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pride and vainglory -澪標のpostmortem(ブリッジ用語です)-

初歩の文書分析と論理学モドキ(メモ)

迷い道ニュートン力学以前 ⑦デカルトの渦動論

2018-06-04 17:28:56 | サイエンス囲炉裏端談義
 ルネ・デカルト(仏: René Descartes、1596年3月31日 - 1650年2月11日)
 ケプラーやガリレイより1世代下ですが没年はあまり変わりません。
 このBlogでも何回か登場したピエール・ガッサンディ(Pierre Gassendi、1592年1月22日-1655年10月24日)やアタナシウス・キルヒャー(Athanasius Kircher, ラテン語: Athanasius Kircherus Fuldensis, 1601年5月2日 - 1680年11月27日)がほぼ同時代人です。
 17世紀の機械論者(デカルトやガッサンディなど)の宇宙論にとっての重要度は以下の通りだと考えています。
 1 遠隔力(隠れた力)の否定
 2 占星術の否定
 3 アリストテレスの四元素論の否定
 4 円運動の特権的位置づけ

 デカルトは上記の条件を満足すべく、宇宙は流体として機能する微粒子(materiere subtile,aether)によって充満されていると考え、その流体による渦動とそのImpetusによって星々の運動は定まると言う理論を考え出します。デカルトのことですから、ケプラーの法則を説明できないだけでなく、衛星の軌道の説明も不能であることも頓着しません。それどころかこれに基づいて、ガリレイもビックリのとんでも潮汐理論も作り出します。(ガリレイは1日2回の干満が出来ませんでしたが、デカルトの理論では干満時の月の位置が、観測とは逆になります。)
 これら一連の「考え」は1644年の「哲学原理(Principia Philosophiae)」にて記述され後にデカルトの「渦動説」と呼ばれます。
 
 観察・観測を行えばすぐ矛盾が指摘できるこの理論が、17世紀後半大陸ヨーロッパを風靡し、18世紀半ば近くまで影響を保ちます。遠隔力(隠れた力)に対する拒否反応が如何に強かったかを如実に示しています。
 
 次回は、その話。今回のエッセーの終着点です。
 
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