森中定治ブログ「次世代に贈る社会」

人間のこと,社会のこと,未来のこと,いろいろと考えたことを書きます

イラク戦争とTPP

2013-03-21 22:06:37 | 国際政治・外交

昨日(2013.3.20)の朝日新聞に,イラク戦争を日本が支持表明した時の官房長官だった福田康夫氏のコメントが出ています.イラクに大量破壊兵器があるか?ないか?その情報はなく,戦争は避けたかったけれども,米国に一番の支持を表明し日米関係を強化することが最大の目的であり,支持表明の結果,米国への日本のプレゼンスを大きく高め,結果的には正しかったと述べています.

思うに,イラクに大量破壊兵器が隠されているかいないか,イラクを攻撃することは是か非かは真の論点ではなく,真の論点つまり目的は米国が困っている時に日本が助けてあげられるかどうかで,結果として真の目的を達成したというのです.

私は,これはそのままTPPに当てはまるのではないかと思います.TPPの論点は日本の農作物や保険制度が維持できるかどうかで,それが無理ならば条約を結ばないとしています.しかし,真の論点つまり目的は,農作物や医療制度の維持にはなく,この条約を米国が有利になるように日本が助けることであれば,農作物や医療で日本が駄目になっても,日本が降りれば米国が困ると言われれば,降りることはできなくなります.というかイラク戦争のときの表現を借りれば,日本がTPPに参加することで米国を助けることができて,結果的に真の目的を達成したということになります.

北朝鮮や中国から守ってもらうために,結果として日本が身を捨てて米国に尽くす.こんな尽くし方,いわば片思いの異性に対してアッシー君やメッシー君のようなアプローチで,相手は本当に等と認識するのでしょうか.

イラク戦争への対処も,TPPに対する考え方も俯瞰的な見方をすれば同じ構造があるように私には見えます.細部を検討し個々の問題点を指摘することも大事ですが,一歩離れた視点も必要だと思います.A国は神であって身も心も捧げるべきであり,B国は悪魔であってただ人を殺し襲いかかることだけを無上の喜びとしている.こう規定すること自体,現代では大きなミスであると思います.A国もB国も,歴も違いそれ故に生活習慣や伝統も異なるけれども,理解しあえない神や悪魔ではなく同じ一つの人間ではないでしょうか.

 

   

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