中西正男の「ご笑納ください」

デイリースポーツで13年半、芸能記者として勤務。現在は朝日放送「おはよう朝日です」などに出演させていただいております。

マンスリーよしもと。

2013-02-25 19:54:34 | Weblog
吉本興業の月刊誌「マンスリーよしもとPLUS」が休刊することになり、今日25日、吉本興業大阪本社で概要を説明する会見が行われました。

1981年4月に「マンスリーよしもと」として創刊され、2009年にリニューアル。これまで計386号が出されました。


多くの人気芸人を輩出するきっかけともなった企画「男前ブサイク芸人ランキング」が近年のヒット企画となりましたが、当たり前といえば当たり前ながら、吉本の芸人さんにとっては、一番身近な雑誌でもありました。

各劇場の一カ月の出番表なども掲載され、駆け出しの芸人さんにとっては、自分たちの名前が印刷物に載っているということ自体が喜びであり、励みにもなったと聞きます。

そして、もう少し段階が進むと、ほとんどの場合、芸人さんが初めて取材を受けるのが同誌。芸人としてステップアップしていく過程で、メディアとの付き合いというのは“必須科目”となりますが、その勉強をさせてくれるのが「マンスリー―」だったとも聞きます。

また、同誌で連載をしていた西川のりおさんは、コラムを通じて自分の考えを文字にしていくトレーニングを積み、それが後にベストセラーになる小説「オカン」につながりました。

さまざまなうねりを生み出し続けた同誌ですが、一言でいうと、一定の役目を終えたということで、今回、区切りをつけることになったそうです。

創刊当初はもちろんのことインターネットなどなく、劇場にどんな芸人さんが出ているのか、その情報を得る術も限られていました。月に一回でも、その情報が載っているものが出ることに大きな意味がありましたが、今は芸人さん個人がツイッターなどで刻一刻と情報を発信し続ける世の中になりました。

会見には、81年の創刊時に編集長を務めていた初代編集長と、(休刊とはいえ)結果的に最後となるであろう現在の編集長が出席されましたが、寂寥感というよりも、ネット社会に適応するための発展的休刊という雰囲気で、明るい会見となりました。

考えてみたら、同誌もそうですけど、吉本の歴史はメディアの歴史と似通った動きをたどっているものなのですね。

入場料をとって劇場で芸人さんを見せるのが収入の根本の根本だった時代に、無料で芸が聞けるラジオに芸人を出すという“タブー”に出たことが、ファンの激増につながり、劇場運営にも飛躍的なプラスをもたらした。

その後も、テレビの興隆とうまくマッチして日本中に吉本ブランドを広めていきました。

今回は、雑誌メディアというものがなかなか難しいという今の流れをあらわすような形にもなりました。

入れ物によって、形を自由自在に変えられる水のような存在であることが、吉本が100年もの間続いてきた一番のポイントなのかもしれませんね。

せっかく会見にも出席したし、何か書かないといけないと思うあまり、本当に面白くないことを長々と、しかもそこそこ偉そうにつづってしまった戒めとして、晩御飯に行ったスシローで乾き気味のネタを二皿とった38歳。




三浦マイルドさん。

2013-02-12 20:48:38 | Weblog
ピン芸人ナンバーワン決定戦「R-1ぐらんぷり2013」で、三浦マイルドさんが優勝しました。

トップバッターという不利が、予想以上に重くのしかかったのか、僕が本命に推していたいた岸学さんは敗退してしまいましたが、対抗に推していたアンドーひであきさん、注目として名前を挙げたヒューマン中村さんを最終決戦で退けての優勝は、予想を外してしまった僕の気恥ずかしさも忘れさせてくれるくらい、見事の一言だったと思います。

マイルドさんとはメッセンジャーあいはらさん、たむらけんじさんら懇意にさせていただいている芸人さんを通じて、何度も酒宴をともにさせていただき、旅行にも一緒に行かせてもらいました。

普段は芸名のごとくマイルドで、決して押しの強い感じではありませんが、お酒が入ると一転、マイルドがワイルドに一変します。

しかも、スギちゃんのようなマイルドなワイルドではなく、西部劇に出てくる荒くれ者のようなホンモノのワイルドが顔をもたげます。

芸人仲間でお酒を飲む時は、どんどん酔っぱらっていって、狼藉が目立ってくるマイルドさんをあの手この手でたむらさんが成敗するのがいつものお約束。

そのムーブが定番になるくらい、マイルドさんのワイルドぶりは仲間内では有名です。

ただ、「昨晩はホンマに面白かったなぁ」とたむらさんとマイルドさんのバトルを振り返る芸人仲間をよそに、ほとんどの場合、マイルドさんには前日の記憶がありません。

芸として、ノリとして、“プロレス”としてバトルを展開しているのではなく、本気で酔っぱらってどんどん崩れていくマイルドさんのリアルさが、たむらさんの成敗に痛快さを加えているのでしょうが、バトル翌日の本人はいつもいたく反省しています。

そんなところにも表れる“ちょうどいい狂気”を内包していることが、マイルドさんの面白さの根底にあるのかもしれません。

近年は、テレビ番組などにも少しずつ出演するようになったものの、百貨店の食品売り場でハムの試食提供するアルバイトをずっとされてきました。

決勝戦1本目のネタ「広島弁講座」の中で「買う気もないのに、試食するヤツ、ぶちまわすぞ!!」といったフレーズがありましたが、あれは絵空事ではなく、しっかりと日々の生活から生まれた心の叫びだったんだと思います。

そこに実があるからこそ、たむらさんとの泥酔バトルよろしく、見るものに面白さを感じさせるんだろうなと感じました。

マイルドさんといえば、自らの名前を冠したギャグ“マイルドフラッシュ”が代名詞的な役割を果たしてきましたが、今回の「R-1」ではそれを封印。

独特のだみ声と、独特の頭髪を生かした“マイルドフラッシュ”という武器を使わずに、ある意味、余力を残した優勝は可能性を感じさせもします。

ルックス、世界観、ネタの内容、声質、プライベート…どれもマイルドではないマイルドさんがスターへの切符を手に入れ、どこまでポップに、かわいらしく売れていくのか。注目されます。

“マウントポジションからのマイルドフラッシュ”を見ると、その日一日ゴキゲンな38歳。


R-1ぐらんぷり2013

2013-02-12 14:24:00 | Weblog
今晩、ピン芸人ナンバーワンを決定する「R-1ぐらんぷり2013」の決勝戦が行われます。

Yahoo!さんでのコラム「なにわ芸能かわら版」でも優勝予想をつづらせていただきましたが、僕は

本命・岸学
対抗・アンドーひであき
注目・ヒューマン中村
大穴・プラスマイナス岩橋

このように見ています。

ネタの委細や実績などについては、誠に恐縮ながら、「なにわ―」を見ていただけましたら幸いですが(ずぼら)、一言でつづると、テクニック、インサイドワークも兼ね備えたハードパンチャー・岸さんの総合力が頭一つぬきんでているかなと。

アンドーさんは精密機械のように正確に相手の急所にパンチを当てて仕留める完成されたボクサー。ムラのない戦いで、必ずや上位に絡んでくるはずです。

ヒューマンさんは、いつの間にポイントを取っていて、気づいたら判定勝ちの山を築くようなアウトボクサー。

岩橋さんは、完全ノーガードながら、生まれつきの力だけでひたすら殴りに殴るファイトスタイル。ピンとこない方は、漫画「範馬刃牙」に出てくるピクルの戦いぶりをご参照願えましたら幸甚と存じます(ずぼら)。

もちろん、上記の皆様以外にもたくさん素晴らしい方々がエントリーされてますし、例年以上に、群雄割拠と言えます。

真冬の熱い戦いを、手に汗握りながら見守りたいと思います。

本当なら、寒い季節ですし、贅沢ながら、てっちりと熱燗で一杯やりながら見るなんてことをしたら、一番楽しいのかもしれませんけど(づぼらや)

中山美穂に言われずとも、WAKUWAKUする38歳。


メッセンジャーあいはらさん。

2013-02-03 11:56:16 | Weblog
昨晩、大阪・ワッハ上方のレッスンルームで行われたメッセンジャーあいはらさんのイベント「メッセンジャーあいはら講演会」に出演させていただきました。

あいはらさんが2~3カ月に1回のペースで行われているイベントで、毎回拝見してはいたのですが、初めてこのイベントの舞台に上がらせてもらいました。

あいはらさんには、読売テレビ「なるトモ!」でご一緒したことがきっかけでお世話になるようになりまして、今で7年半くらいのお付き合いになります。

お付き合いが始まってから、ありがたいことに、2週間会わないことはないペースでお酒を飲ませてもらう中で、ありとあらゆることを教えていただきました。芸人さんとか、一般人とか関係なく、僕が一番お世話になっている大人と言っても過言ではない方です。

これまでも、たくさんの方が出演するあいはらさんの他のイベントには何回も出演させていただきましたが、この日のイベントでは“ぱらラジオ”という設定で、あいはらさんと二人だけであれこれしゃべらせていただく内容でした。

芸能ニュースを中心に、あれこれお話をさせていただきました。お金を払って来てくださっている方々の前で、お話をする。重圧はすさまじいですが、ここでしかできない経験、勉強をたくさんあさせていただきました。

昨年9月末でデイリースポーツを辞めて、ありがたいことに、10月から井上公造さんのもとで新たな仕事をさせていただくようになりました。

さらにありがたいことに、朝日放送「おはよう朝日です」に月曜から木曜まで出演させていただくという、分を超えた有り難さの極みみたいなお仕事をいただき、皆さんのおかげで現在にいたっています。

昨年を境に、スポーツ新聞記者から、テレビ、ラジオ、イベントなどに出演させていただくことが本業に変わりました。

そんな中、昨晩のような場にお声がけをいただけることの有り難さを、さらにかみしめました。

また、8日には大阪・十三のシアターセブンでケツカッチン・高山さん、同志社女子大学教授の影山さんとのトークイベント「悪魔三乗」をさせていただきます。

こちらも、僕が新たな局面に差し掛かった時に頂戴した有り難すぎるお話でした。

昨年から今年にかけて、感謝しかない流れが続いています。

皆様に報いるためにも、しっかりと感謝を胸に、お仕事を頑張っていこうと思います。

ノペーッとした文面で恐縮ながら、久々にブログを更新したので、まずは皆様への感謝の思いをつづらせていただきました。

お時間のある方は、過去の記事を見ていただけましたら幸甚ですが、基本的には、食べること、面白いこと、腹立たしいこと、下世話なことなどを気楽につづってきましたので、気楽に見ていただけましたらうれしいかぎりです。

おかげ、おかげのげで暮らす38歳。