木全賢のデザイン相談室

デザインコンサルタント木全賢(きまたけん)のブログ

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イメージスケッチ

2006年03月17日 | スケッチとモックアップ(コツツボ)
 <写真>イメージスケッチ


◆イメージスケッチ<スケッチの種類1>
219:【デザインのコツ・デザインのツボ100連発!】第19発 デザインワーク


 こんにちは!
 「工業デザイン相談室」木全(キマタ)です。一般の方に向けて工業デザインのエッセンスについて書いたり、デザイナーとの付合い方などについて書いています。御相談がありましたら、コメントをくださいね。コメントによるご質問には基本的に無料でお答えいたします。

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スケッチの種類

 2回続けて、デザインスケッチの機能スケッチの欠点について話をしました。

 今回は、スケッチの種類についてのお話です。


いろいろなスケッチ

 一言でスケッチといいますが、その用途によって、いろいろなスケッチがあります。

 たとえば、ざっと挙げただけでも以下のようなスケッチがあります。

 1) イメージスケッチ     【←今回はこの説明です】
 2) アイデアスケッチ
 3) レンダリング(スケッチ)
 4) サムネイル(スケッチ)
 5) シーンスケッチ
 6) コンセプトスケッチ
 7) フルサイズスケッチ
 8) バリエーションスケッチ

 デザイナーは、商品開発の各段階で、それぞれのスケッチの特性を考えながら使っていきます。

 デザイナーにとって、その使い分けは自明のことなので、あまり説明せず、それらの言葉を使ってしまうことがあります。お客様はその違いがわからず、あらぬ誤解をしてしまうことがあるかとも思いますので、このようなことを書いておくのも意味があるかなぁと思っています。

 ちなみに、「レンダリング」と「サムネイル」は、普段あまり「レンダリングスケッチ」「サムネイルスケッチ」と言いません。しかし、どちらを使ってもおかしくはないので、「レンダリング(スケッチ)」「サムネイル(スケッチ)」と表記しました。

 また、3Dソフトを使ってコンピュータで作成する3Dスケッチ(3次元スケッチ)は、表現技法の違いだけなので、上の表には載せていません。

 では、それぞれのスケッチについて解説していきましょう。



イメージスケッチ

 イメージスケッチ・アイデアスケッチ・レンダリング。この3種類が、スケッチの基本でしょう。だいたいこの流れでスケッチを描いていきます。

 まず、企画段階において、イメージスケッチを描いて、商品コンセプトの検証をします。そして、商品コンセプトが固まってきたら、そのコンセプトに基づいて、具体的な商品形状をアイデアスケッチで検討します。そして、アイデアが固まってきたら、レンダリングを描き、商品の形状を決定していきます。

 「イメージ」と「アイデア」では、その違いがあまりわかりませんよね。でも、いちようデザイナーは使い分けています。


企画初期段階のイメージスケッチ

 イメージスケッチは、まだコンセプトが固まっていない企画の段階で、コンセプトを考えるために描くスケッチです。

 小型液晶モニターを開発する場合を例にしましょう。(今後もこの例で説明します。)

 企画の初期段階なので、どのようなシーン(状況)使うか、まず、絞り込まなければなりません。コンピュータにつなぐのか、テレビとして使うのか。また、家で使うのか、車載用か、お風呂用か、携帯用か、業務用か。そして、画面のサイズはどのくらいか。電源供給はどうするのか。入力はタッチパネルか、リモコンか、ボタンか。ターゲットは男性か女性か、年齢はどうか。いろいろな場合を考えなければなりません。

 そのようなシーンの中から、コンセプトを絞り込んでいくわけですが、そのとき、それらのシーンを想定した「イメージスケッチ」を描くわけです。「イメージスケッチ」は商品化の可能性を「絵」に描いて検討するものです。


イメージスケッチは見方が難しい

 ですから、なるべく、イメージが固定化しないよう、細部まで描き込まないで雰囲気を重視して、描きます。また、あまりたくさん描いても、反ってコンセプトの絞込みができなくなってしまうため、何十枚も描いたりしません。

「イメージが固定化しないように、雰囲気を重視する」というのは、なかなか、難しいです。描くほうも難しいですが、見るほうが、もっと難しい。

 イメージスケッチを提案する場合、デザイナーは必ず言います。

 「細かく絵を見ないでくださいね。あくまでもイメージですからね。最終の商品デザインとは違いますからね。」

 そう言われても、なかなか難しいですよね。

 でも、まだ商品コンセプトが固まっていない企画初期段階でのスケッチですので、そうならざるを得ません。イメージスケッチの評価は慣れないと難しいですが、企画初期段階でのイメージスケッチは元来そういうものなのです。




 寸法の話をしたときも、お知らせしたいことがどんどん増えて、7回に分けてお話しました。スケッチの説明も、なんだか長くなりそうです。次回は、アイデアスケッチについてのお話です。


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