発覚

父親の帰りが遅いから
少年は　ひとりで風呂に入る
母親は　メールに電話　
後片付けに忙しい
風呂に入っていると　小さな妹が
イタズラして戸を開けた
少年は怒鳴って　妹を泣かせた
　　　　　　　　　　風呂から上がると　母親に
　　　　　　　　　　妹を泣かせたと叱られた
　　　　　　　　　　少年は謝ってすぐ　
　　　　　　　　　　自分の部屋に入ってゆく
　　　　　　　　　　少年の背中に向かい　怒った妹に
　　　　　　　　　　「お兄ちゃんダイキライ」と　言われたけど　
　　　　　　　　　　そのまま黙って部屋の中

夜中に目が覚めた少年
父親が風呂に入っていた
風呂の前に立っていたら　
父から声をかけてきた
一緒に入ろうと　誘われたから
嬉しくなって入った
狭いバスタブの中　父と２人の時間
　　　　　　　　　　妹を泣かせた話をされ
　　　　　　　　　　理由が言えずに黙っていた
　　　　　　　　　　父親は問い詰めなかった
　　　　　　　　　　体を拭いている時に　父親に見つけられた　
　　　　　　　　　　あちこちのアザを・・・
　　　　　　　　　　父親から質問されて
　　　　　　　　　　答えたくても　言葉が出てこない少年

父親は　その日　少年に学校を休ませた
父親は　その日　午後から家に帰って来た

　　　　　　　　　　母親は動揺して泣いた
　　　　　　　　　　父親は学校に電話した
　　　　　　　　　　今から行くと言ったけど
　　　　　　　　　　担任も校長もいない
　　　　　　　　　　それでも行くと言ったら　教頭が出て
　　　　　　　　　　教頭と話すことになった
　　　　　　　　　　職員室から離れ　校長室の中で・・・

その日から始まった　少年と家族の長い日々
その日から始まった　閉鎖社会との闘いの日々