備忘録

舞台の感想を書いています。(ネタばれ有り)Twitterはdacho115。

『レベッカ』(Stuttgart)

2011-12-30 21:53:12 | 他言語ミュージカル
“Prolog“
私が歌い出すと崖の上から見た波映像。(決して東映のような水平線で波打ち際ではない)そして、マンダレイの屋敷が映され、一方で焼け跡の廃墟セットが登場。その後、私や使用人達が歌う中、黒衣のダンヴァースが私をまじまじと見つめながら去っていく。そして、ホテルのロビーセットへ。

“Du wirst niemals eine Lady“
私がマキシムの机に座るきっかけの、飲み物を机にこぼすというシーンだが思いっきりテーブルクロスに座り、『そんな座り方すれば、誰でもこぼしますがな』というドジっ子ぶり。
この後もバタバタ歩きなど、なかなか可愛い路線を突っ走る私。(それが可愛いのかは別にして)

“Hochzeit“
注目すべきは新婚旅行。全て映像で処理。だが、かなり写実的な絵と立体的に上手く投影。

“Die neue Mrs. de Winter“
使用人ソングの振り付けは『エリザ』のアンサンブル的振り付け。
そして、ダンヴァース登場。ドスを利かす低音でなく、Pia独特の音域なのだが、それでも、存在感のある特徴的な声。

屋敷セットの壁は上からパネルが降りてきてそれに投影するのだが、かなりスムーズに動くため、書き割りのよう。それで全て賄うのだが、全く違和感なし。ホリプロの『WIW』でここまでのセット技術があれば、良かったのにと思う。

“Sies fort“
ベンのボートハウスが微妙にリアル。特に崖の迫り具合とか。でも中には入れない仕様。階段はお屋敷とは別。勿論、人が昇り降りできる。

“Merkwurdig“
まさかのゴルフ世間話ソング(Wir sind britisch)がカット。こちらと差し替え?内容的には仮装舞踏会の話題+フランクソロがあるので、フランク好きならおいしい?

“Im an American woman“
アメリカンウーマンであの階段がフルで使用されるが、結構上まである階段。ジュリアン大佐がハゲのお爺ちゃん。実は退役軍人設定?アンサンブルのダンスもこれが一番派手。

“Final erster Akt“
一幕ラストの『レベッカ~』の迫力がすごいダンヴァース。仮装舞踏会でレベッカの衣装を用意しときながら大変に大人げない“してやったり感“とそれでいて“私なんて目じゃないわよ“という演技に実際はしていないのに『ガラカメ』の“月影先生“系の高笑いの幻聴が聞こえるダンヴァース。


二幕。

“Rebecca“
二幕のレベッカ。バルコニーから歌うが、アーチ状のテラスに実際カトレアが生い茂る。それに映像も追加。ここでは私も一緒に歌うがダンヴァースに結構負けてない。そもそも声質が違うので被らないし。

“Strandgut“
そこに遭難信号の花火が聞こえ、遭難ソングに。
フランクがセンターであの綱引きダンスをやるが間近で見ると面白い。若干、他のアンサンブルとのズレが。それにファベルも加わり、あの生・高笑い(今度は本当に聞こえた)。

“Mrs. de Winter bin ich!“
私の逆転ソング。まず、アンサンブルによるレベッカ私物整理ソングが入るのだが、この振り付けがナイス。そして、『ワタスが新しいダンヴァース夫人よ~』と言わんばかりに気持ちよくレベッカ私物を捨てていき、最後には天使の像の首をもぎとってから(正確には取れた、なおかつ壊したのは私で一生懸命、使用人がくっつけたのに)箱の中にガッシャーン。一幕を観たときには、私を応援したくなったのに、私の高飛車加減に見事にダンヴァース派になる一曲。
でも、私とダンヴァースがハモると、ダンヴァースパートが聞こえるのは声量のためか、マイクのためか。

“Ich hor dich singen“
電話口でレベッカの病気のことを聞いているダンヴァースだが、その時の衝撃の事実から放火を決意するまでの表情の変化が真に迫っており、大変に見物。

そして、先ほどのカトレアセットに加え、舞台一面に生い茂るカトレア映像が入る。完全に甲子園の外壁状態。そして一部が赤くなり、火事を予兆。

“Jenseits der Nacht“
ロンドンから電車で帰るのだが、出てくる電車がCG。かなりリアルで遠近感もあり、この技術は凄いと思った。

そして、森の中を歩くのだが、彼方からオレンジの光が。

“Manderley in Flammen“
火事。最初はスクリーンに映しだされていた火の映像だが、松明を持った狂気に満ちたダンヴァースが三段おきくらいに火を付ける。そして、燃え広がるとシャンデリアが落ち、はじける。そして、幕にステージ一面に火の映像が映し出される。ここの迫力は凄かった。ここまで火を使用する舞台は初めて観た。ただ、残念ながら火達磨はなし。

“Epilog“
エンディングはショールを被り若干大人っぽい私と、少しロマンスグレーの入ったマキシムで幕。


私@Lucy Scherer。 Wietskeの私をずっと聞いていたので、最初はこのアイドル声(可愛い路線)が気になったが、それに見合う若々しい動作を観ていると段々とこういう私もありかな、と。

マキシム@Arvid Larsenチョビ髭マキシム。ソロもデュエットも悪くはないのだが、如何せん、マキシムとフランクとファベルとジェイルズが似ているので、見分けが。また、Uwe系の音域なため、自分にとって印象に残らず。

ダンヴァース@Pia Douwes 第一声は音域が高いな~と思って聞いていたが、段々キャラで引き込まれていき、レベッカでPia様と呼ばれる理由が分かった気がする。かなり、シシイを観たくなったし。

フランク@Jorg Neubauer “義務と誠実“よりも、遭難ソロと声と振りの印象が残った。ダンヴァースよりも偉い位置というのは納得な貫禄。

ベアトリス@Claudia Stangl 親戚の歌より、私とのデュエットの方が印象に残った。多分、こちらの曲の方が何度も聞いてるし、ハモリの美しさを認識しているからか?

ファベル@Hannes Staffler 胡散臭さがイマイチ。“持ちつ持たれつ“も結構大人しめ。歌っている最中、手をハート型にしているのが、ナイス。そして、本場のキャストより印象的な役をこなす吉野氏が凄いと思った。

ベン@Daniele Nonnis 話し方に特徴があるが、歌うと結構、美声で歌う。そこの変化は無いらしい。


アンサンブルの振り付けが結構、印象的。特に使用人になるとそれが顕著に。

K&L作品では地味の方かと思っていたが、セットが変わるだけでこんなにも印象が変わるとは。帝劇版でも結構派手になったとは思ったが、その考えが変わった。そして、ダンヴァースとマキシムのファーストが揃うのは何時のことやら。

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2 コメント

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Unknown (yukitsuri)
2012-01-13 23:17:15
ドイツ語版はここが初めてですか? なら初演キャストも恋しくないし、スペクタクル演出とかでけっこう楽しめましたよね。ルドルフみたいに、東宝もこれにすればいいのに~w 巨大カトレアやテルテル坊主みたいな影、いりません。

> 衣装を用意しときながら大人げない“してやったり感“

もともとワナですから(笑) また綺麗にはまってくれるんですよね!

> マキシムとフランクとファベルとジェイルズが似ているので、見分けが

ええ~っ! かなり違いましたよ。マキシムは細っこいし、フランクはちびだし、ファベルは押し出しなかなかだし、ジャイルズは恰幅よくて眼鏡掛けてるし。まあでも、ヒゲ男という点はかなり共通でしたか。
Arivid が Uwe 系の声だとは思いませんが… って音域だけか。高めの声だと印象薄くなるですか(^_^;?
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yukitsuri様 (dacho)
2012-01-14 02:10:39
クリエ版、帝劇版を観て、初めての海外版でした。
もちろん、動画サイトで断片は観てましたが。
2幕の舞台一面のあのカトレア演出はかなりインパクトがありました。

仮装舞踏会の件はダンヴァースの罠と分かってはいるのですが、あの時のPiaのドヤ顔(?)が忘れられません。

主要男性陣は歌うと声で分かるのですが、ぱっと観たときに判別が…。この辺は東宝版の方がキャラの押し出しが強いかな、と。
特にファベルはソファに昇らないし(笑)

『Uwe氏と同じ』と思ったなのは音域だけです。そして、高音域俳優はよっぽどの事がないと、耳が素通りする仕様になってます(爆)
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