ちくま学芸文庫からこの時代を扱った本が3冊出ています。
➀<図説>探検地図の世界 2019<親本 1986 原著 1958>
②大航海時代 2020<親本 1985 原著 1952>
③スパイス戦争 2022<親本 2000 原著 1999>
比較的最近文庫化された本ですので、新刊で手に入ります。
❶どれも最近の文庫化ですが、親本の上梓から文庫化までの期 . . . 本文を読む
1580年のスペインのポルトガル併合時点におけるイングランドとネーデルランドの立ち位置にはかなりの違いがありました。
イングランド:➀北大西洋を中心とした私掠船活動による層としての太洋航海習熟者(キャプテン・パイロットからボースンまで)の存在、②新規航路(北東航路、北西航路、ホーン岬・マゼラン海峡廻り)の志向とこれと裏腹な喜望峰廻り航路の知識欠如
ネーデルランド:➀基本バルト海沿岸航行の . . . 本文を読む
ポルトガルは1511年のマラッカ占領以降急速に、東インド(現在のマレーシア、インドネシア領域)における貿易支配権を確立していきますが、その形態はあくまで現地商館を通じての卓越した貿易支配権(対西欧貿易については独占的支配権)の確立であり、小数のハブ都市(ゴア、マラッカ・・・)を除いては領域支配権にこだわることはありませんでした。*
*アモイでの挫折(明朝海禁政策)後、半世紀後に本格化する極東 . . . 本文を読む
1598年豊後に漂着したリーフデ号、日本ではウィリアム・アダムス(三浦按針)との関連で語られる事が多いのですが、海事史・貿易史のフレームワーク捉えてみると少し違った図柄が見えてきます。
➀オランダ東インド会社:VOC)設立以前の出来事であり、その母体の一つであるマゼラン会社の派遣
②ネーデルランドの太平洋海域進出は遅く、喜望峰廻りで、ジャワ島に船団が到着したの1596年
③5隻の船か . . . 本文を読む
中断中のお話のネタ(裏世界観)として以下の物を拾っていますが、悪食過ぎて咀嚼できずに・・・、お話に戻るには少し時間がかかりそうなので、テーブルマジックのネタを夜店に陳列(;'∀')
❶二つのインド会社(イギリス・オランダ)
❷Ordenbarnevelt, Naurits van Oranje
❸TULIPとアルミニウス主義
❹偽メシア、ベクタシュ、アラヴィー、トラ . . . 本文を読む
近くの図書館が「世界の見方の転換」(全三巻)を購入していたのに気づいて、10年ぶりに再読して気づいた事があります。Navigationと天文表(イルハン表、キュルゲン表、アルフォンス表)の不在です。
そこでペドロ・ヌネシュでサーチした所でポルトガル語の文献ばかりorz。これで御名御璽かとあきらめかけていた所で、Internet ArchiveがEdward WrightのCetaine Er . . . 本文を読む
お話に戻る前に。やや時事ネタ。アナクロニズムしょうちの妄言です。
所謂硬派を含めて雑誌とカテゴライズされるものを読まなくなってから無縁になっていた政治用語対する違和感が、時折SNSを覗くようになってから甦ってきました。二つほど取り上げます。
まず最初は"リベラルー保守”、日本語でこう表現される政治的緊張/馴れあい関係表現にはどうしても馴染めません。敢えてパラフレーズすれば&r . . . 本文を読む
少し手が込んでいますが、基本同じことの繰り返し
https://toyokeizai.net/articles/-/753279?page=4
たしかに、この設問の枠内なら算数で過不足なく解けますが、当該入試問題は以下の通りであり、設問2を算数で解くのは超絶難しいのです。
第6問A, B の二人がじゃんけんをして,グーで勝てば3歩,チョキで勝てば5歩,パーで勝てば6歩進む遊びをしている。1 . . . 本文を読む
"数学できる子"には「見えない数字」が見えていた
https://toyokeizai.net/articles/-/756416?utm_campaign=MKbk_2406math&utm_source=adTwitter&utm_medium=social
表紙の写真Trivialな式が:a^2+b^2=(a+b)(a-b): b=0の時恒常的に真!(^^)!
記事も羊 . . . 本文を読む
少し時間的ずれはあるのですが、ロシアとアメリカの思潮には並行性があると勝手に考えています。 ソロヴィヨフ~エウゲニー・トゥルベツコイ~フロレンスキー VS パース~デューイ~クワイン アングロ・ライン枢軸からみればどちらも辺境。但しインパクトのベクトルはかなり異なります ロシア:コジェーブ」、イリイン、バフチンetc⇒大陸 アメリカ:ジェームス⇒イギリス 少しパーに寄り道し . . . 本文を読む
前回お話した経緯で、日本に紹介された「構造主義」には以下のような母斑がおされる事となりました。 ➀科学ではなく思想・思潮に重点 ②フランスを始点とする捉え方 この結果、レヴィストロースは一点透視法の消失点扱いされ。この観点から把握される事となりました。曰く ➀ソシュール⇒ヤコブソン⇒レヴィストロース ②ブルバキ⇒レヴィストロース ③モース⇒レヴィストロース . . . 本文を読む
構造主義という用語も、半世紀も越えてしまうとそれなりに歴史的遺物としての”客観性”がついてきますが、それでも、日本語としての導入時の薫習が無意識の前提として付いて廻ります。そこで時計の針を55年ほど戻してみます。 時は1968年<パリ5月革命、チェコ事件、10.21新宿、ベトナム戦争>、ある季刊雑誌が創刊されます。パイディア:創刊号の特集は「構造主義とは何か」 。多分雑誌 . . . 本文を読む
前回書いたトゥルベツコイの印欧語六要素。伝統的な印欧語比較言語学者からみれば挑発とも全面否定ととれるものです。(この六要素があれば、歴史的因果関係が否定出来ても印欧語と呼ぶのかと聞かれて、然りと答えたと言われています*) これに対して激発としか言いようがない反発を示した日本人印欧比較言語学者がいます。高津春繁さんです。戦中に旧版が上梓され1950年に岩波全書版が上梓された「比較言語学」(現在は「 . . . 本文を読む