備忘録

舞台の感想を書いています。(ネタばれ有り)Twitterはdacho115。

『The phantom of the opera』@Leeds UKツアー新演出版 本編編

2012-08-18 02:24:59 | 他言語ミュージカル
新演出のため、ネタバレ注意

(承前) 前回、Her majestys で観たJOJ@怪人の感想はコチラ

また、結構な人がこの新演出は観に行っているので、完全に自分の記録用レポ。
しかし、新演出だったツアー版レミゼも地方ツアーで同じ主役様なのに、ここまで多くの人が遠征しているのは、作品の知名度?それとも、主役様の日本観劇ファン内でのブレイク(笑)、発信ツールの発展(Twitter等の普及)のため?勿論、レポを書かない潜在的ファンの方が多いとは思うけど。


“プロローグ“
オケによるオーバーチェアもなく、袖から登場するオークショニアの台詞でスタート。
って、元々、始まる前って、いきなり『落札』だっけ?と、オリジナルの記憶が既に適当。

オークションは進み、サルゴール登場。七枚の花びらで構成される蕾のような入れ物に、猿が仕舞われており、開くと倒れていた猿が起き上がり、シンバルを叩く。
それを落札するために、興奮して立ち上がるラウル。"ラウルが立った!"とハイジな気分。よく観ると車椅子でもなく、老けメイクでもなく(ヒゲくらいはあったか?)、介添え人もおらず、普通にスローテンポな動きで物思いに耽る子爵。上手に車椅子にのったマダムが居た事に気づく。
なお、個人的にこの時点でのラウルが劇中で一番格好良いと思う。

そして、666番のシャンデリア紹介。勿論、布に包まれた状態で、普通に吊り下げられ、『ちょっと灯りを』でピカピカ光り、上昇。
で、この時、前方に座る皆さん振り返り、かなりの確率でラウルの懐古演技は無視される。
なお、車椅子にのったマダムに会釈され、アイコンタクトするものの呆然と立ち尽くすラウル。
セットは片され、ドライアイスに映された蜘蛛の巣が取り払われる映像など、幻想的に。そこにバレエダンサーやさっきまで、車椅子だったマダムが俊敏に動き周り、曲の"ダ、ダン"に併せて、杖を鳴らすマダム。結構、ギリギリまで舞台にいて、次の曲が始まると、俊敏にはけるラウル。

“ハンニバル“
無駄にリアルな生首を持って、カルロッタ登場。巻き舌で歌い上げた後、下手に用意された箱に入れて、ハンニバルスタート。この時、客席下手からマダムとレイエ登場。なんかゲネプロっぽい雰囲気に。
その後、ピアンジも荷台に載せられ、登場するが、サビの部分で剣が抜けず、抜けたら、刃が無く取っ手のみ。この後、小道具係に説明するマイムあり。

アンドレとフィルマン登場。妙にカルロッタにフレンドリーなアンドレ。で、フラレル(笑) アリアを聞かせようとして始めるも、レイエに一度引き直しをさせてから、歌い始める。あからさまにゆっくりなので、モデラートの意味が分かりやすい。

すると、重しが上から降ってきて中断。カルロッタがボイコット、ピアンジに『行きましょう』と、いきなり振られ、『俺も?』となる中、退場。そして、ルフェーブルもマントを翻し退場。結構前から懐中時計で時間は気にしてはいる。

“スウィンク オブ ミー“
マダムご指名でクリスティーヌが歌うものの最初は自信なさげだが、段々、確信を持って歌い始め、客席を劇中劇の客席にして、本番に。それと同時に両脇にボックス席登場。上手二階にラウルがスタンバイし、ブラボーと。
その後、白い鬘を被ったスタッフが花束を渡し、背景に幕が降り、舞台奥が客席に。バレエダンサー達の黄色い歓声(本当にキャッキャッしているのが聞こえる)と供に集まり、それを一蹴するマダム。なお、渡された花束は鬘を外したスタッフがむしり取るように回収。
ブラボーの声と、共に履ける謎の大道具さん。顔を隠し、かなりいわく有りげで去る。問題はこれが、怪人役者本人なのか否か。所詮、体型では判断がつかないJOJファン。
歌わなきゃ分からんがな。

“エンジェル オブ ミュージック“
舞台奥の幕が上がると楽屋に。他のアンサンブルと楽屋は一緒らしく、衣装係も登場。ハンニバルの時には、存在が薄かったので、居たのね、と。

で、メッセージに気づき、ラウルが後ろ手にバラ一輪を持ち、待つものも待ちきれず、楽屋に入る。『キャッ!』という、『のび太さんのエッチ!byしずかちゃん』という大変にベタ過ぎる展開の後、あのラウルと気づき、意気投合。

“ザ ミラー“
ラウル、一旦出た後、鏡に写る怪人。そのまま、攫われる。何も知らないラウルは『かくれんぼかい?更衣室かな?』と、カーテンを開けるが(覗き見は良くないけど)バラ一輪が落ちているのを見つけ、二回程、クリスティーヌの名前を呼び、そのままドヤ顔で去る。『エンジェル』とは言わない。

ちなみに、オリジナルの、この“エンジェル“ってクリスティーヌの事かと思っていたが、“音楽の天使=怪人“のことでは?と言われて、目からウロコになる初心者。ま、この時点で、これは音楽の天使の仕業だ! なんて思わないだろう、普通。

“オペラ座の怪人“
筒状のセットの外観を降りる二人。一段を降りる度、3つずつ階段が出てくる。途中、腰の辺りをいじると、命綱が外れる。怪人が一瞬、腹周りを気にしたのかと。クリスティーヌは結構自然に離す。
その後、お約束の船に乗り、ベッドに寝かす怪人。催眠状態?その際、垂れた前髪をかきあげ、従来のオールバック風味に。ちなみに、なんかこの仕草が妙にナルっぽい。

“ミュージック オブ ザ ナイト“
黒いリボンでクリスティーヌを目隠しをする怪人。この後、オケピの方に歩いていくが、落ちる寸前で止まる。

“怪人の隠れ家“
その後、オルガンを叩きつけ、支配人への手紙を書く怪人。そして、怪人自らがマスクを外し、布を当て手当て(薬を塗る)するのだが、あまりにその描写がリアルでちょっとタオルお手拭きで、顔を拭くオヤジ風味。

そこで、空気を読まないクリスティーヌが置いてある仮面を取り、話しかけ、素顔を観てしまい、つい、そのまま仮面を持って逃走。

怒った怪人が叫び、返すよう懇願(はって、にじりよりはしない)、そして、取り替えした後、強引に手を引き退場。
このシーンでの喜怒哀楽を表現する怪人はやはり圧巻。若干、感情過多ではあるが、引き込まれる。

“舞台裏“
ブケー、上から重石をおとして、バレエガールを脅かす。オリジナルの談話テイストから、上からドッキリテイスト。

“支配人のオフィス“
支配人のオフィスが登場。筒状の下半分が開くのだが、なんか場面と相まってコミカルな装置に。このシーンで指揮者の飛び跳ね度は半端ない。
なお、フィルマンとアンドレが入ってくるときに、傘立てに傘をいれたりと妙に細かい。

“イルムート“
五番のボックス席から真剣に舞台を見つめるラウル。勿論、可笑しいシーンでは笑っているので、真面目な観劇態度。カルロッタの声がおかしくなり、バレエに。
怪人の影が舞台背後に投影されるのだが、これが映像のため、動きがリアル。
その間、上手でロープで首を絞められるブケー。初登場と同じ大道具さん風味の衣装に前髪垂らし仮面を付けた怪人が殺害。

“オペラ座の屋上~オール アイ アスク ユー“
クリスティーヌ屋上へ、それを追いかけるラウル。雪が降りしきる中、ラブラブな二人。退場後、雪は止み、石像の陰から、登場する怪人。キラキラしているのは、決してオーラでなく、降っていた雪だと思うが、嫉妬をこじらせ暴走。

そして、カテコ中に五番ボックスに侵入し、火花が出るステッキを振り下ろし、シャンデリアを爆発させる怪人。シャンデリア自体は前から七列目くらいの頭上にあるのに、前から二列目くらいに落ちてくる破片。普通に観客が悲鳴をあげる。観客がシャンデリアに注目するなか、律儀にセット崩れ落ちる映像が投影され、シャンデリアだけでなく、舞台そのものがドリフのコントのように崩壊。

“アントラクト“は演奏あり。開演前のオーバーチェアはこっちと勘違いしてるかも。

“マスカレード“
フィルマンとアンドレがカラスの嘴のように長い鼻を被り、お互いを確認。なお、1日は鼻と鼻をくっつけ、ETの友達の表現し、仲の良さを観客にアピール。何故、この二人で薄い本は出ないのか、と。ギャグ本とか。

特に階段もなく平坦な舞台で踊るが、途中、仮面を付けた黒天使のような人達がチューチュートレインをやったり、クリスティーヌをリフトするため、何処の"赤いブーツ"を待っている少女かと。
振り付けも従来の振り付けでなく、ヨガのような柔軟な動きに線対象な動きがミステリアスな雰囲気に。
とりあえず、一生懸命踊るアンドレを二回とも追っていたため、ラウルのプロポーズを見逃した。

で、後ろの扉から、赤い衣装の怪人登場。仮面を取っても仮面というお約束な事をした後に、二本くらい火柱を上げて歩いて退場。かなり暑さを感じる。

マダムにより、怪人の幼い頃回想。影絵で雇い主を殺す処までを表現。サーカスの歓声まで再現し、微妙にリアル。

“支配人のオフィス“
過剰なプレッシャーを掛けられ、耳を塞ぐクリスティーヌ。そこにラウルが慰めようと傍によるものの、逃げようとしたクリスティーヌの手がラウルに当たる。ただ、結構凄い音がするため、一瞬、ラウルを殴ったような錯覚に。
2日目に見た時は、思い切り殴ってた。多分、アンドレ辺りと勘違い。いや、アンドレ好きになりかけているので、むしろ叩かれたアンドレの反応が見たいのですが。

“ドンファン リハ“
ピアンジがかなり哀れに。まず、おずおずと膝をつく処からスタート。もう、この時点でかなり可哀想なのだが、間違えるとアンサンブルから一斉に突っ込まれ、レイエもひたすら最初の音を繰り返し、カルロッタからもダメ出しを受け、ここまでピアンジが可哀想に思うとは。
自動ピアノの鍵盤は動かないのに、火柱が立つ仕様と、怪人何故にそんな改良を施す、と。そこまで出来るなら、鍵盤も動かそうよ。

“墓場にて“
ドンファンのリハ用のセットがクリスティーヌ父親の墓に。って、ドンファンのどのシーンにあの十字架が?単に脇にあった大道具?で、歌い終わると、ファントム上手から登場。
また、上手袖からもラウルが登場し、同じ舞台上で歌う。その後、マジシャンの如く、火柱をあげ、最後には五本一気に上がり、かなりの熱さに。
なお、小型爆弾を投げているらしいが、それを目視出来る席ではなかった。

"ドンファン 開演前"
オケに警備員がスタンバイし、軽く指揮者とアイコンタクト。
で、予定通り五番ボックスに現れるため、オケに待機している警官が撃つが、この距離で観ると、かなりびっくり。

“ドンファンの勝利“
さっきまで可哀想だったピアンジがエロオヤジに。

"ポイント オブ ノー リターン"
入れ替わりで怪人登場。冒頭はオペラチックに歌っていたが、途中から地で歌う。で、目隠しで、ビクッとなり異変に気づくクリスティーヌ。
フードを思い切り脱がされ、追い詰められ、机を駆け上がったりとアクティブに逃走するファントム。そして、クリスティーヌを連れ地下へ。

追いかけるラウル。”POTO”の時のように、突き出る足場で降りるが、降りるとその足場が無くなるため戻れない。なお、命綱は自然に外す。

”怪人の隠れ家”
地下に行くものの、あっさり捕まるラウル。そして、選べとなり、怪人にキスをするクリスティーヌ。一度、キスをした後に懇願のため抱きつく。

ここからの狼狽と動転、クリスティーヌの有り得ない行動に戸惑う姿が妙にリアルな怪人。感情過多な怪人と思う由縁なのだが、本当に何が起こったのか分からないといった動き(行動パターン)。その後、銃で縄を切り、ラウルを解放し、一人で佇む。そこにクリスティーヌが戻り指輪を返すが、その後のロングトーンを伸ばす伸ばす。

で、メグ登場で、警官も現れる。年貢の納め時と思い、フードを被る。と、メグが警官から庇う形で、背後から抱きつくが、ふっと怪人は消え、仮面だけが残る。この辺の報われない片思い路線にLNDの布石が。

キャスト、新演出感想は文字制限にひっかかり、次項

コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 『Rock of age』@London | トップ | 『The phantom of the opera... »

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。

他言語ミュージカル」カテゴリの最新記事