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pride and vainglory -澪標のpostmortem(ブリッジ用語です)-

初歩の文書分析と論理学モドキ(メモ)

脱線:奇書?案内❷メタヒストリー:Heydon White➀

2023-11-27 09:33:13 | 東西奇想史衍義
 好き嫌いは別として、思想史・歴史哲学的には極めて重要な著作である事は、Richard J. Evans*がIn Defence of History(歴史学の擁護:2022ちくま学芸文庫)で、生理的に合わない事をあからさまにしんがらも、かなりの紙幅をさいている事からもわかります。 *The Third Reich Trilogy :いつか取り扱ってみたいと思ってはいますが、多分見果てぬ夢(;&# . . . 本文を読む
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脱線:奇書?案内❶本の神話学④初探ⅳ & Coda

2023-11-23 09:29:18 | 東西奇想史衍義
 ⅳ 従来われわれにとって当たり前のものと思われてきた歴史観に根本的な修正を迫る立場が、意外にもロシアに現れている。意外とはいえ、これがいわゆるタルトウ学派の中から提出されているということを知れば、なるほどと思われる筋がないでもなかろう。タルトウ学派とヴィアチェスラフ・イヴァ―ノフやユリー・ロットマン、ウスペンスキーなど、文化記号論研究の面での華やかなパイオニア達を、南ロシアのタルトウ大 . . . 本文を読む
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脱線:奇書?案内❶本の神話学④初探ⅲ

2023-11-19 07:20:25 | 東西奇想史衍義
ⅲわれわれはここでジョン・ディーなる十七世紀イギリスのケンブリッジ・新プラトン哲学者について触れなければならない。ジョン・ディーとロバート・フラッドという二人のケンブリッジ・プラトニストは私のようにこの辺りの思想史にあまり明るくない者にはほとんど、フランセス・イェーツによるジョルダーノ・ブルーノとシェイクスピア研究に結び付く。「本の神話学」pp198 こちらは何というか、ツッコミどころ満載、事実関 . . . 本文を読む
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脱線:奇書?案内❶本の神話学④初探ⅱ

2023-11-15 11:17:46 | 東西奇想史衍義
ⅱ 誇りからであるかどうかわからないが、殆んど引用からなる作品を書いたのがハンガリー出身のミシェル・ビュトールである。その『子猿のような芸術家の肖像』(清水徹訳、筑摩書房)は、まさに、・・・「本の神話学」pp238 こちらは簡単:ビュトールはベルギー国境のMons-en-Barœul 生まれ。これだけなら単なる勘違いで済みますが、事態は深刻。殆んど引用からなる作品をである『子猿のような . . . 本文を読む
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脱線:奇書?案内❶本の神話学④初探ⅰ

2023-11-11 10:34:13 | 東西奇想史衍義
 ➀原資料にあたればすぐにわかる、下敷きにした資料の間違いまたは本人の勘違いの散見。 ②大筋を依拠した二次資料の基本プロットをダブルチェックしているか疑わしい事例の存在。  上記➀②混在のアネクドータルなケース集積です。 ⅰ アナーキスト、ヴィクトル・セルジュの回想:本の神話学pp184 日本では文学者として一部の人に知られているいる程度ですが、所謂反対派としてほぼトロツキーと並行した軌 . . . 本文を読む
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脱線:奇書?案内❶本の神話学③メタアナリシス

2023-11-07 06:38:40 | 東西奇想史衍義
 山口昌男さんの初期著作における”書誌学的百科全書”とも言える知識の奔流の、少なくともかなりの部分は二次情報をベースとしたものではないかと思い始めてから2~3年が経ちましたが、そのような視点に立って具体的なテキストに則して見直す事なく今日まできました。 今回Darre関連の資料探索中に、中央文庫版(1977年初版)の「本の神話学」に遭遇。お弟子さんとも言える今福龍太さんの言 . . . 本文を読む
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