小うつな人・ケアマネな人、を応援する日記

小うつな方・ケアマネな方、どっちでもある方のために捧げる、ネタのたわごとです。めざそう癒し人!?

訪問介護の受難

2012-01-30 11:04:12 | 弱さへの思考
あと2カ月後。この4月から、訪問介護事業所はとてつもないことになってしまう。
国は、「24時間定期巡回随時対応型訪問介護看護」(この長ったらしい名称、なんとかならんか?!)を推進しようとしているのが、改正によって見えている。

受難を羅列してみる。

①サービス提供責任者に「ヘルパー2級」の方がいた場合、全報酬から10%減算。
②上記の方に対する経過措置が1年あるが、「1年後にはヘルパー1級か介護福祉士を取得します!」という書類を都道府県に提出して、認められれば経過措置適応となる。
③しかし、なれなかった場合、遡って10%返還(たぶんそうなる)。
④生活援助は45分で分かれて、報酬はマイナス17%と20%。
⑤さらに複合型(身体○生活○っていうもの)も単位数が激減。
⑥生活機能向上連携加算というものが追加されて、PTさんとかと一緒に訪問すれば月に100単位。

ざっとこんなところだろうか。

①~③であるが、おいおい…もうベテランのヘルパー2級のサービス提供責任者さんたちが、いまさら資格取得の勉強する金銭的・時間的余裕なんかあるか。ましてや事業所が支援するとは思えない。事実上のリストラか?これまで信頼関係を構築してきた貴重な資産はどうなる?10%減算ならば、この4月までの間、既資格取得者をそれなりの賃金で新雇用するだろう。事業所はその方が、コストがかからないからだ。そして、既資格取得者の囲い込み・奪い合いが行われる。既資格取得者さんたちが訪問介護事業所に就職するならば、タイミングを見計らって、今こそ!なのかもしれない。
④と⑤であるが、45分でこれまでの家事ができるワケがない。ということは、ほぼボランティアで45分以上をせねばならないだろう。これは事業所として死活問題だ。もしかしたら、某市のように「45分までは介護保険で、過ぎた時点から(エプロンを変えて)自費サービス(またはボランティア)」というようになるかもしれない。事業所は新たなサービス構築と提供を考える必要が生じてきた。これは可能か否かは2月下旬に出そうな通知を待つしかない。要は「生活援助は介護保険から外す」という前段なのだろう。
でも、忘れていはいけない。生活援助をすることで、介護予防になっていることを。
国は、相当の過ちを犯したことを、いずれ後悔するだろう。
⑥であるが、こんな加算をつけられても困る。訪問看護事業所が、サービスに設定されてなければ、「一緒に訪問」できないだろう?それほど訪問看護を必要としている利用者は…まぁ、いるだろうけれど、いない場合もある。ほぼ意味のない加算だ。

そして、要支援。
予防Ⅰは1234から1220へ
予防Ⅱは2468から2240へ
予防Ⅲは4010から3870へ
大抵、予防Ⅱ(週2回の訪問)だから、このマイナスは9%だ。

結局、「医療と連携しろ」(いやそういわれても、医療側が拒否しているじゃんかよ)「生活援助は給付から外すぞ」(これがどれだけ介護予防になっているのか、統計取ったか?)「介護福祉士中心」(ロクでもない介護福祉士だらけであることを、よく知っているぞ。資格ではなく、介護技術やコミュニケーション技法が対人援助には全てだろう?)を目指しているようにしか見えない。

「24時間定期巡回随時対応型訪問介護看護」の単位を見ればわかる。
要介護1で9270、要介護5で30450…おいおい、施設じゃないか。
しかも、施設ならば、建物の減価償却費込みでこのくらいの単位だ。このサービス利用者様の建物は「ご自宅」なのだから、その分はマイナスするのが筋だろう。
こんな膨大な利用料金を払えるならば、施設入所するだろう。サービス付高齢者住宅にも入るかもしれない(転居すると大変だけど)。
そしてこのサービスを利用すると他のサービスは利用できない。利用した場合「24時間定期巡回随時対応型訪問介護看護」の事業所は、減算になるからだ。減算を避けるため、他のサービス利用をさせないだろう。
例えば、通所介護・短期入所における「社会的交流」「介護者のレスパイト」というすばらしい部分を、国はもう捨てている。
人は、一人では生きていけないのだ。続けるためには休みも必要なのだ。

なんでこんな簡単なことを、
生活の質を、
なぜ、国は理解しないのだろう。

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