中西正男の「ご笑納ください」

デイリースポーツで13年半、芸能記者として勤務。現在は朝日放送「おはよう朝日です」などに出演させていただいております。

三浦マイルドさん。

2013-02-12 20:48:38 | Weblog
ピン芸人ナンバーワン決定戦「R-1ぐらんぷり2013」で、三浦マイルドさんが優勝しました。

トップバッターという不利が、予想以上に重くのしかかったのか、僕が本命に推していたいた岸学さんは敗退してしまいましたが、対抗に推していたアンドーひであきさん、注目として名前を挙げたヒューマン中村さんを最終決戦で退けての優勝は、予想を外してしまった僕の気恥ずかしさも忘れさせてくれるくらい、見事の一言だったと思います。

マイルドさんとはメッセンジャーあいはらさん、たむらけんじさんら懇意にさせていただいている芸人さんを通じて、何度も酒宴をともにさせていただき、旅行にも一緒に行かせてもらいました。

普段は芸名のごとくマイルドで、決して押しの強い感じではありませんが、お酒が入ると一転、マイルドがワイルドに一変します。

しかも、スギちゃんのようなマイルドなワイルドではなく、西部劇に出てくる荒くれ者のようなホンモノのワイルドが顔をもたげます。

芸人仲間でお酒を飲む時は、どんどん酔っぱらっていって、狼藉が目立ってくるマイルドさんをあの手この手でたむらさんが成敗するのがいつものお約束。

そのムーブが定番になるくらい、マイルドさんのワイルドぶりは仲間内では有名です。

ただ、「昨晩はホンマに面白かったなぁ」とたむらさんとマイルドさんのバトルを振り返る芸人仲間をよそに、ほとんどの場合、マイルドさんには前日の記憶がありません。

芸として、ノリとして、“プロレス”としてバトルを展開しているのではなく、本気で酔っぱらってどんどん崩れていくマイルドさんのリアルさが、たむらさんの成敗に痛快さを加えているのでしょうが、バトル翌日の本人はいつもいたく反省しています。

そんなところにも表れる“ちょうどいい狂気”を内包していることが、マイルドさんの面白さの根底にあるのかもしれません。

近年は、テレビ番組などにも少しずつ出演するようになったものの、百貨店の食品売り場でハムの試食提供するアルバイトをずっとされてきました。

決勝戦1本目のネタ「広島弁講座」の中で「買う気もないのに、試食するヤツ、ぶちまわすぞ!!」といったフレーズがありましたが、あれは絵空事ではなく、しっかりと日々の生活から生まれた心の叫びだったんだと思います。

そこに実があるからこそ、たむらさんとの泥酔バトルよろしく、見るものに面白さを感じさせるんだろうなと感じました。

マイルドさんといえば、自らの名前を冠したギャグ“マイルドフラッシュ”が代名詞的な役割を果たしてきましたが、今回の「R-1」ではそれを封印。

独特のだみ声と、独特の頭髪を生かした“マイルドフラッシュ”という武器を使わずに、ある意味、余力を残した優勝は可能性を感じさせもします。

ルックス、世界観、ネタの内容、声質、プライベート…どれもマイルドではないマイルドさんがスターへの切符を手に入れ、どこまでポップに、かわいらしく売れていくのか。注目されます。

“マウントポジションからのマイルドフラッシュ”を見ると、その日一日ゴキゲンな38歳。


R-1ぐらんぷり2013

2013-02-12 14:24:00 | Weblog
今晩、ピン芸人ナンバーワンを決定する「R-1ぐらんぷり2013」の決勝戦が行われます。

Yahoo!さんでのコラム「なにわ芸能かわら版」でも優勝予想をつづらせていただきましたが、僕は

本命・岸学
対抗・アンドーひであき
注目・ヒューマン中村
大穴・プラスマイナス岩橋

このように見ています。

ネタの委細や実績などについては、誠に恐縮ながら、「なにわ―」を見ていただけましたら幸いですが(ずぼら)、一言でつづると、テクニック、インサイドワークも兼ね備えたハードパンチャー・岸さんの総合力が頭一つぬきんでているかなと。

アンドーさんは精密機械のように正確に相手の急所にパンチを当てて仕留める完成されたボクサー。ムラのない戦いで、必ずや上位に絡んでくるはずです。

ヒューマンさんは、いつの間にポイントを取っていて、気づいたら判定勝ちの山を築くようなアウトボクサー。

岩橋さんは、完全ノーガードながら、生まれつきの力だけでひたすら殴りに殴るファイトスタイル。ピンとこない方は、漫画「範馬刃牙」に出てくるピクルの戦いぶりをご参照願えましたら幸甚と存じます(ずぼら)。

もちろん、上記の皆様以外にもたくさん素晴らしい方々がエントリーされてますし、例年以上に、群雄割拠と言えます。

真冬の熱い戦いを、手に汗握りながら見守りたいと思います。

本当なら、寒い季節ですし、贅沢ながら、てっちりと熱燗で一杯やりながら見るなんてことをしたら、一番楽しいのかもしれませんけど(づぼらや)

中山美穂に言われずとも、WAKUWAKUする38歳。