色々あるだろう。


DCDC電源改造しました

2019年01月02日 09時11分58秒 | DCDC

移動運用の電源の考え方

私の無線運用は山岳移動や小旅行での移動運用が中心だ。旅行での移動運用もレンタカーが中心なので気軽にシガーソケットから電源を取ることもできない。

最近までは旅行先へ事前に発電機を郵便局や宅配業者の営業所止めで送付していたが街中では発電機を使えないことも多くリチウム電池での運用を行っていた。

使ってきた電源の変遷は別途書くとして最近は6-8.5V電池を昇圧して12.2V程度で利用するとTPOに応じて電池の選択肢が広がることに気づいた。

例を挙げれば7.2V系電池はラジコンの動力用として多く使われていてリポ電池やニッケル水素電池パックなど選択肢は多い。

これが本DCDC電源を制作した理由だ。7.2Vを電源とするならばニッケル水素から2セルリチウム電池と対象の範囲が広く、移動先に応じた容量・サイズが選べることが最大のメリットだ。

山岳移動ならば6.5AHの6直ニッケル水素1セットで十分。小旅行では10W程度のCW運用が多いのでやはり6直2-4並列の電池と充電器があれば十分。

6時間のUHF帯のコンテストともなるとFM中心で500WH程度は必要になるので2セルリチウム電池の出番だ。

全市全郡のような24時間コンテストでは500WH以上の2セルリチウムが最低3枚必要となる。

以上みてきたように6-8.5Vの昇圧型DCDCならば応用範囲が広い。

DCDC電源改造

さて、改造したDCDC電源はどうなったか?これが完成したユニットだ。仕様をカタログ風に書くと

・サイズ:L90×W95×H35mm(端子台含む)
・重量:272g
・入力電圧:DC6.0-8.5V
・出力電圧:11.0-12.5V(電圧調整可能)
・最大出力電流:10A (瞬間最大電流15A)
・変換効率:90%以上
・DC-DCコンバーター(昇圧、CVCC動作)

小型大容量で移動運用で大変便利です。最大電流で10分以上の連続送信を行う場合はファンなどで冷却が必要です。

内部の抵抗の変更で12V→13.8VのDCDCへ変更可能。またVRの設定で出力電圧、出力電流を制御可能。

【かつて入力を逆接続して壊れたユニットを再生した。結局ダイオードとICが飛んでいた】

外観は

今回のユニット重さ

元のタイプの重さは

ケースとヒートシンクを小さくし200g以上の軽量化を実現できた。左は超大容量リチウムバッテリー、右上に写っているのが今回バージョンのDCDC。

動作実験中に出力端子に繋いだビニール線を誤ってショートさせた。見事にビニール線は溶けたが電源は問題なし。

ついでにハンディスペアナでノイズ測定も行ったが・・都市ノイズ以下だった?(-100dBm以下)

これまで430MHz,144MHz、宮城移動ではHFで使用したが7,10MHzには全くノイズは確認出来なかった。

皆さんもラジコン系電池を上手く利用してみては?


全市全郡での成果に気をよくしてDCDCの改造計画

2018年12月30日 20時00分17秒 | DCDC

全市全郡ではDCDC電源が活躍してくれた。これに気を良くして改造に着手することにした。

このDCDCは入力6-8.5Vで出力は12Vに設定してある。実は12V15AのCVCC電源である。変換効率は10A出力で93%。

6-8.5Vに設定してあるのは2セルリチウムと6直ニッケル水素電池に対応する為。リチウム電池のカットオフ電圧6.4V,ニッケル水素は6Vだ。

【6直ニッケル水素電池、実はハイブリッド車の動力用電池の1ユニットだ】

ついでに書くならば満充電時の電圧は8.3Vと8.2Vなのでほぼ同等。2セルリチウムと6直ニッケル水素は同じ電圧で推移する。

初期バージョンは発熱量にも余裕を持たせて大型のケースに入れた。また端子もDCIN,DCOUTで3つの端子だけだった。

実際にコンテストで使用するとパソコンやボイスメモリー、スマホの電源が必要なりDCOUTは1端子では非常に使い難かった。

性能的には発熱もほぼなく満足のいく結果だった。

そこでサイズを1/2以下、容積は1/4以下にして電源出力は端子台を使用して3倍増させる計画とした。

使用ケースはタカチYM-100した。従来タイプと比較すると・・相当に小さくなる。これで山岳移動で荷物にならない。

DCDC基板をYM-100に入れてみるとこんな感じになる。今回上手くいけば初版もスケールダウンする予定だ。

明日にはすべての部品が届く予定。穴あけから開始するか。