<写真>どこにでもある黄金比
◆黄金比について<寸法について その2>
211:【デザインのコツ・デザインのツボ100連発!】第11発 デザインワーク
こんにちは!
「工業デザイン相談室」の木全(キマタ)です。一般の方に向けて工業デザインのエッセンスについて書いたり、デザイナーとの付合い方などについて書いています。御相談がありましたら、コメントをくださいね。コメントによるご質問には基本的に無料でお答えいたします。
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このページは、毎日結構なアクセスをいただいています。皆さん黄金比にご興味がおありのようですので、若干追加します。
このブログで、黄金比に関連した記事をいくつか書いていますので、ここにリンクを貼っておきます。よろしければ、ご覧ください。
黄金分割
黄金長方形の作図
黄金長方形にしておけば大丈夫
営業で使える黄金比
三分割法
フィボナッチ数
標準数
白銀比
白銀長方形の作図
正方形と整数分割
■寸法とバランス
前回、いろいろな寸法の話をしました。今回はデザイン的寸法についてです。デザイン的「寸法」とは言いましたが、デザインの場合は、形の中のひとつの長さ(寸法)を問題にすることは、あまり、ありません。デザインで問題になるのは、比率・バランスです。
「縦横のバランスがいいね」などとは言いますが、「ここの10cmの長さがいいねえ」などとはほとんど言いません。
確かにバランスのいい比率というのがあります。黄金比・白銀比はその代表的な例です。今回は黄金比についてお話しましょう。
■どこにでもある黄金比
黄金比は、正確には<1:(1+√5)/2>ですが、よく <5:8> <1:1.618> の比率で代用されます。
黄金比は、ほんとうにいろいろなところで使われています。
たとえば
・クレジットカードなど各種カード
・3つに折ったお札
・ハイビジョンテレビの画面(4:3の画面よりスマートです)
・新書(文庫よりお洒落ですよね)
・たばこのパッケージ
・名刺 などなど
バランスがいいと感じる、身近にある四角いものの縦横比を測ってみてください。だいたい黄金比 <1:1.618> に近いはずです。
■基本的な黄金比の使い方
またまた、iPodを取り上げてしまいました。これ以外にもいいデザインのものはいくらでもあるんですけどね。でも、現在のiPodのラインナップ3機種は、見事なまで黄金比を取り入れているので、黄金比の説明にはぴったりなんです。
iPod の3機種のどこら辺が黄金比なのか、写真を見ていただければ、一目瞭然、説明もいらないと思います。
でも、さすがにこれでおしまい、というわけにもいかないですよね。
まず、上の二つ、キャノンのIXYデジタルとタバコのパッケージ。
IXYシリーズの縦横比はずっと黄金比です。キャノンに限らず、コンパクトカメラの形状の縦横比は黄金比のものが、多く見られます。上図では、補助線として対角線を2本引いていますが、上の逆三角に沿うように、きれいに「CANON」「IXY」「DIGITAL」のロゴが並んでいます。バランスいいですよね。
タバコのパッケージ。最近の日本のタバコのパッケージは、醜い注意文が場所を取っていてかっこ悪いので、敢て海外のタバコの写真を使いました。赤いマークが、ど真ん中にあります。この2例は、最も基本的な黄金比の使い方ですね。
■iPod のバランス
さて、iPodシリーズです。
iPod は縦横が黄金比。
iPod nano は大きな黄金比長方形と横にした小さな黄金比長方形の組み合わせ。
iPod shuffle は黄金比長方形を二つ縦に並べています。
iPodの3機種は、黄金比長方形の組み合わせの基本なのです。
そして、画面と円形操作部のレイアウトにも、黄金比を使っています。
iPod と iPod nano の画面の縦の長さは写真のとおり、製品の幅を長辺とした黄金比長方形の短辺と同じです。
iPod nano とiPod shuffle の円形操作部は、黄金比長方形のほぼセンターにレイアウトされています。
美しいのには、やはり理由があるのですね。
iPodのラインナップ3機種がなぜ、この形なのか。なぜ、ただ四角いだけのiPod が魅力的なのか、それが、黄金比の持つ力なのです。
他にも、いろいろな寸法の話をしています。よろしければ、是非ご覧ください。
1) 寸法について(寸法/1)
2) 黄金比について(寸法/2) 【←今回はこの説明です】
3) メートル法について(寸法/3)
4) 標準数について(寸法/4)
5) モジュール寸法について(寸法/5)
6) フィボナッチ数・白銀比(寸法/6)
7) デザインと個性(寸法/番外)
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◆黄金比について<寸法について その2>
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黄金分割
黄金長方形の作図
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三分割法
フィボナッチ数
標準数
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■寸法とバランス
前回、いろいろな寸法の話をしました。今回はデザイン的寸法についてです。デザイン的「寸法」とは言いましたが、デザインの場合は、形の中のひとつの長さ(寸法)を問題にすることは、あまり、ありません。デザインで問題になるのは、比率・バランスです。
「縦横のバランスがいいね」などとは言いますが、「ここの10cmの長さがいいねえ」などとはほとんど言いません。
確かにバランスのいい比率というのがあります。黄金比・白銀比はその代表的な例です。今回は黄金比についてお話しましょう。
■どこにでもある黄金比
黄金比は、正確には<1:(1+√5)/2>ですが、よく <5:8> <1:1.618> の比率で代用されます。
黄金比は、ほんとうにいろいろなところで使われています。
たとえば
・クレジットカードなど各種カード
・3つに折ったお札
・ハイビジョンテレビの画面(4:3の画面よりスマートです)
・新書(文庫よりお洒落ですよね)
・たばこのパッケージ
・名刺 などなど
バランスがいいと感じる、身近にある四角いものの縦横比を測ってみてください。だいたい黄金比 <1:1.618> に近いはずです。
■基本的な黄金比の使い方
またまた、iPodを取り上げてしまいました。これ以外にもいいデザインのものはいくらでもあるんですけどね。でも、現在のiPodのラインナップ3機種は、見事なまで黄金比を取り入れているので、黄金比の説明にはぴったりなんです。
iPod の3機種のどこら辺が黄金比なのか、写真を見ていただければ、一目瞭然、説明もいらないと思います。
でも、さすがにこれでおしまい、というわけにもいかないですよね。
まず、上の二つ、キャノンのIXYデジタルとタバコのパッケージ。
IXYシリーズの縦横比はずっと黄金比です。キャノンに限らず、コンパクトカメラの形状の縦横比は黄金比のものが、多く見られます。上図では、補助線として対角線を2本引いていますが、上の逆三角に沿うように、きれいに「CANON」「IXY」「DIGITAL」のロゴが並んでいます。バランスいいですよね。
タバコのパッケージ。最近の日本のタバコのパッケージは、醜い注意文が場所を取っていてかっこ悪いので、敢て海外のタバコの写真を使いました。赤いマークが、ど真ん中にあります。この2例は、最も基本的な黄金比の使い方ですね。
■iPod のバランス
さて、iPodシリーズです。
iPod は縦横が黄金比。
iPod nano は大きな黄金比長方形と横にした小さな黄金比長方形の組み合わせ。
iPod shuffle は黄金比長方形を二つ縦に並べています。
iPodの3機種は、黄金比長方形の組み合わせの基本なのです。
そして、画面と円形操作部のレイアウトにも、黄金比を使っています。
iPod と iPod nano の画面の縦の長さは写真のとおり、製品の幅を長辺とした黄金比長方形の短辺と同じです。
iPod nano とiPod shuffle の円形操作部は、黄金比長方形のほぼセンターにレイアウトされています。
美しいのには、やはり理由があるのですね。
iPodのラインナップ3機種がなぜ、この形なのか。なぜ、ただ四角いだけのiPod が魅力的なのか、それが、黄金比の持つ力なのです。
他にも、いろいろな寸法の話をしています。よろしければ、是非ご覧ください。
1) 寸法について(寸法/1)
2) 黄金比について(寸法/2) 【←今回はこの説明です】
3) メートル法について(寸法/3)
4) 標準数について(寸法/4)
5) モジュール寸法について(寸法/5)
6) フィボナッチ数・白銀比(寸法/6)
7) デザインと個性(寸法/番外)
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特に、ipodにも黄金比が隠されていたなんてびっくり!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
コメント感謝です。木全です。論文のお役に立ててよかったです。
ただ、黄金比になっているのは初代のiPodシリーズだけで、2009年現在のiPodやiPhoneは黄金比ではなくなっています。最近の情報としては、富士フィルムのデジカメや、トーヨーキッチンのフラッグシップモデルは黄金比を意識しているとのことです。
驚きです。
黄金比についてのレポートに使用させていただきます。
ご無沙汰しております、澤井です。
黄金比について、最近面白い事を発見しましたので報告します。
今ホンダのN-Boxが大ヒットしています。車高の高い箱型の軽自動車ですが、外観のバランスが見ていて自然。調べてみると、キャビンの箱のプロポーションが黄金比でした。また、ホイルベースとボディ高の関係も黄金比。顔まわりも、ヘッドライトの位置や、グリル、エンブレムの配置など、あちこちに黄金比がみてとれました。
そして面白いのが、キャビンとボディの分割も黄金比だったのですが、ライバル車のダイハツタントを調べると、ガラス部がもっと大きく、こちらは白銀比に近いものでした。
日本の車(特に軽自動車)は、動的な表現よりも、空間に価値をおいたものが多く、欧州の車に比べキャビンが大き目です。どちらかと言えば、Nの黄金比の方が珍しいのかも知れません。
というのは、白銀比は正方形の一辺と対角線√2の比率。聖徳太子が発明したとかしないとか言われる、日本のバランスです。自分の推理では、日本の建築が木でできているところが、この比率に親和性があったのではないかとみています。木材は木から生成すると、基本が正方形の角材です。それが建築基準のスタートになっているのではないか?と思います。畳も基本は正方形二つ並べた形です。
なんとなく欧州車は黄金比、日本の車に白銀比が多く感じるのは偶然では無い気がするのです。
もう少し調べてみたいところです。
長くなってしまいすみません…
この手のお話は大好きなので、機会があればお会いして、ぜひ議論してみたいです。。
長文のコメント、ありがとうございます。
N-Boxの黄金比、タントの白銀比、とても面白いですね!
欧州車の黄金比と日本車の白銀比、凄いテーマですね。
是非お会いしてお話ししましょう!
designsoudan★goo.jp(★を@に) までご連絡ください(笑)