森中定治ブログ「次世代に贈る社会」

人間のこと,社会のこと,未来のこと,いろいろと考えたことを書きます

”トゲ”を抜く

2012-09-27 19:55:06 | 国際政治・外交

1昨日,友人と一緒に「この空の花」という映画を観ました.3.11の原発震災,原爆投下やB29による空襲に新潟県長岡市の花火が重なった,過去を未来につなぐ幻想的な映画でした.2011年3月にハワイ/ホノルルで長岡の花火を打ち上げて,真珠湾奇襲で亡くなった人,不幸になった人をハワイの人と一緒に日本人が追悼しているのですね.それとその奇襲を指令した山本五十六元帥がどういう人であったか,それも追求しています.人間には国境を越えた理解が可能です.「人間は火薬を爆弾にもできるし,花火にもできる」という言葉が印象的でした.いい映画でした.

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前投稿の続き,話を尖閣諸島に戻します.

両国の間に突き刺さった“トゲ”をどう抜くか,自国の論拠,前投稿の論拠(A)でいくら努力しても,中国を説得することは不可能だと思います.自国の論拠(A)は我々日本人には説得性があるでしょう.しかし,第三者,例えば友人である米国も説得できないのです.米国は,日本が現在実効支配していることは認めます.しかし,その地が日本に帰属するとは合意しないのです.合意して行動で示してくれれば,.つまり中国に対して,この地は日本に帰属する土地ですよとはっきりと中国に言ってさえくれれば,問題は解決しているでしょう.友達の米国ですら合意しない論拠で,対立する中国が合意できる筈がないでしょう.

“トゲ”を抜くには,どうすればよいでしょうか.

(1)自国の領土にすることを,対話や説得他,様々のアクションの究極の目的にしないこと

(2)冷静に歴史的な事実をデータとして,科学的(論理的)に正当な帰属国がどちらであるかを追求すること

・・A氏はaが正しいと主張します.B氏はbが正しいと主張します.どちらが正しいでしょうか.例えば数学など論理だけの問題は,誰が考えようが,正しい答えは一つしかありません.社会現象に関わる問題や未来につながる問題など,受容者つまり受け取った方がそれぞれ状況を認識し判断する問題では,片方があまりに非常識であれば相応の判断はできますが,片方ずつ意見を聞いて,間違いのない真に正しい答えを見つけ出す事は困難です.言葉を代えれば,どちらもそれなりに納得ができる場合,唯一の正解は存在しないとも言えます.(拙著「プルトニウム消滅!」第4章)

(2)によって,両国のより深い理解が進むと思います.やればやるほど相互理解は深まるでしょう.でも,いくらやっても,どちらに帰属するか唯一の正しい回答は出てこないでしょう.

では,どうすればよいでしょうか.

(3)どちらのものかその帰属先を見いだすために努力するのではなく,尖閣諸島はどうすれば未来の人類の利益につながるか,それを考えそのために汗を流すこと(拙著「プルトニウム消滅!」第4章,p. 174) 

(3) は,両国の対立を消し,両国を共通の土俵に乗せます.未来の人類には,日本人も中国人も含まれるからです.こうして“トゲ”は抜け,人類の未来への“架け橋”に変わります.

人間は,過去に生じた“トゲ”を “トゲ”のままで争うこともできるし,両国の友好の“架け橋”に変えることもできます.「人間は火薬を爆弾にもできるし,花火にもできる」と同じです.

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三本のトゲ

2012-09-25 20:13:57 | 国際政治・外交

田中首相の時代以降,日本と中国,両国が理性的に判断し,尖閣諸島の所有権について論議せずむろん実力行使もせず,ずっと棚上げに合意してきました.それを日本が中国に何の事前相談もなく一方的に自国のものとしました.その契機を作ったのが石原都知事です.

尖閣諸島の真正の所有者は誰か?
(A)日本は1895年,10年かけて慎重にかつ徹底的に所有者を調べました.その結果所有者がいないと結論し,そして尖閣諸島と名付け,日本の所有としました.

(B)一方中国は,明の時代に中国人(多分中国大陸に住む)が発見し,その時に釣魚島と名付けました.当時の書物(1500年代)に出てくるそうです.書物がその具体的な証拠です.

日本は(A)を論拠にして,中国に対してその地が日本の所有であることの説得を試みるでしょう.中国は,日本が10年もかけて慎重かつ徹底的な調査をして所有者がいないと結論づけたのなら,中国の歴史は十分調べたのか?結論づけたときに中国に確認はしたのかと問うでしょう.どれだけ時間をかけて調べても,丁寧に調べても聞きたくないことは聞かない,見たくないものは見ない調査では自己満足になってしまいます.中国が(A)で納得するでしょうか.

どちらが真正の所有者か?日本人が日本のものだと言い,中国人は中国のものだと言います.これをポジション・トークと言い(拙著「プルトニウム消滅!」第4章),どちらの言い分も無価値です.日本人だから日本のものだと言うのか,日本人であることは関係がなく,論拠が正当であるから日本のものなのか,その識別がつかないからです.もし,当事者の国籍は無関係であって,主張の正当性が所有者を決めるというのであれば,当事者である日本人と中国人全員に,十分にそれぞれの論拠を説明し理解したうえで,どちらの論拠が正しいか多数決をとってみればよいでしょう.こんな多数決は,無価値であることが即座に分かります.

日本と中国の論拠を聞いて,両国以外の第三者がどう判断するか,そこに正義があるでしょう.では,米国は,それは間違いなく日本のものだ,真正の所有者は日本であると言っているでしょうか.米国は,現在実効支配しているのは日本であると言っているだけです.現在の単なる一断面の事実をそのまま言っているだけで何の意味もありません.そんなことは分かっており,無価値です.何故日本が真の所有者であると言明しないのでしょうか.米国は友達ではありませんか.安保条約まで結び一心同体ではありませんか.

終戦時,A国のものをA国のものと認めれば,それは“トゲ”ではありません. A国のものをB国のものと認定するから“トゲ”になるのです.宗主国が植民地支配を止めて自国に引き上げる際,それは常套手段であったように言われます.だから宗主国が引き上げた後も,いつまでもその地に紛争が絶えず,宗主国は引き上げた後もずっとその地の国々に武器を売ることができ,莫大な利益を上げ続けたと聞きます.何と言うばからしいことでしょうか.

“トゲ”は三本あると思います.この解決はそれぞれ大変難しいと思います.少なくとも,終戦時に仕掛けられた“トゲ”である可能性を知ったうえで,一方的に自分が正しいとして殺しあいや環境破壊をやって奪い合いをやれば,それは愚かでしょう.


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拙著 ”プルトニウム消滅!” 「マジ」で1位に

2012-09-23 08:19:51 | 原発・エネルギー

森中定治です.やっと朝夕涼しくなりました.

9月4日に当ブログで,拙著 ”プルトニウム消滅!” について内容のご紹介をさせて頂きました.

おかげさまで「マジ」のタグのついたエネルギー本に関する感想ブログ・書評レビューランキングで1位(2012.9)になりました.

具体的な核廃絶技術についての話題提供も,これからの人類社会を左右する大きな可能性を秘めた重要なイシューだと思います.それだけではなく生物学,公共哲学,経済学を統合した本書全体を貫く主張の真面目さを,読者の皆様に感じとって頂けたのではないかと思います.

(感想ブログ・書評レビューランキングのページ一番下より

「マジ」のタグページでは、「プルトニウム消滅!—脱原発の新思考」のようなオススメのエネルギー本を人気ランキング形式で紹介しています。「マジ」のタグがついたエネルギー本のおすすめ情報・書評ブログ・レビュー・Twitter・ニュース・Q&Aなどの口コミ・記事を集計して人気ランキング形式で掲載しています!・・

ブログは全くの初心者ですが,インターネットで偶然このようなランキングを見つけると,本当に嬉しくてやる気も倍増します.さっそくブログのランキング登録をしてみました.

私は元々生物学者で “生命” について研究しています(材料はチョウ).人類が未来末永く “人間としての生命” を保っていけるように,というのが私の願いです.ですので単に自分自身の専門分野だけ考えていても意味がなく,哲学や経済学など幅広く統合して考える必要があります.また私には趣味(声楽)もあります.それで,私のブログは大変幅が広くなります.ランキング登録では,国際政治・外交30%,声楽10%,東日本大震災40%,学問一般20%(総計100%)と分割しました.

日本は,尖閣諸島や竹島の問題で緊迫した状況を迎えつつあります.また原発・エネルギーの問題,核兵器廃絶の問題には「プルトニウム消滅!」を出版したように,深い関心を持っており,社会に訴えたいこともあります.生物学や哲学や経済学,趣味についても書くこともあります.

いろいろと書きたいと思います.よろしくお願いいたします.

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どこまでも平和と人間の成長を

2012-09-20 18:25:07 | 原発・エネルギー

森中定治です.

9月16日に「日本再生への道」と題して,私なりに世界情勢を分析し,尖閣諸島を巡る日本と中国の争いを中心にしてその結果生じる日本の未来を描き,前回のブログに載せました.あくまでもひとつのシミュレーションですが,現実になる可能性はあると思います.

尖閣諸島を巡る日本と中国の争いについて,昨日(9月19日)ひとつの論考が出ました.遠藤誉氏(広告のために開くまで暫く時間がかかります)が日経ビジネス(電子版)に掲載したものですが,正鵠を突いた論考だと思います. 

私が「日本再生への道」に描いたように,外交(国際交渉)は,冷徹な損得計算に基づくと思います.しかしそれは半分であって,人間は金勘定だけで動く機械ではありません.半分はそういったクールな計算があるにしても,それを決断し貫くのは人間の感情であり意志です.上記の論考を読むと,人の話をまともに聞いていないとか不誠実だとか,国家間の目先の損得とは別に,国家を代表する人が対面したときの会話から生まれる印象,感情,意志つまり人間味がその決断に働くと思います.胡錦濤国家主席の真剣な話を野田首相が無視したと言われても仕方がないように思います.

Aがaを正しいと主張し,Bがbを正しいと主張する.どちらが正しいか第三者がそれを見極めることは殆ど無理だと思います(拙著「プルトニウム消滅!」第4章).唯一の絶対的正解はないのかも知れません.現在実効支配している国が正当な所有者なのか,最初の発見者の国のものであって現在住んでいるのは仮住まいなのか,終戦時の合意がそのまま続くのか・・,絶対的なルールはないでしょう.交渉者間の理性的な相互の納得と合意だけでしょう.

例えば車の事故を起こして示談をする場合に,慰謝料として100万円なのか,80万円なのか,それとも50万円しかもらえないのか,むろん一定の根拠のうえで後はそのときの状況次第なのではありませんか. 100万円欲しいが,相手に心からの誠意を感じた結果50万円でよいという被害者もいるかも知れません.双方がどういう気持ち(意志)でそれに向き合うかです.相手に与える印象は大きいと思います.上記の論考が事実なら,野田首相は胡錦濤国家主席との一対一の対面勝負に失敗したと思います.

ただ,強い利害関係がなくそれ故に関心の薄い総ての他国にとってひとつだけ分かり易いことがあります.それは,双方が理性的に合意し今まで何十年も棚上げであった地を相手に相談なくいきなり片方が自国のものにしたということです.上記の論考によれば,中国は尖閣諸島の地図をもって国連事務総長と折衝をしているそうですが,それこそが予兆(後に来るイベントのための根回し)であって,10月中旬以降の中国の第18回党大会の後,不退転の決意で断罪するべく行動を起こし,全世界の眼差しの前でいずれかが断罪されるような気がします.

私のシミュレーションが当たれば,行動は10月末から始まるでしょう.大変な苦難の状況にならざるを得ないけれども,その相互の行為をとおして日本と中国が共に人間というものについてひとつの学びを得,その後は同じ人間として友好な関係を築くことを願います.


 


 

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日本再生への道

2012-09-16 18:49:03 | 人類の未来

以下に,昨今の急変する世界情勢に鑑み,今日私が考えた日本再生への道を書きます.

日本再生ですから,日本が落ちるところまで落ち,その後新しく生まれ変わる過程を示します.見方によっては,非常に暗い最悪の日本ともみえます.あくまでもシミュレーションのひとつではあるけれども,実際に現実になる可能性はあると私は思います.

想定外と称して考えたくないことを考えない,見たくないものを見ないのではなく,生じ得る最悪の状況を想定して,そこからどう立ち直るのか,突っ込んだ思考が必要です.これこそが,我々日本人が福島の原発事故から学んだことであり,この思考法があって初めて,我々日本人は今後来る非常な苦難を乗り越えることができると思います. 

日本再生への道

韓国の李明博大統領が竹島に上陸し,その理由は日本軍による慰安婦強制連行の問題で,日本の不誠実な姿勢に失望してその最終判断につながった可能性が高いと報じられています.また,昨年韓国憲法裁判所が,韓国政府がこの慰安婦問題で国際交渉の努力をしないことは違憲である,との判決を下しています.日本では,河野談話を見直せという主張や彼の参考人招致が要望されましたが,さらなる具体的な動きはなく,韓国に対する明確なアクションも始まらず膠着状態になっています. 

一方欧州は,ギリシャ,イタリア,スペインなどの経済破綻問題に伴い,ユーロ危機を乗り切るべくドイツをはじめとして鋭意努力がなされています.しかし,各国の中央銀行を救うべく融資を増やすばかりで,抜本的な改革はなされておらず,単に金融破綻時期が先延ばしになっているだけのようにみえます.

しかし,ユーロ危機だけが既に長く世界の注目を浴びているだけで,米国も同様の破綻の縁にいます.貧富の差の拡大,貧困層の増加だけでなく,重大な金融破綻危機が継続し,雇用も低位の状態が続いています.一方で,ムスリムが許すことのできない米国の映画が発端となり,イスラムの世界に火の手が上がっています.これはインドネシアなどアジアまで広がり火消しは容易ではないでしょう.FRBは,雇用増と金融破綻回避のため2012.9.13にQE3を開始しました.これは,毎月400億ドル(約3兆円)で住宅ローン担保証券を無期限に購入するという形で行われ,2013.1.2にくる「財政の崖」を考えると,オバマ大統領も大統領選を挽回するための,米国内の雇用の安定化や金融資本救済など,切羽詰まった止むを得ずの対応であるようにみえます.

しかし,QE3は単に金融機関の破綻を防ぐための融資であり,欧州の場合と同じく抜本的な解決ではありません.ドルを大量に刷って市中に出せば当然ながらドルの価値は落ちます.なんとカナダドルの価値が米ドルを抜きました(2012.9.14買い終値東京,1カナダドル=80.62円,1米ドル=78.37円).これは,事前説明がされているかどうか知りませんが,中国にとっては非常に大きな打撃であり,不誠実と思われても仕方ないでしょう.FRBを除いて,世界で最も多く米国債を抱えているのは中国だからです.中国が米国に対して怒り,米国債を明示的に売却すれば米国債は暴落し,米国は瓦解するでしょう.米国も非常に困った状態に追い込まれています.

2012.4.17に石原都知事がワシントン(米国)で,東京都が尖閣諸島を購入すると発表しました.それをひとつの契機に日本と中国の関係が悪化し,2012.9.11に日本政府と所有者との購入契約締結に及んで,その悪化は決定的になりました.つまり中国の怒りは,米国から日本に向かいました.米国は,経済危機に関する世界の注目が欧州から米国へ移ることを回避し,さらに中国の怒りを米国から日本に向けることに成功したと思います.石原氏の米国での発表は米国が仕組んだ訳ではないので,米国の陰謀ではなく,一連の事象の流れを米国がうまく利用したということでしょう.

中国は,自由主義陣営(韓国,日本,オーストラリア,米国)を一度に相手にするのは,種々の理由で無理,無駄なので,実際に紛糾中の日本に的を絞るでしょう.しかし,だからといって,武力紛争にはなりません.これは私も絶対的に否定しますが,民主党も自民党も著名な政治家のほとんど総てが武力紛争を否定するでしょう.中国ももちろん,何の得もなく全く無意味であり,ただ米国を利するだけであることを分かっているでしょう.

まず中国で日本製品のボイコットが起こるでしょう.次に中国の対日輸出禁止,日本もそれなりの対抗策をとらざるを得ないでしょう.武力以外の様々の相互の敵対行為が生じるでしょう.こうしてどちらかが音を上げるまで,じっと我慢比べです.米国はあからさまに日本に味方することはないでしょう.先に述べた米国債のことがあり,中国は米国に釘を刺すでしょう.言うまでもなく韓国も日本の味方はしません.石原都知事は,武力以外の2国間の抗争,つまり言葉を代えれば経済戦争で日本が勝つという目処をもって尖閣諸島購入の発表をすべきだったと思います.結局この抗争は,尖閣諸島の領有権について決着するまで終わらないでしょう.米国が仲介し,最悪の場合は日本の尖閣諸島の放棄,あるいはそれに近い不利な条件で日本が合意せざるを得ないまで追い込まれると私は思います.日本の累積債務は1千兆円以上です.急激な日本国債の暴落が起これば日本経済は破綻するでしょう.

領有権の問題は,非常に難しいと思います.両国家がものすごく仲が良くてひとつの国家になるような場合なら,全く問題は生じないでしょう.両国が仲が悪くて,戦争かあるいは他の理由で片方が滅ぶという場合も,明確に決着がつくでしょう.双方が国家として,対立しながらもどちらも成立している場合は,棚上げという知恵,つまり非常に仲良くなってひとつになるか,さもなくばどちらかが滅びて自然に決着がつくまで放っておくという策は,現実的な解決策として有用な選択肢であったと思います.ここに至っては,もう遅いでしょうが.

最も有利にことが運ぶ時に,その交渉を行うのが外交の鉄則のひとつでしょう.韓国は、日本が中国との抗争において最も困窮している時に,慰安婦強制連行について河野談話の見直しを求めるでしょう.日本軍の慰安婦強制連行に関して,「事実はただ一つ.それは悪いことであり,実際に起こった」と知日派のアーミテージ(日経,2012.8.25)が断定するのですから,韓国は米国に仲介を頼むかも知れません.財政破綻し困窮状態にある日本は河野談話を見直し,正式の謝罪と賠償を了解せざるを得ないところへ追いつめられる可能性があります.こうして慰安婦問題と竹島問題は新しい明確な決着に向かうでしょう.もちろんロシアも機をつかんで同様の外交を行うでしょう.北方領土を日本は失うか,非常に不利な条件で合意し,こちらもひとつの決着をみるでしょう.

うまく紛争を回避しながら,一方日本国内の様々の意見を集約し暴動を抑えながら決着を図る・・,首相は誰が務まるでしょうか.こういった修羅場をうまく乗り切るためには若い方よりも艱難辛苦を乗り越えてきた経験豊かな方の方が適任かもしれません.こうして,日本は尖閣諸島,竹島,北方領土を失い,財政破綻のなかで,最悪のどん底に落ちます.しかし,そこに初めて新生の明るい光が射してきます.不本意なきっかけによって,結果的に国土が少し小さくなるのを防ぐことはできませんでしたが,逆には過去の戦争による歴史的なしがらみは消え,それらに気を病み心を奪われることはもう二度となくなりました.戦争を憎み,堂々と胸を張って平和を求める真に誇りある日本人として,新しく世界に羽ばたくことができます.多くを失う悲しく悔しいことになってしまったけれども,その代わりにまったく意図しなかった明るい陽射し,先の大戦の終戦時と同じような明るが戻ってくるような気がします.

憲法九条の精神と,拙著「プルトニウム消滅!」に著された,人間は識別可能の個別の存在でありまたひとつの存在でもあるという二重性に基づく精神,ポジション・トークつまり私益を半分に抑えもう半分は未来の人類の利益のためにという精神が合わさり,それを活かすことのできる新生日本が生まれると,私は思います.


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米国再生可能エネルギー提唱者の講演会

2012-09-14 08:54:18 | 原発・エネルギー

まだまだ,暑い日が続きます.

米国における省エネルギー・再生可能エネルギー促進の提唱者による講演会が開催されます.

日時:2012年10月15日(月)13:30-
場所:科学技術振興機構(JST)東京本部別館1階(JR「市ヶ谷駅」歩3分)
タイトル:「米国における2050年脱化石・石炭・原子力エネルギーシナリオと日本への示唆」

http://www.jser.gr.jp/event/2012/Amory_121015.pdf

私は是非聴講に行きたいのですが,この日は都合で参加できません.
ご関心のある方はどうぞ.
感想を聞かせて頂ければ幸いです.

森中 定治

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日本学術会議,使用済み核燃料の地層処理を白紙に戻す

2012-09-12 15:31:13 | 原発・エネルギー

昨日(2012年9月11日),日本学術会議は軽水炉の稼働によって産み出された使用済み核燃料の地層処理を白紙に戻す覚悟で見直すとして,内閣府原子力委員会に提言しました.

理由としては,社会的な合意のないままに交付金によって処分地を決めようとする方針はかえって問題を深刻化させることや,数万年も安定した処分地を見つけ出すことが難しいなどです.

日本TV, 東京新聞, 日経新聞

最近,プルトニウムやウランを取り出さない(再処理しない)で直接処理する方法で検討が進んでいるかに思いましたが,これで最終処理に対する方向は変化するような気がします.

現世代の享受した便益からでたゴミを埋めて隠し,未来の世代にそれを押し付けることを恥ずかしく思います.可能であれば現世代で消滅処分することが望ましいと思います.縁の下の地道な仕事でありまた大きな困難の伴う仕事ではありますが,熔融塩炉はそれを実現するでしょう.

私も,原発の廃止は望みますが,それには理由があります.あらゆる原子力に何が何でも反対というのではなくて,その理由を冷静に考え最善の策をとりたいと思います.


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熔融塩炉,原子炉第4の使途

2012-09-10 12:23:20 | 原発・エネルギー

プルトニウムは自然界には存在しない金属です.地球が誕生した時にはあったのですが,永い間にアルファ線を放出して異なる金属に核転換していき,現在は消滅しました.

原子炉の使途は

第1.核弾頭としてプルトニウムを産み出すこと 

第2.原潜(空母)の動力

いずれも軍事用です.

第3の使途として初めて,原発つまり電気を産み出すという平和目的の用途が生まれました.しかし先般,原子力基本法が実質的な議論もなく変更され,“安全保障に資する” という言葉が入ったため,原発と核兵器の境界が薄れ,東アジアを含む大きな問題になっています.原発=実質的核兵器では,3番目の用途も単純に平和利用とは言い難いでしょう.

第4の使途として,初めて真の平和のための用途が生まれました.今までの軽水炉(原発)の稼働で産み出された使用済み核燃料(プルトニウム,放射性金属)を放射能のない通常の金属に核転換し,あるいは放射能があっても半減期の短い金属に変え消滅させる技術で,今まで人類が造り出した実質的な消滅処理方法のない核のゴミを地下に埋めて隠すのではなくて,この世から消してしまう技術です.原子炉でウランを核転換させ造り出したプルトニウムは,やはり原子炉で核転換して消すしか方法はないのです.この技術の発展が,世界の核兵器の真の廃絶に道を拓きます.また,放射性金属ゴミを埋めて隠すのではなくて,この世から消してしまう実現可能な唯一の技術です.

原子炉でも,現在の固体ウランを燃やす軽水炉では絶対にできません.ウランが燃えてできたゴミ,つまり使用済み核燃料は,プルトニウムを含む多種類の放射性金属がごちゃ混ぜになって固まっているものだからです.プルトニウムだけは,再処理して取り出しているけれども,ごちゃ混ぜになって固まった放射性金属を金属の種類別に分離することは,軽水炉には実質的に不可能です.

ところが金属を液体にして燃やす熔融塩炉だと,原理的にこれが容易です.プルトニウム単体は640℃で熔融します.その他の様々な放射性金属も化合物にして融かし,液体状の混合金属を原子炉内で何度も循環させ,中性子を充てて,少しずつ通常の非放射性金属,あるいは半減期の短い金属に核転換させ,それを取り除いて核のゴミを減らしていきます.金属は物性や電気化学的性質が種類ごとに異なります.液体なので常に均一に混ぜ込むことも,ある特定の金属だけ取り出すことも自在です.軽水炉との大きな違いです.

精密さと粘り強さを必要とする地味な仕事です.精密さ,緻密さを必要とする技術は,日本人に向いた得意の分野だと思います.ごく最近上梓した拙著「プルトニウム消滅!」に詳細がありますが,世界に先駆けて,核廃絶と使用済み核燃料の実質的な消滅技術を完成させることは,日本にとって起死回生の大きなビジネスチャンスを招くようにも思います.

なお,2012年8月5日の日経新聞に掲載されたトリウム原発  http://www.nikkei.com/article/DGKDZO44561630U2A800C1MZ9000/

は,この熔融塩炉を第3の用途である発電のために活用する新しい原発の紹介です.プルトニウムを産み出さないので,その意味で真の平和利用と言えます.核兵器につながらない原子炉として,米国や,フランス,中国,韓国など世界中の軽水炉を置き代える根拠をもちます.核兵器廃絶の大義をもちます.

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慰安婦問題,竹島問題

2012-09-10 12:17:16 | 国際問題

以下は言論プラットフォーム”アゴラ”に「日韓関係を値踏みする米国の態度」と題して掲載されました.http://agora-web.jp/archives/1484066.html

2012年8月10日に韓国の李明博大統領が竹島に上陸しました.そして慰安婦の問題で日本政府の姿勢に失望して竹島上陸の最終決断につながった可能性が高いと報じられました(朝日デジタル国際,2012.8.25).

一方,米国の代表的知日家であるアーミテージ(元米国務副長官)への日経新聞のインタビューで,同社編集委員,春原剛氏の従軍慰安婦や歴史認識についての問いに対して,「条件に応じて取り組まなければならない.事実はただ一つ.それは悪いことであり,実際に起こった.そして日本人の何人かが責任を負っている.それで話は終わりだ」と答えています(日経,2012.8.25).

このアーミテージの見解は,韓国の主張そのままです.「事実はただ一つ.それは悪いことであり,実際に起こった」とアーミテージが断定する根拠はどこにあるのでしょうか.その証拠はあるのでしょうか.それは起こっていないというのが日本の歴史認識であり,このアーミテージの発言を見る限り,米国は日本の主張を全く考慮していないと言わざるを得ません.日本の盟邦である米国が,どうしてこういう発言をするのでしょうか.

日経新聞の記事を読むと,米国は,北朝鮮問題に対し日韓の協力を強く希望しています.それこそが大事なのであって,日本軍による慰安婦の強制連行があったかなかったか,真剣に突き詰め真実を知ろうとする姿勢は,その記事から全くうかがうことができません.誤解を恐れず端的に言えば,米国にとってそんなことどうでもよいし,何十年も昔のこと,実際真実など分かる筈がないでしょう.橋下大阪市長が,それがもし事実ならその証拠を出せと言っていますが,たとえ生き証人を探し出しても,年寄りの妄言だとか,でっち上げだとか言って認めなければ証拠にはなりません.それが真実であると証明することは殆ど不可能でしょう.相互に相手の主張を認めようとする前向きの姿勢がなければ,相互の納得と合意はできません.そんな過去のまだらっこしいことより,米国は,イージス艦の情報共有のために日韓の軍事情報包括保護協定(GSOMIA)が必要なのであり(毎日新聞,2012.8.30),それを切望しているようです.野田首相はこの協定を拒絶しました.

李大統領は,この協定を道具に使って慰安婦問題の真実などどうでもよい米国を味方に付けたのではないのでしょうか.そして米国が味方についたことを確認したうえで,竹島上陸を行ったのではないのでしょうか.いろんなことがまことしやかに言われます.李大統領を取り巻くスキャンダル,選挙に向けて不人気の挽回,ポピュリズム・・それらもあるのでしょうが,米国が後ろ盾になれば韓国は日本には絶対に負けません.逆に日本は絶対に勝てないでしょう.李大統領は,ポピュリストどころか,非常にクールな思考の基に一連の行動を行ったと,私には十分推測ができます. こういう視点から,もう一度上記のアーミテージの言葉を考え直してみると,「我々は,慰安婦や竹島に関する真実などどうでもよい.韓国は自国の正義のために我々に○○を支払った.日本が韓国よりもっと高く支払えば,いつでも正義は日本のものだ」,こう言っているように聞こえます.

米国の誘いに乗って,韓国と日本が正義の買い値をつり上げてゆく.それが両国民にとって本当に望ましい結果を生むかどうか,それはよく考えてみる必要があります.しかし,いずれにせよ,近視眼的な視野ではなくて,上記のアーミテージの言葉からこういったメッセージを読み取り,そのうえで冷静で俯瞰的,かつ人間らしい対処を日本の著名な政治家や外務省に求めることは,木に登って魚を求めるようなものでしょうか.

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新刊「プルトニウム消滅!」のご紹介

2012-09-04 12:19:55 | 原発・エネルギー

昨日(2012.9.3)「アゴラ」に「日韓関係を値踏みする米国の態度」として初めて投稿させて頂きました.私のブログも昨日立ち上げたばかりで,数行のご挨拶しか書いてなかったのですが,沢山のご訪問を頂き恐縮しています. 

ごく最近上梓した一般書「プルトニウム消滅!」をご紹介させて頂きます.

本書では,核廃絶と世界レベルでの脱原発をパッケージで行う新思考(具体的な方法)を示します.脱原発は一国でできても世界中でできなければ実質的に成功とは言えないと思います.例えば,日本で脱原発が成功しても,韓国には沿岸に21基,中国は2020年までに80基も予定しています.日本が止めても,韓国も中国も止めなければ,日本のもつ潜在的な危険性はさほど変わらないでしょう.

中国も脱原発して,総ての必要電力を再生可能エネルギーで賄えればそれは最高ですが,これから13億の国民の生活レベルを向上させ,世界中から食料を買い付け,そのエネルギーを供給していく熱意に燃えています.日本の人口の比ではないのです.それはちょっと無理でしょう.

 しかも,現在の軽水炉は核弾頭のプルトニウムを産み出します.社会形態の異なる米国や日本がいつでも核弾頭のプルトニウムを産み出す軽水炉をもっているのに,一方的に中国だけが止める筈はありません.両陣営の核抑止の軍事バランスがあります.脱原発をするなら両陣営が同時です.併せて核弾頭も消滅させねばなりません.脱原発という社会的行為は,ここまで考える必要があります.

殆どの人が知りませんが,人類は核弾頭をこの世から消滅させ得る実現性の高い技術をもっています.この技術は,同時に使用済み核燃料の消滅も可能にします.これについては,あらためて書くつもりです.

本書は,原発やエネルギー問題を切り口としていますが,科学がどれほど進歩しても,人間は真実を知り得ないこと,つまり“無知”であることをモンシロチョウから例証します(生物学).そして,無知つまり真実を見出すことのできない人間にとって民主主義とは何なのか,どのようにより善い社会を築くのか(公共哲学)を考えます.そして,経済学が単に人,物,金を扱う学問ではなく,人間の“生き様”の学問であることを述べます.

マイケル・サンデル教授のハーバード白熱教室(NHK ETV)で,解説をされた小林正弥教授(千葉大学公共哲学)が序文を書いてくださいました.喫緊の原発の話題だけでなく,人類は今後どのように生きていくのか,どういう姿になるのかを示しています,その姿を見たい方,関心のある方に本書をお勧めします.

一般書店では殆どおいてないのでご注文いただくか,インターネット書店か展望社(出版社)でご注文ください.

本書のご案内(展望社)

【書名】プルトニウム消滅!脱原発の新思考【著者】森中定治【刊行】2012年6月22日【頁数】238 pp.【定価】本体価格1400円+税【ISBN】978-4-88546-242-9

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【目次】

本書に寄せて 小林正弥(千葉大学大学院人文社会科学研究科教授・地球環境福祉センター長),みちしるべ,まえがき

第一章   恐竜理論

K-T境界,恐竜理論,ネズミを捕るのに虎を飼う,現在の原発の致命的な欠点,プルトニウム・核廃棄物の処理方法を模索する

第二章  プルトニウム消滅!

古川和男氏との出会いと別れ,熔融塩原子炉(熔融塩炉)の特性,プルトニウム熔融塩とトリウム熔融塩,半分しか知らない原発,プルトニウム消滅!熔融塩炉の大きな目的,オバマ大統領のプラハ演説

第三章   エネルギーをどうするか

なぜ経済を考えるのか,お金とは何か?生命と富,収益と求心力,脱原発の新思考

第四章    公共の土俵に上げる

真実の色,公共の土俵に上げる,ポジション・トーク,科学と科学者,第一章から第四章までのまとめ

終章 環境なくして人間なし 人間なくして経済なし

人類の夢,人類の盾 あとがき

生命,そして人間の正義--最初の読者より 島田和子(株式会社JAIA代表取締役),引用・参考文献

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