山霧が下りてきて薄暗かった性か、それとも寝酒に飲んだスペイサイドの地酒を飲み過ごしたからか、甥っ子の声で目が覚めた、もう八時ですよ。それにしてもトミントールとは珍しい。頂きますよ、と言うといきなりてをのばしてボトルを頭陀袋に攫いこんだ。「ごむていな若様。」と言ったら、「今ここで引っ掛けて、飲酒運転で捕まるなり、先生ごと谷に落ちた方がいい?」、そういうと頭陀袋からボトルを取り出しテーブルにもどして . . . 本文を読む
A<1970年冬> 授業の無い朝、授業があっても出たくない朝、そして断続的なストライキ中の朝の目覚めはBYGの床、お供の話の特集とパイディアを青緑色の毛編みの頭陀袋に入れると、肩までかかるロン毛に、江戸紫一色のジャケット(コーデュロイ)、シャツ(フラノ)、ズボン(別珍)と言ういでたちに米軍放出のワークブーツと言う、赤ゲット丸出しのスタイルで、道玄坂を横切り一気に246に出ると渋谷の谷は朝靄に沈んで . . . 本文を読む
一年半ほどまでに、二回ほど書いて行き詰っていた、三部作のラスト。いくつかの出来事のお蔭で少しだけアイデアが出てきたので、忘れないうちに書き継ぐことにしました。いつだって行き当たりバッタリですので、又行き詰ったそこでお休み。それまでは脱線以外はこのテーマでいきます。
次回は過去二回分の再掲、その後に❸から続きます、更新予定は二日に一回程度のつもりです。 . . . 本文を読む
こちらは堂々の大ベストセラー。こちらは争論/スキャンダル絡みもあっての事ですが、上座部(テラワーダ)仏教に伝わる仏伝を、丹念に追った事が日本の読者にとっては鮮烈であったという事が大きな理由だと思います。
現代日本人の逆さ眼鏡(後代のFrame of Referenveに過去の事象を観察する事)の悲喜劇を余すところなく捉えた快著だとは思いますが、Trapに嵌った方も多いようです。
著者の捉 . . . 本文を読む
第二弾は中田孝さんの神論:現代一神教神学序説。前に雜なつくり、雑な内容と評した「イスラームから見た西洋哲学」の方が読者の反応があるようで、こちらはほとんど無視されていて、ある意味期待通りの反応といえます。アマゾン書評をみても、Mysticの全面拝跪が1点とOccidentalistの拒否・冷笑が1点のみ。「イスラームから見た西洋哲学」に比べてみても相当力が入った著作なのに・・・。悪食の自覚がある . . . 本文を読む
Ⅰ スコラ哲学における実在論とプラトンのイデア論と混同される事がありますが、似て非なるどころか全く異なる物です。イデア論では普遍は天なる祖型として確固として存在するものですが(残念ながら神ならぬ身の人には、影しか捉えることが出来ません)、実在論者における普遍は志向・概念の普遍です。
天地の創造を信じる限り、神の御言葉としての志向・概念のアプリオリな普遍性とその個別具現としてのアポステリオリな個 . . . 本文を読む