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mcHF修理完了!

2017年04月08日 08時35分19秒 | mcHF

【きっかけ】

先日の「新ファームV1.6フィールドテスト」のblogに「初心者」さんからコメントを頂いた。

「ブートローダー書き込みが出来なく、先に進められないまま足踏みしています。」という内容だった。更に私のコメントに対して経緯を書いたメールを頂いた。

簡単に経緯を書くならば、

①このmcHFは全ての部品を手で実装したもの

②USBポートに接続してもデバイスとして認識しない

というMCUの動作が疑われるものだった。

ここで正直に書くが、私はソフトの開発経験者であってハード設計もハード修理を業務としてなかった。

K2を1回目製作した際には動かなかったので「エレクトロデザイン」で直して貰った。

ハード修理なんて未経験!なのに気軽にOKしてしまった。大丈夫なのか?

修理品を事務所で受け取ったのは今週月曜日だった。

【ハードのデバッグは簡単?だった】

先週から今週前半にかけてJUMA PA100のデバッグを行って確実に分かったのは、回路図があるアマチュア無線の単体製品(回路図・メンテナンスマニュアル無いと無理)やキットのハードの修理は非常に簡単だということだ。

回路で使われているICの機能を理解して周辺回路に何が必要かを把握すれば修理箇所が簡単に絞り込めると感じた。

一方、大規模システムのデバックは実に大変だった。大規模システムともなると数万のモジュールがあり・・・たったひとつのバグが該当しているモジュールに潜んでいるだけではなく・・

●仕様のバグ

●システムのバグ(最悪モジュールの階乗の組み合わせ)

●入力データ、操作系のバグ

●各モジュールに入り込んだ開発者個人の思考ミス

と無限に近いデバッグを余儀なくされるのだ。

【いよいよmcHFデバッグ開始】

不具合の内容から当たりを付けていたのは

①MCUの実装不良、取り付け方向

②クロック回路

③USB回路

④ブート回路

だった。

①MCUの実装不良、取り付け方向

外観チェックすると99-100ピンがショートしているように見える。

⇒一応ハンダを除去。

一方、95-98ピン付近はハンダが乗ってないように見える。

⇒ハンダをやり直す

その他、外観からは不具合無し。

②クロック回路

クロックモジュールからMCUまでジャンパーチップを介して接続されているだけ。

オシロでクロックモジュールが発振、ジャンパーを越えてクロックが到達していることを確認した。

③USB回路

USBコネクタから直接MCUポートに接続されている。

USBコネクタの取付、ハンダを確認して問題なし。

④ブート回路

ジャンパーピンを差すと電源が供給されて起動する回路だ。MCU_3Vが供給。

ジャンパーピンを差してテスターで電圧を測る!1.5Vしかない????テスターの故障か?

オシロで確認しても変わらず。更に近くにあるレギュレータが異常発熱している。

回路図で確認するとMCU_3Vを供給するICだった。この出力ピンも1.5Vしかない。

どこかがショートか?部品実装ミスかとまずは部品を目視チェック・・・

MCU_3Vのレギュレータ回路の電解コンの逆付けを発見。これがハーフショートを起こしていたようで、これを取り外すと電圧が正常に復帰。

さて、いよいよUSBコネクタを差す。PCにデバイスとして認識されてブートローダのインストールに一発で成功!!

では、いよいよRF基板を繋いでファームのロードだ。あれ電源が入らない。

電源回りの回路図をみると基板上のジャンパーピンの設定が違う!

正しくするとファームも無事にロード出来た。

いよいよ、電源ON!!しかし・・・液晶はホワイトアウト状態。

ヘッドホンを繋ぐと受信音が聞こえてくる。ボタン操作も画面は見えないが正常。

LCDのハンダ付けには問題なさそうなので、LCDを外して設定ピンを確認すると設定がされてない?

いや、ハンダの後が見られるので動作チェックで外したままなのか?

【修理・設定の終わった基板と不良部品】

【完了】

依頼者に修理の概要を報告しLCD設定を正しくして貰うように依頼して終了とした。


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