木全賢のデザイン相談室

デザインコンサルタント木全賢(きまたけん)のブログ

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スケッチの欠点

2006年03月02日 | スケッチとモックアップ(コツツボ)
 <写真>懐かしい手書きのスケッチ その2


◆スケッチの欠点
218:【デザインのコツ・デザインのツボ100連発!】第18発 デザインワーク


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スケッチは便利だけど

 前回は、デザインスケッチの機能について話をしました。

 「スケッチ」は、企画段階の『キーワード』を、設計段階で『視覚化』にするときに、商品の形状を「絵」にして見せるため、わかりやすく、凄く強力な表現手段であること。

 「キーワード」を総論、「スケッチ」を各論ととらえると、「総論賛成各論反対」なんてことにならないように、いろいろな各論をそれぞれ具体的な「スケッチ」にして、検討し、総論「キーワード」を商品に収斂させていけばいい。

 スケッチをそのように使えば、強力な商品開発ツールになるという話をしました。

 しかし、スケッチは強力なツールではありますが、欠点もあります。


スケッチの欠点

 「スケッチ」は、具体的な「絵」ですから、イメージを固定化してしまう欠点を持っています。

 「絵」を一度見てしまうと、なかなかそのイメージから離れられなくなる。特にデザインの素人の方にその傾向が強く見られます。

 一度イメージが固定化してしまうと、それ以外のさまざまな各論が目に入らなくなり、いろいろな可能性を討議することなく、偏った各論のまま開発が進んでしまうことがあります。

 デザイナーでさえ、開発初期に自ら描いたスケッチのイメージに引っ張られて、アイデアの展開がうまくいかなくなることもあります。

 腕のいいデザイナーは、開発初期には、いろいろな各論(スケッチ)を同時に提案して、多くの関係者の総意(総論/キーワード)を一つの「かたち」(商品)に収斂していきます。


スケッチの使い方

 イメージを固定化してしまうというスケッチの欠点を、理解して、偏った各論に嵌まり込むことなく、デザイナーと一緒に、考えられる様々な各論について十分な討議をして、いろいろなアイデアスケッチを描き、徐々に収斂して、「ことば(キーワード)」を最終的なレンダリングスケッチに落とし込み、商品にしていく。

 そのような考え方で、スケッチを使えば、スケッチは最高の商品開発ツールになります。

 あくまでも、スケッチは道具に過ぎません。「ことば(キーワード)」に「かたち」を与えるための道具です。

 「ことば(キーワード)」を十分に検討することなく、企画の段階から、スケッチに頼ることはあまり効果的ではありません。総論(ことば/キーワード)が決まらずに各論(スケッチ)を進めてしまうと、スケッチの欠点が露呈して、開発があらぬ方向に進んでしまいます。

 総論(ことば/キーワード)について、徹底的に討議した後に、各論(スケッチ)を検討してはじめて、スケッチの機能を最大限に発揮できるのです。


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