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「同軸コリニアアンテナ研究会」でgoogle検索するとHPをご覧いただけます。研究成果がまとめてあります。

超コンパクト八木 13.2dBi 1200MHz LAZY-Hを製作

2022年01月15日 05時44分11秒 | Lazy-H

久しぶりにLaxy-Hアンテナを制作した。今回は1200MHz用だ

実は色々な材料で作ってみたのだけどエレメントの材料によっては上手く調整できなかったりして時間がかかってしまった。結局2mmの銅線を使用して解析結果を再現させた。

ラジエーター側のエレメントの長さが95mm、リフレクター側が102mm、斜めのエレメントが63mm、左右のエレメント間隔は1/2λ、前後のエレメント間隔は40mmだ

マッチングは1.5D同軸のオープンスタブで行った

Lazy-Hの特徴はエレメントサイズに対してクリティカルでないこと、1200MHzでも1-2mmの誤差でも問題なく動作する

上記FreeSpaceでの解析値結果が下図だ。

不要なサイドローブもなく非常に綺麗なパターンとなっている。標高700m同士で100km超えの交信も成立した

これをカタログ上のRADIXの1200MHzのアンテナと比較してみた

2eleで13.2dBi・・マジか?との声が聞こえるが事実だ。実は原理的には2elex2x2なのだ

MODEL RADIX 5ele RADIX 10ele Lazy-H 2ele
形式 5ele 10ele 2ele
周波数 1260-1300MHz 1260-1300MHz 1270-1300MHz
VSWR 1.5 1.5 1.5
利得 10dBi 13.8dBi 13.2dBi
FB比 20dB以上 20dB以上 12dB
最大入力 10W 10W 10W
コネクター NJ NJ SMA
全長 365mm 785mm 50mm
回転半径 295mm 720mm 50mm
高さ 120mm 120mm 270mm

実物

コンパクトさとゲインを考えると非常に良い選択肢だと思うのだけど!

特にアパマンハムにとってはブーム長が短いのは朗報では?


2エレ2列2段を横須賀で運用テストした 4月25日

2021年04月25日 14時54分04秒 | Lazy-H

430MHzのAWHビームアンテナを制作した。下記のようなアンテナだ。

下記はアンテナエレメント調整中の写真だ。

垂直エレメントの一本が300mm程度、全体の高さはは800mm幅は300mmちょっと

ラジエータとリフレクタ間隔は150mmしかなく非常にコンパクト、これで8エレなのでマンションのベランダにもコンパクトに設置できる

これで利得は11dBd(Freespace)だ

水平面パターンは同等の八木よりは広い(赤線がAWHビーム)

垂直面は若干狭い(赤線がAWHビーム)

移動運用用に仕上げたアンテナ

1000mmのアルミ平板4本、ブーム(塩ビパイプ)、財布の中には取付用のビスが入っている

全て近くのホームセンターで仕入れたものだ

これを見れば構造が簡単なのが分かると思う、しかも小型ザックへ入れて持ち歩ける

組み立て中、まずリフレクターを取り付けた(ブーム全長200mmなので短い)

グラスポールに取り付けて運用開始だ

運用風景(段ボールの上ではありません!椅子の上です)

実はこのアンテナの真価は1.2Gで問われる!!1.2Gならばスタック出来るぞ

と思っている


Lazy-Hの試作品で各アンテナと比較テスト(Lazy-Hビーム製作資料公開)

2020年12月05日 22時26分45秒 | Lazy-H

Lazy-Hアンテナアレイ、理論と解析では非常に良い結果が得られたが本当の所どうなの?を確認してみた。

今回の比較対象のアンテナは1200MHzの下記の3種だ。

上から順に、10段同軸コリニア(もちろん自作60g)14エレループアンテナ(仲間からの寄贈品、500g)←どちらも渾身の一作!

そして一番下がヒノキ棒で試作したLazy-H2列スタック(2エレ4列2段スタック、100g)だ。

このメンバーでは同軸コリニアかなり部が悪いか。

Lazy-Hのスタックの解析利得はカタログ風に書けば15.0dBi、RADIXアンテナの13エレの利得13.8dBiを超える。

【解説】

ビームアンテナのエレメント当たりのゲインは2-3エレが最大。その後はエレメントを増やすとエレメント当たりのゲインは低下する。

そこでゲインを考えるならば2-3エレを多数スタックするのが一番良い。しかしスタックケーブルが多数必要になり損失が増える。だからエレメントを増やしてスタック数を減らす。

Lazy-Hはその点も素晴らしい。給電は平行フィーダーで行われるためにスタックコネクタ等不要で損失を少なく出来る?

更に2エレのゲイン増のためにラジエーターを5/8まで長く出来る

【Lazy-Hアレイ製作】

写真を見てわかると思うが「帯鋼」を使って試作し軽量に仕上がった。ラジエータに関してはエレメント径やエレメント長を動かしても殆ど利得やインピーダンスに影響はない。一方、リフレクターはパターンに影響を与える。

(自作する際に0.5mmの精度は必要ないので簡単だ)

組み上げてSWRを計測すると1295MHzでは2.0程度だったのでスタブを付けて1295MHz付近へ調整した。

調整結果は下記の通りで1250.5MHzから1351.5MHzまでSWR2.0以内となった。

ノイズフロア低下にはこれで十分だ。これ以上の帯域は性能を悪化させる。出来たてのアンテナを使用してアンテナ比較だ。

【比較手順】

RFジェネレータから1295MHzのFM波を同一レベルで連続送信する。

3m離れた地点でそれぞれのアンテナで受信し受信レベルを計測する。これを3回繰り返す。

【結果】

同軸コリニア  受信レベル-82dBm、一番強い信号を探せば-75dBmまで上昇するポイントがある

14エレループ  受信レベル-73.5dBm、非常にクリチカルにアンテナの方向と角度を動かす必要がある

Lazy-Hアレイ  受信レベル-74.0dBm、14エレよりはかなりブロード

【結論】

  • Lazy-Hアレイは14エレループと比較しても利得面で遜色がなく、ブロードなパターンでむしろ使いやすいことが判明した。
  • Lazy-Hの単体でも八木の7エレ相当なのでかなり使える。
  • 同軸コリニアは-8dBであることが判明したが、やはり様々な反射波を捉えるせいか同じレベルになるポイントがあった。(アンテナ固定では無理)

Lazy-Hビームの製作資料を公開します。(2エレ2列2段スタック)

ラジエターは1/2λ〜5/8λまでの間で選択して下さい。

ラジエータ⇔リフレクター間隔は5cm前後であれば問題ありません。(10%程度誤差があっても性能に影響がありません)

軽量に制作すればゲインは7-8エレ相当で水平面は広いので、八木やループよりは使いやすい。

左側がラジエータ、右がリフレクターのサイズ、注意点はリフレクターの設置位置のみ】

※銅線の引き回し部分に金属が近づくと性能が低下します。ラジエータ部分は木材かプラスチックで製作する。