ありがとうって伝えたくって

「同軸コリニアアンテナ研究会」でgoogle検索するとHPをご覧いただけます。研究成果がまとめてあります。

ビームアンテナ(多段多列を除く)の方が飛ばない??

2021年10月17日 12時14分16秒 | 同軸コリニアユーザレポート

最近はアンテナ設置の相談を頂くころがあります

今回は神奈川県相模原市の方で内容は下記のうようなものでした

「住居環境ですが、南西道路に接道した戸建ての住宅密集地、海抜92mです。平坦地で周囲は幹線道路が一本、走っております。

コーリニアアンテナは、自宅ベランダの八木のついている頂点に取付希望です。

現使用八木は既製品ですがブーム長約1.3mのため、あまり、入感ありません。※アンテナアナライザーを当方保有しており、1.2以下となっておりました。
現在ローテータ使用計画ないため、丹沢に八木を固定し反射で使用しています。

今後、現状より受信感度よく、近隣郊外の局との安定したQSOが希望です。

CQをしてもなかなか応答ないため、今回の依頼となりました。」

この状況を同軸コリニアで解決できるだろうか?と疑問には思った

ただ、「丹沢に八木を固定している」いう点だけは非常に気になった

相模原は丹沢前衛の山から5-15kmしかない、しかも1.3m程度のアンテナ?ワイドスペースの8か9エレ、ナロースペース15エレだ

丹沢に近い上にビーム幅が狭すぎ「丹沢ビーム」の意味をなさないだろう

但し同軸コリニアに変更して?どれほど改善できるのか?これも疑問だったが

基本的なアンテナの設計方針

1.西側の丹沢の前衛の山々を反射板として使い北東南に飛ばす

 →逆に関東各局は丹沢ビーム局が多く、満遍なく丹沢に当てれば交信できるはず

 →丹沢を上手く使えば見通し距離外にも伝搬する(丹沢の面反射、八木等とは広さが違う)

2.上記実現には同軸コリニアをアップチルトタイプに仕上げる

3.出来るだけ垂直面を広く取り様々な反射を利用する

→結果として10段同軸コリニア(アップチルトタイプ)とし送付した

10月に入って連絡があった

「静かな430と、思っておりましたが、かなり、日中賑やかであり、感度も、良い印象でした。5w送信でも、市内は十分、府中市まで届きました。ありがとうございます。」

翌日のメールには驚いた(10W送信とのことです)

「お世話になっております。
4日、夕刻、仕事帰宅後、パイルになりました。茨城県及び栃木県鹿沼市から応答ありました。 
八木アンテナや、ループアンテナより、受信感度よく、飛びも、素晴らしく、大変感謝いたしております。ローカル各局も、驚愕しておりました。」

地域によってはビームアンテナの丹沢ビームが意味をなさない事、

画一的な富士山ビームや丹沢ビームの掛け声は意味をなさないことがある事を認識して下さい皆さん

ありがとうございます。深くお礼申し上げます。

     これまで受信のなかった千葉県木更津市から昨晩は、コールをいただきました。お相手局様の空中線は、モービルホイップとのことでございました。当方の信号は10段コリニアにて10W送信・「58」かなり良好とのレポートをいただきました。

    毎晩がQRVの日々・・・アクティビティ高くQSOをさせていただいております。ありがとうございます。

ということで「CQをしてもなかなか応答ないため、今回の依頼となりました」を受けて改善した結果

夕刻、仕事帰宅後、パイルになりました」となって安心しました


15段同軸コリニア 15エレシングル 対決(原文通り)

2021年10月06日 21時16分12秒 | 同軸コリニアユーザレポート

今回も前回の記事に続き3エリアの局長さんから楽しい?レポートを頂きましたのでインラインにて紹介・解説します


今回は先日購入した15エレシングルと比較しました。
アンテナ高さは6mH 詳細は添付参照ください。

いくら何でも15エレ八木には負けるだろうと、急ぎ購入し佐藤さんを一度責めてやろうかと思い比較しに行ったのですが・・・

ですよね?普通は

  1. アンテナの選択は八木やループが一番と思っている
  2. メーカ製のほうがゲインもあると思っている

実は「そういう場所ならば15段がベストですよ!」と勧めたのは私ですから眉唾?と思われていても仕方がないのですね

でも本当に探究心?のある方ですね

15エレシングルとの比較の感想は・・・
何故かまたX7000と同じで、聴こえない飛ばないのでやってみてがっかり・・・
もう本当に聴こえずで、比較にならないのです。
よって、添付には15エレのDATAはありません。
(アホらしくて取りませんでした)

勿論、一体どういうことだと思いました?

まぁでも事前にロケを伺っていたので差はあると思っていましたが「そんなに差が出たのか?」と

方法は430FM、430FT8で最初に同軸コリニアで聞いていて八木に切り替えて
アンテナ振りながら探してみるのですがとても弱くなってしまい聞こえなかったり
FT8でも見えないのです。強くなる局は皆無でした。

↑広い平野の関東ではこれは起こりにくい。しかし正しくアンテナ比較を行うと「あれ」っと思われることは起こっている

平野が比較的狭く、起伏に富んだ地形かつ海あり湖ありの場所ではダウンチルトは相当威力を発揮します

滋賀や愛知の局は聞こえましたがモービルホイップでも聴こえる所と

比較しても面白くもなく、比較しに来たのに結局最後までコリニアで運用してしまい
ました。

↑確かにその通りで見通しにある地域やピンポイントに向けて交信するのはビームアンテナが圧倒的に有利です

今回は300km越える局と出来ましたのでとても感激ですが、
15エレはこれから移動では使わないので、痛い買い物でした・・・衛星用にするか
な。

今回もやっていて不思議なのは山の真裏なのに100km越えに呼ばれるのです。
(今までの運用もすべてCQです。)

丹沢山系の相模湾に面した南斜面の実験でも同軸コリニアを含む通常のアンテナでは丹沢山系の裏側の埼玉中心部と交信は出来ないのです

ところがダウンチルトに切り替えると途端に入感して来るのです、つまり地上の見下ろせる場所、標高100mでも構いません。

そこから海や湖、地上が見えていればそれに向けて電波を叩きつける、するとその乱反射で山の裏に回り込むのです

見下ろせる場所から電波を下向きに放射すれば八木でも同じことが出来ます、しかし水平面が狭いことで思うようには交信できません

最後に、
関東と違い関西、とりわけ滋賀県は大票田の愛知・兵庫大阪方面までは
60-100km有り、430ではとても遠いのです。
今の15段(最初16段だと思っていました。)でも不足はないのですが、
更なる欲が出てきてしまいました。もっと飛ばしてみたいと。
15段と同じダウンチルト角度の低山仕様で
怖いものなしの20から30段くらいの日本一のモンスターコリニアアンテナ
なんてのも良いですねぇ~~~

15段を20段30段にしてもSが良くて1上がるだけです。

段数が増えると垂直面が狭くなり広がりを持っての反射や回折が出来なくなる可能性があります

これ以上段数を増やすことはデメリットがメリットを上回る可能性があり難しい選択です

1400mの1.2Gで15段と31段の比較を行いましたが・・これは見通し範囲内の交信でしたがので確かに31段が良かったです

アンテナはロケーション・障害物の有無・水面の存在そして標高、そして目的によって使い分ける必要があります

私の最近のメインバンド430MHzや1200MHzでは同軸コリニアといえども各バンド最低3本もって遠征先に合わせてアンテナを選択します

段数の少ないダウンチルト→近距離・中距離・対ビームアンテナ用

段数そこそこのダウンチルト→中長距離用(主力アンテナ)

利得優先の多段同軸コリニア

結果的に

私にクレームを言うつもりが・・私の選択が正しかった事を更に証明して頂きました

「15エレ全く相手にならず!」だったようです

こんなにダウンチルトがハマる場所があるのですね?


X7000と430MHz15段コリニアアンテナの比較結果レポート(3エリアより)

2021年09月18日 11時19分39秒 | 同軸コリニアユーザレポート

数年前に1エリアの埼玉の山頂局がメーカ製のアンテナと16段ダウンチルト&8段同軸コリニアの比較実験を行って2年、今回は3エリアの局長様からレポートを頂いた。

最近の同軸コリニアの頒布は依頼局の主な運用形態と標高・ロケ・交信相手との距離を勘案して適切な同軸コリニアを提供させて頂いている

今回紹介する局長様は標高100-200m程度かつ琵琶湖を見下ろすと伺っていたので

430MHz最強の15段ダウンチルト同軸コリニアを提供させて頂いた

この15段アンテナは10段同軸コリニアと比較して平均するとS2ほど飛び受けが良くなるのだ

10段と15段の段数差は1.5倍、dBで表すと1.4dBこの差でSが2つ良くなるはずはないのだ。しかし現実はS2良くなる

2年前とは技術力が違っているということでもある

前置きはさておき比較結果

比較対象: X7000と15段ダウンチルト同軸コリニア

標高:   254m

【6mHに上げたX7000】

【6mHに上げた15段ダウンチルト同軸コリニア】


先日と本日430移動にXXXXXXXの 琵琶湖岸標高86m水面反射での飛びチェックと 先日と同じ254mに行きました。

琵琶湖岸ではコリニアのみ6mH 254mではX7000と比較しました。 アンテナ高さは6mH 詳細は添付参照ください。

X7000との比較の感想は・・・ X7000・・・聞こえない飛ばないので比較にならないのです。 2mFT8ではそれなりに聞こえていたのに430FT8や 430FMでは何も聞こえない・見えないのです。どうして?

コリニアで見えてたFT8もFMもまるっきり聞こえなくなりました。 X7000ってこんなものなのですか? もう低山移動では使いません!

先日の琵琶湖水面反射の目玉は岡山市。 本日の低山の目玉は、長野市、清水区、黒部市でした。 (黒部はeQSLが来て、TS811+20X2X2とのことでした) 今回も200kmOverと出来ましたので感激です。

本当に良いAntをありがとうございました。


この結果でX7000がダメだと言いたいわけではありません

適材適所なんです

標高がたった250mでこの差が出る理由をちゃんと考えて頂きたいのです

なぜですか?

答えは実に簡単です。高いところに移動すれば(山岳移動局を除き)UHF帯の電波は基本的に地上側つまり下から電波が飛んで来るわけです

下から電波が来ているのに水平方向へ鋭い指向性を持つ高ゲインGPを山岳移動で投入すること自体が無謀なことなのです。上記結果は必然です

その点にお気づきでしょうか?八木で考えてみて下さい、横浜から埼玉と交信しようとしているのにアンテナを南に向けますか?

たった250mでもこれだけの差(聞こえるが聞こえなくなる)が出ます

なので山岳移動で同軸コリニアでダウンチルトアンテナが必要になったのです

アンテナ比較記事

アンテナ比較記事をよく見かけますが上記の点を理解しての比較記事はほぼ皆無です

また大OMも気づいてないと思います

標高250mですら上記の結果です。標高1000m、2000mでのアンテナ比較は伝搬をちゃんと理解してないと大きな誤解を生みます

標高の高い場所に高ゲインのGPを持ち込んで比較すること自体間違いなのです。勿論、距離に応じてGPを傾けて比較すれば実力通りに結果が出ます

それも行わず比較をすると思いもしない結果に驚きます!!

このホイップアンテナの方が八木やGPよりよく聞こえる!!(これは一面しか見ていません、なんて話ありますよね?)

1200MHzでの1000mを超える移動には最低2本のアンテナを持っていきます

7段同軸コリニアと31段同軸コリニアです

・7段同軸コリニアは近中距離(50km)まではSが上です、または対ビームアンテナ用

(ハンディホイップ的なアンテナならば30km程度は圧倒的にSが強い)

・31段同軸コリニア 標高1000mで不感地帯が30kmある50kmを超えると独壇場

つまり段数によって得意とする距離やアンテナタイプが異なっているのです

標高にもよるのですが段数が低いものは垂直面が広い、八木との相性が良い、近距離のSが強くなる

段数の多いGPは全般的にSが弱くなる。その分遠距離が伸びる(エネルギー保存則です)

430MHz1200MHzのアンテナ比較は最低でも50km以内、50km-100km、100km以上に分類して比較する必要があります

更に距離によりGPアンテナを傾けるが正しいのですが・・

アンテナを傾けなくてもビームが地上に向いているのが

ダウンチルト同軸コリニア

というわけです


お便りを頂きました

2021年01月19日 22時14分57秒 | 同軸コリニアユーザレポート

ZS6BKW(=G5RV)の記事を寄稿頂いた米子局から丁寧なお便りを頂きました

そこには使用しているアンテナの近況が綴られていました。

直接アンテナを提供させて頂くとメールや手紙でお礼の言葉や使用感、課題を頂くことが出来、次への進歩に繋がっています

米子局は最近同軸コリニアを制作されてローカルとのラグチューには室内に5段、山陰UHFロールコールのキー局では8段コリニアが活躍しているそうです

HFではダイポールか八木が定番で「ZS6BKW」は蚊帳の外と書かれていました。(意図はこんなに良いアンテナを使わないの?)

ZS6BKW・・何度も書いたのですが「給電の平衡ケーブル」は周波数によってアンテナになったり給電線になったりする非常に理論的なアンテナなのです。

単線にオートアンテナ・チューナーを繋ぎコイルとコンデンサで減衰を受けるのではなく・・給電線がリニアローディングする非常に効率の良いアンテナです

430MHzでは八木とループアンテナが殆どで「同軸コリニア」がマイナーなのと同様ですね

商業誌や商業Grからの情報と無線の常識???(非常識)だけを聞きかじるのではなく

本当は自分でちゃんとアンテナ比較を行えばすぐに分かる・・非常に簡単なことです

山岳移動でもループや八木の方がSが強いことが多いのです

しかし同軸コリニアと比較すると聞こえない局があるのもループや八木なのです(ご存知ですか?)


Lazy-Hアンテナ・・・?

2020年12月02日 21時37分34秒 | 同軸コリニアユーザレポート

Lazy-Hアンテナ、一度は使いたいと思っていた。元々HF用のアンテナとして紹介されていた。

Lazyとは怠け者、やる気がないだが動きが遅いという意味がぴったりだ。

MMANA等で解析ではラジエータの長さを1-2mm動かしただけではゲインもインピーダンスも変わらない。

試しに40MHz周波数を変化させてみたがゲイン変化は少ない。平行フィーダーで給電を行えばマルチバンドアンテナとして使える!

Lazy-Hに反射器を取り付けると下図のようになる

反射器が短いのはラジエターは5/8λとしてゲインを上げている。その後方中央に反射器を配置した。

この放射パターンはこんな感じだが、不要なサイドローブがあり垂直面も広い。

そこで反射器の位置をもう少しラジエータの端へ移動してみた。

サイドローブも抑制され垂直面も小さくなった。

ブロードサイドアレイ系(同軸コリニアも)のアンテナの面白さのひとつはエレメントの配置で垂直面をコントロール出来ることだ。

上の反射器の着いたLazy-Hをスタックすると・・これは某社がかつて販売し一世を風靡した??アンテナだ。

つまり「カーテンビームアンテナ」となる、2エレの4列2段スタックである。

反射器付きLazy-Hの2列のスタックとも言える。

このカーテンビームは同軸コリニアと同じ特徴を持っている。ノイズに強い。

解析では広帯域だったが・・特定の周波数に共振させると同軸コリニアと同じ程度の帯域幅、つまり狭帯域となる。

【単位はdBi、ゲイン以上にノイズフロアも低い】

このビームパターンはブローバンドアレイのエンドファイアー型という良い所取りとなる。

1.2Gならば非常に製作しやすいコンパクト?高利得なアンテナになりそうだ。

今月中に試作して年末の休みに楽しめるように・・休み前までに製作方法を公開する予定だ。

ダウンチルト型の同軸コリニアの欠点を補うものとして考えてきたが、思わぬ結果に行き着いた。

既に430MHzの試作品は完成している。週末にはテストする予定!


430MHz10段コリニアは15eleスタックと同等!!の受信能力?

2020年08月16日 17時08分18秒 | 同軸コリニアユーザレポート

同軸コリニアを利用されている方からよくレポートを頂くのが

「弱くても同軸コリニア側で聞こえていれば、取って貰えた」というレポートだ。これは144MHzでは非常に多い。

やはりSSB主体であることが関係していると思う。

今回は9エリアで活躍されている430MHzSSBerの方が盆休みに行った比較実験結果を紹介したい。

10段430MHz同軸コリニアを8月13日に仮設して頂き、その後使用して頂いている。

以下全て原文通り・・・


使用リポートになります
このお盆休みの430の移動局などワッチしたのですが
430ssbで北は秋田県仙北市移動、西は大阪固定と京都舞鶴市移動を確認しました。
福井移動局をワッチしていて1エリアもそこそこ聞こえてきました。
強力なダクトは出ていない日でした。

体感的には15エレスタック程度の耳があると思いました
それで無指向性ですから素晴らしいです。

これは大満足のアンテナです
ありがとうございます。


(流石に430SSBの専門家だけあり最初に頂いたレポートが170km先の局でした。先のBlogで書いた通り見通し外での比較がされていた)

上記に近い内容は「同軸コリニア研究会」のこのページからも読み取れる。

(この時に430MHz帯の実効ゲインを計算済みであり、スタック八木のゲインも調査済み)

先のページからグラフから読み取るとX7000よりも5-6dBノイズフロアが低い。

これはSメータでなくスペアナで読み取っているから非常に正確だ。

当時の計算でもX7000のカタログスペックは11.7dBi

これを基準にするとノイズフロアが低い10段同軸コリニアはトータルゲインは11.7dBi+5ないし6dBi=16.7-17.7dBi

このゲインはRADIXの12eleスタックを超えている計算値だった。

9エリア局の比較実験は

過去に検証して放置されていた仮説、

「8-10段同軸コリニアはRADIXの12eleスタックを超えている」

を証明する結果となった。(ここでは受信性能を言っている、かといって飛ばないなんて一言も言ってない、それは別途書く予定)

ところでこの9エリア局長様から頂いた貴重な情報も掲載します。

「実は20年ほど前ですが、私の430の1エリアビームに新宿区だったと思いますが
FMでCQが聞こえる人がいまして、訪ねるとコーリニアだと言っていました。
無指向性アンテナで交信できた1エリアはその方のみでしたから不思議なアンテナと思っていました。」

色々な情報そして伝搬実験を実施して頂き、ありがとうございました。

大変感謝致します。


関東UHFを同軸コリニアが制す!

2020年07月28日 17時37分49秒 | 同軸コリニアユーザレポート

昨日メールを確認すると思いもかけない情報が届いていた!

「貴殿のマニアルで作成した10段コリニアアンテナにて今年の関東UHF A430部門の1位です」

「八木アンテナなど他のアンテナは一切使わず、10段コリニアアンテナ1本で勝負しました。同軸コリニア恐るべしですね。」

という事は関東UHFで同軸コリニアのみで戦った局の成績は

A430 1位

B430 1位 、2位

B1200 3位

勿論、同軸コリニアを使えば必ず勝てる訳ではないが使用されている局はその特性を正しく理解して移動地を選択している結果といえる。

正直、同軸コリニアがコンテストには広がって欲しくはなかった(研究会の活動目的は達成?)

【御蔵島での運用風景,10mポールと16段同軸コリニア】


同軸コリニアを仰角ローテータで制御?!

2020年03月08日 21時01分40秒 | 同軸コリニアユーザレポート

飯田市のメンバーから妙な質問を頂いた。

「仰角ローテータで20°倒すと色んな場所へ飛んでいくのが確認出来ました。何が起こっているかを解析して欲しい!」

というわけで解析を行うと・・・(本当に同軸コリニアに仰角ローテータを取り付けた?かつではビッグ八木で遊んでいたんだな?)

で飯田のメンバーからの連絡では2エリアの局から

かつて1回も飯田と話せたことないがなぜできているんだ何を使っている?」

とか「知多半島のどこぞの海岸駐車場からモビホですがなんで到達してくるの?」と聞かれて

「同軸コリニアを仰角ローテータでXX°傾けて使っている」と答えてるそうだ!

飯田のメンバーから頂いた言葉は

「旋回も活用できると八木のように相手に応じた対応が有る程度期待できる事がスッキリ判りました。また傾けると舌の様な使いやすい主ビームも形成される事も面白く感じさせていただきました。

そして反射による偏波面が合うようにも働いでいるのでは?特に山頂移動局や自宅でもハンディトランシーバー局に対して偏波面を合わすことが出来る事による遠くにお住まいの方と ハンディVS自局交信も出来るように感じています」

狭隘な地形では「同軸コリニア」は非常に面白い飛びを見せます。それが実証されました。

というわけで同軸コリニアを傾けた時の解析データを掲載します。

(見にくいですが)

自由空間でアンテナを傾けた場合。切れた尾根筋で運用してもこれに近いと考えている。

次は地上での放射パターン、予想通り?予想外?両方の結果となった

右側が垂直面、左側が水平面だ。

まず垂直面はアンテナを傾けた角度の※1直角面から下に広い放射がある。水平面はアンテナを傾けた面に対し直角に指向性を持つ。

山岳移動にせよ地上にせよ、やはり傾けるのは意味があるようだ。

※1が飯田市から山越えで愛知方面へ飛ばした本体と考えている。

八木はローテータで回すのが常識だったが「同軸コリニア」も仰角ローテータで回して最適位置を探す!

と主張してきた。これが証明される結果となった。

八木との違って広角で垂直面が比較的薄い飛びがときに不思議な伝搬を引き起こす!

これがビーム系で味わえない楽しさだ!


同軸コリニア アップチルトアンテナの検証結果

2019年10月16日 22時24分42秒 | 同軸コリニアユーザレポート

茨城メンバーの自宅は利根川の対岸よりも10-5m低い場所だ。地形を加味して伝搬解析を行うと確かに※都内には電波は到達しない。

そこで彼の発案で制作したのが・・アップチルト同軸コリニアアンテナだ。

そこで早速ミニラボで1Gzアンテナを制作、送信実験を行ってみた。下記が結果だ。距離は約3.5mで受信電界強度を計測した。

受信強度最大は高さ110cmだった。打ち上げ角はほぼ30°を中心に帯域幅は±5°程度だ。

こんな打ち上げ角が高くて大丈夫だろうか

翌日曜日の第一報は通常コリニアで聞こえるもの全く聞こえない!とのレポートだった。

打ち上げ角30°ではやはりだめか?と思っていたが全市全郡でじっくり試したようだ。

そのレポーートは予想以上?予想通り?の結果となっていた。繰り返すが、打ち上げ角30°の同軸コリニアだ。

出力10W,標高15m。アップチルト8段同軸コリニア

レポートには標高差が書いてあったが誤解を招くのでここではカットさせてもらった。なぜか・・・

見通し距離で標高差を表してみる(地球が球面だから)

・30km先の江東区と交信出来ているが水平線の下標高差-70mだ。

・ちなみに80km先の丹沢仏果山(740m)は150mに見える。

つまり距離が遠いほど水平線の下に沈む。ここまで読んで不思議だと思いませんか?

通信先が水平面下に沈んでいるのにアップチルト?!

先に書いたが※都内には電波は到達しない。はずなのに

アップチルトは総じて都内への交信では良い結果となっている。実はこれは予想通りだ。

実際にやってみたいと言ったのは茨城メンバーなので彼も伝搬を理解してきたということだ。

ローテーターと仰角ローテータがあればアップチルトは必要ないが、コスト的にはアンテナ2本の方が安い。

「水平線下との交信にどうしてアップチルトが有効なのか?考えてみて下さい!」

地表に沿って電波が飛んでいる!なんて答えは不正解です。通常コリニアでは弱いのですから。

アップチルトが強い理由を聞いてます!


立山レピータの伝搬状況について(ミス修正)

2019年10月11日 22時13分07秒 | 同軸コリニアユーザレポート

実は今年の5月連休の終わりごろに立山レピータの管理者の方から連絡を頂きました。

簡単に書くと

「現在のメーカ製GPはかつてのアンテナよりも飛ばない。立山山頂では耐久性も無く1年も持たない。そこで自分たちでGPを制作したが分厚いグラスポールに入れると周波数が大きくずれて使えない」

「困っているのでアンテナ製作をお願いしたいが可能だろうか?」

ということだった。勿論、何も考えずに「大丈夫ですよ!」と回答した。

当初、ダウンチルトタイプをお願いしたいとおっしゃったのでその製作に全力を注いだ。

それが苦難の始まりで5月1ケ月間はダウンチルト地獄に落ちて周波数を合わせることすらできなかった。

7月に入ってやっと様々な新たな技術を手に入れた。

・ダウンチルトの制作方法(=アップチルトも)

・ダウンチルトの周波数調整

・ポール内へ同軸コリニアを実装した際の周波数の偏移方向

・希望周波数へピタリと動かす方法

・新たな製造方法の確立

・そして「同軸コリニア」の本性


さて、各地から頂いたレポートを掲載します。レポートは多くは無いのですが各地から頂いていて立山の7段同軸コリニア(通常タイプ)の飛びがはっきり分かります。

立山レピータの現在の出力は2.8Wです。この受信結果が下記のレポートになります。

米子市からのレポートでは、これまでは「ダクト」以外では聞こえなかったと記されていました。

10/9は弱いダクトかも。

飯田市は2000m以上の山に囲まれた地域、ここへも飛ぶようになった。

千葉柏市のレポートは10/7に時間帯を変えて行われていた。59には驚くばかり。

米子からのレポートと共通していたのは遅い時間帯ほど飛びが良いという事。日にちも異なり異常伝搬ではない、またはこの時間に異常伝搬すると考えている。

取手市からは同軸コリニアメンバーからの報告だ。時間は15:00。平日のこの時間?会社で実験したようだ。

ここで同軸コリニアで55で受信出来ているので・・少なくともあと50-100kmは大丈夫だろう。

従って千葉、茨城南部ではGPクラスのアンテナで誰でも立山レピータへアクセスできるのでは?

立山レピータ2.8Wでのアクセス可能な距離は設備にもよるが立山レピータから半径400km、異常伝搬やコンディションが良いと600km程度にはなるのではないか?

あとは立山レピータが定格出力10Wに戻れば・・サービス半径1000kmも夢ではなかろう。

レポートを頂くことで更に同軸コリニアの研究が深まっていきます。

レポートを頂いた皆様、本当にありがとうございました。

冬季に入っていて立山レピータの利用時間は15:00-17:00となっています。

鳥取(島根県境まで)⇔関東間は楽に飛んでいるようです。ぜひCQを出して短い交信で楽しんでは如何でしょうか?

一波しかない電波ですので譲り合ってご使用をお願いします。


同軸コリニア恐るべし!! 多段多列八木に先んじて8エリアゲット!

2019年08月04日 16時49分19秒 | 同軸コリニアユーザレポート

つい先ほど驚くべき報告が3エリアから飛び込みました!

原文を引用します!

 Sat, 3 Aug 2019 22:16:16です

「さきほどですが、同軸コリニアで驚いたことにSSBで8エリアと交信できてしまいました!
異常伝播に助けられてのことですが、近隣の多エレスタックアンテナ+プリアンテナ
局を差し置いての交信成立にたいへん驚いております。
同軸コリニアのノイズレベルの低さに助けられたのかな!?と思っております。
ちなみに、直下プリアンプとの相性は悪いようでSメーターの振れが大きくなるだけ
で、雑音ばかり増幅してしまうので外してしまいました。」

直下プリアンプとの相性は悪いようでSメーターの振れが大きくなるだけ
で、雑音ばかり増幅してしまうので外してしまいました。

への警告は以前書いてきました。ここです。

430MHzにおいては都市部ではプリアンプよりも同軸コリニアのノイズフロアの方が低いとこのブログで警告していました!

それでも研究会メンバーでさえも・・まさか?と思っていたようですが。

その記事の骨子は・・以下です。

高性能なローノイズVUプリアンプを使用する方は多いと思うけど、都市部では都市ノイズがありこれが弱い信号を完全にマスクしている。

都市ノイズを排除しない限りプリアンプは全く意味は無さないのだ。

この辺はここに詳しい。これはGPだけでなく八木もループも同じだ。

ま、都市ノイズのある場所では八木の多段スタック+プリアンプよりも超ローノイズなアンテナ=10-30段同軸コリニアに変えたほうが有効ですよね。

聞こえなかった信号を聞くには同軸コリニアに取り換えることが非常に効果的です。

(VUではプリアンプの重要性を説く記事が多いけど、一番重要な点が実は抜け落ちている。ノイズの少ない山岳で使用するならば・・意味あるけど)

予言通りでしたね!

慌てて今更同軸コリニアを下さい!と言われても・・・無理です。←冗談か??冗談ではありません。

多段多列の八木に先んじた理由を考えてみると
●360°に睨みを利かせているので異常伝搬にすぐに対応できる。
→多段多列では超望遠レンズで風景を見ているようなもの?
●なんといっても都市部では他形式のアンテナよりも-10dBのローノイズ
→性能の素晴らしいプリアンプを取り付けて改善されても3-4dBですよ!
 都市ノイズ-10dBには絶対にかないません!更に都市ノイズをなくさないとプリの意味がないのです。

最近のCQ誌でも430MHzの特集で多段多列にプリアアンプの記事がありました。
無線家にお金を使わせて業界を盛り上げる点では良い記事です!!
大賛成です!!
しかし電波伝搬での真実は別です。

衝撃的なニュースです

2019年06月07日 04時00分35秒 | 同軸コリニアユーザレポート

6月5日に同軸コリニア京都のユーザ様から衝撃的なニュースが飛び込みました。

『先ほどですが先日調整いただいた430MHz 16段で
千葉県船橋市と51-53で交信できてしまいました!
当方直下プリアンプ無しでしたので、やはり同軸コリニアの性能は驚異的ですね!
モードはSSBで送信出力は50Wでした。400km超の交信に大感激でした。』

この同軸コリニアは5月中旬に最終調整をさせて頂いたもので、使用を開始したばかりのアンテナでした。360°に睨みを利かせもれなく受信できる同軸コリニアの特徴を十分生かした結果でしょう。

一体どういう伝搬経路なのでしょうか?


同軸コリニアユーザ様からのレポートを頂きました

2019年04月20日 19時23分35秒 | 同軸コリニアユーザレポート
きっかけは下記のメールでした。
「AWXを作って満足していましたが、もっと利得のある無指向性のアンテナが欲しくなりまして・・・。」
と近年では本当に珍しい京都の若い無線家でした。私は一番これに驚きました。
そこでHPを紹介させて頂き、マニュアルに従って製作して下さいと回答しました。
すると1.2Gは測定器が無いとの事で段間強化版の1.2G同軸コリニアを提供させて頂きました。
 
ユーザ様のレポートより
「日曜日到着し(注:1.2G 16段同軸コリニアです)無事設置が完了しました。

元々AWXアンテナを使用していましたが、微かにアクセスできていたレピータの信号がS1から9まで上がりました。

シンプレックスでもほとんど近隣の局としか交信できなかったものが枚方市とも交信でき、効果を実感しております。

実は頂いた資料で430MHzの同軸コリニアを自作していたのですが、こちらなかなかの高性能で

和歌山県、徳島県とFMで交信できたのは感動ものでした。

いろいろとありがとうございました!」
 
レポート、ありがとうございました。

同軸コリニア合同調整会開催 2月17日

2019年02月23日 09時55分02秒 | 同軸コリニアユーザレポート

先日初めて同軸コリニアを制作された茨城の7N2EUT局から連絡があった。。

1.先日調整した430MHz8段同軸コリニアを「関東UHF」で実践投入したそうだ。

もちろん既設のメーカ製GPと切り替えながら比較実験を行ったら相手にならなかったとの事。

関東Uでは当局とも交信記録があり52-52だった。メーカ製GPでは全く聞こえなかったとの報告だった。

解説:Sメータがキチンと校正されていたとしたらメーカ製GPとの差は9dB以上。実際にはS1は甘いことが多いので(S0とS1の間で5-6dBあるかも)10dB以上の差が生じているだろう。

2.更に144MHzと1.2Gの同軸コリニアを制作したので調整をお願いできないか?とメールには書かれていた

というわけでJE2SDE局、7N2EUT局と当局で「同軸コリニア合同調整会」を2月17日に開催した。

参加各局は・・元々は巨大な八木アンテナを中心に移動運用を行いコンテストではX7000を使用していたメンバーだ。

かつて6&Downコンテストでは144MHzで参加しX7000で兵庫と交信出来たが、同軸コリニアならば最低でも2倍の飛距離(四国は楽勝だった?)があったのに・・と思うこの頃。

このメンバーの一致した意見

●八木のような破壊力はないけど八木で聞こえる所は同軸コリニアでまず聞こえる。

(信号は弱くても、聞こえなければ意味がない)

●八木で絶対に聞こえない信号が聞こえる事がある

(これは経験者しか理解できない。360°睨んでいる。狭隘な地形≒ビルの谷間も、盆地、窪地は特に効果あり)

●メーカ製GPは全く役に立たない

(上記例でも分かる)

●なんといっても設営が楽ちん

前置きが長くなった。同軸コリニア調整会前の準備中写真。

9時から始まった調整会、スタブをカットして10時には終了と踏んでいたけど・・・勝手が違った。

①144MHz同軸コリニアが全くバンド内で共振しない

②430MHz同軸コリニアの共振周波数が低すぎる

11時を過ぎても解決できない・・途中スタブ取り付け時にショートしてたり・・・調整後に1.2Gのアンテナが断線したりで・・結局14時近くまでかかった。

1.2Gのコリニアは調整は簡単だったが。1.5Dでスタブを制作しても調整が微妙すぎた。

1.5Dを斜めにカットして・・更に網線1本を抜く感じになる。

そ・こ・で・1.2Gのスタブで新たな試みを行った。

●スタブは1.5Dか0.8Dを使う(←従来から)

●スタブをエレメントに垂直に取り付ける(芯線と網線長が大きく違うのを避ける。通常芯線が長い。ヘアピンマッチが付いているようになり共振させづらい)

【スタブ取り付け直後、ここからカットしていった、1目盛り10mm】

この効果は絶大で調整は楽になり最終的には1.2Gは1.3GでRL-70dB、通常使用帯域全てSWR1.5以下となった。

さて144MHz問題は実は簡単だった。最初10mmずつスタブカットしていたが5mmカットと2mmカットで共振点145MHz付近を見つけた。

とまあ、製作マニュアルでは書ききれない調整方法がある・・・

自作同軸コリニアを外へ持ち出して近くの丘?や山で使ってみると面白い体験ができます。

勿論、なんでもよいですから比較するアンテナを持って行ってください。

参加各局、ありがとうございました。


これも不思議です。(追記あり)

2019年02月04日 23時01分58秒 | 同軸コリニアユーザレポート

また、同軸コリニアを使用している方から喜びのメールを頂きました!

この方はこれまで八木で移動運用をなさっていました。最近同軸コリニアを使って頂いています。

「同軸コリニアを移動に使っておりますが、まだ100m~200m位の低山です。
日曜日(2月3日)に鎌倉(六国見山147m)へ移動しましたら長距離交信が出来ました。
鎌倉/1から岐阜県加茂郡白川町/2の方と繋がりました。
144Mhz SSB
岐阜の移動局がCQを出しておりました。同軸コリニアアンテナは微弱なSでも聞こえると言われましたが、その通りでした。Sが振れず微かに変調が聞こえる状態でしたが、駄目元でコ-ルしましたら捕ってくれました。
こちらはFT817、コリニアで5W送信、あちらはIC7000M、アンテナはダイヤモンドのX7000GPで50W送信。
41.51で交信成立しました。直線距離は約215Km位。鎌倉の低山から5Wで交信出来た事が信じられないですが、現実でした。」blogはこちら

同軸コリニアのノイズフロアの低さを体験頂いたようです。

実は八木と同軸コリニアとの比較実験をしている際にも「ビームアンテナの方が良いに決まっている。無駄な実験だ」と言われたりします。

同軸コリニア、ビームアンテナ、それぞれに長所短所があり結局は適材適所です。

同軸コリニアのユーザレポートで皆さん口にするのは

同軸コリニアは信号が弱くてもクリアに聞こえる」八木から乗り換えた方からは「四方八方から呼ばれて面白い」、「設営、撤収が簡単!」ということです。

ビームアンテナとは伝搬が全く異なる世界があることを皆さんに知って頂きたい。と思っています。