木全賢のデザイン相談室

デザインコンサルタント木全賢(きまたけん)のブログ

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素材感と質感(表面仕上げ)

2008年12月02日 | 造形の構成原理(コツツボ)
<オラクルトランスポーターCD1000>


◆素材感と質感(表面仕上げ)
282:【デザインのコツ・デザインのツボ 100連発!】第82発 デザインワーク


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素材感と質感(表面仕上げ)

 製品デザイン開発で考慮しなければならない造形の要素には、造形の構成原理で説明したように「形」「色」「素材感(材料)」「質感(表面仕上・テクスチャー)」「光」「運動」の六つの要素があります。

 「形」と「色」に関しては、これまでいろいろ説明してきました。「光」と「運動」も大切な要素で、照明機器のデザインは光のデザインですし、ロボットをデザインするときには、各関節の動き(運動)を考慮しなければ上手く動くロボットは作れません。しかし、光や運動はデザインの中ですこし特殊なものです。

 製品に必ずあるのは、形・色・素材感・質感の四つです。

 形や色は具体的なものですが、頭の中だけで考えることのできる抽象的な概念でもあります。

 しかし、鉄とアルミの素材感・質感の違いを文章で説明するのが困難なように、モノ自体の属性である素材感と質感は、抽象化することができません。素材感・質感は、具体的な製品そのもののだと言えます。

 従って、モノ本来の存在感は、色や形よりも、そのモノ自体の素材感と質感に左右されることが多いです。

 特に「高級感」は素材感・質感の領分です。高級オーディオアンプの操作パネルは、肉厚アルミ板の削り出しで作られています。中級機種や普及機種ではプラスティック成形でそれを真似ていますが、その高級感の差は歴然です。

 上の写真のオラクルトランスポーターCD1000(六〇万円)は、アメリカの高級オーディオです。本体はアルミニウムのカタマリから削り出して作られています。フィリップス製のCDメカを搭載しており、性能で勝負しているわけではありません。アルミニウムの素材感・質感だけがこの製品の命です。六〇万円に見合う製品は形や色にも増して素材感・質感が重要視されています。


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