備忘録

舞台の感想を書いています。(ネタばれ有り)Twitterはdacho115。

『ラブ・ネバー・ダイ』市村@怪人

2014-03-19 02:47:11 | 国内ミュージカル
(承前)
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"TIHYS"が終わり"コニーアイランドワルツ"の途中から、入場したため、途中からのレポ。


"あなただけに"
かなり韻を踏んだ歌詞。ミラクルを稲妻と訳したり。

"この10年"
新聞を読み、クリスがやってくる事を知るマダムだが、新聞記事にそんな事が書いてあるのか、甚だ疑問(記事が読める位置だったので)。

"クリス到着"
有名人枠が二組登場し、クリスがまだ船内に居るのか、二組目に尋ねるシーンも。
そして、クリス登場。
でも、桟橋を真っ先に降りるのはラウル。
やたらと、シャニュイ夫人を強調する子爵様。
グスタフにも、マイクを向けられるが、大変にたどたどしく応えるグスタフ。

"トリオの出迎え"
突然、降り出した雨の中(役者が傘をさすから分かる)、黒い馬車登場。馬は居ないけど。
馬車の裏にしがみつくガングル。一方で、車内から現れるスケルチ。どうやら、スケルチは車内に入れたらしい。

"コニーアイランドまで"
一節を歌い高台で佇む怪人とゴリラがミニサイズの馬車を押して現れるが、途中、車輪が引っかかったり。

"なんてひどい街"
譜面台に置いてある楽譜に興味を持ち、ピアノを弾くグスタフ。
何故か初見で弾けてしまうグスタフに、弾くのを止めるよう促すラウル。頭に響くから(二日酔い?)と、やたらと地球儀型のアルコールケースを開け閉めするアル中っぷり。

その後、バーで二人きりで会うというハマースタインからの偽の手紙を信じ、退場。
特にオルゴールを蹴ったりしないので、その辺のアル中度は低め。

"心で見つめて"
そんなアル中の父親に対し、外見で判断するなと言うクリス。
そんな無茶な。
グスタフを寝室に追いやると、オルゴールが動き出し、ベランダから怪人登場。
で、久々の再会なため、よろけるように気絶するクリス。
後の歌詞で分かるが、クリスは10年前に怪人が死んだモノと思っていたらしい。

"月のない夜"
クリスを起こし、デュエットスタート。
兎に角、クリスが高音でたたみかけるが、怪人はそれに地声で応える。

"遠いあの日に"
ベランダが回転し、昔話モード。主に、音楽の天使時代の思い出話な内容。

"お母様、怖い"
グスタフが走りながら、登場。
怪人に気づき、クリスに誰と尋ねたら、古いお友達発言。
この時の怪人の微妙な所在ナサゲな雰囲気が良い。特に、腕を組みつつ、手先を伸ばす謎のポージング。

怪人がグスタフを抱きかかえ、ベランダに立たせるが、クリスが慌てて止めたりと、かなり高層な部屋に泊まっている様子。
そのまま、『今度、コニーアイランドを案内しよう』と、ここのボス的発言をする怪人。

グスタフ退場後、クリスに一曲だけ歌うように言う怪人。この段階では、音楽の天使目線。歌わないと、息子がどうなってもいいのか?的脅迫も。
楽譜を押し付け、去っていく怪人だが、その楽譜をアカペラでハミングするクリス。
その時、指揮者を見ていたが、アカペラでも、指揮はするらしい。当たり前だけど。

怪人が退場すると、誰もいなかった、と怒って戻ってくるラウル。そこに『雇い主がミスターYに変わった』と意味深な台詞を呟くクリス。

"懐かしい友よ"
ステージでメグのリハーサル。実際、メグをリフトする練習まで見せるが、組体操は崩れ失敗。
それを見たマダムが『集中!』と、オリジナルを彷彿とする鬼コーチ振りを発揮。
そこに、クリスが現れ、有名人にキャッキャする踊り子達。
この四重唱はマダム以外は全力で掛け合いをしているので、なかなかの迫力に。

"とてもキレイ"
コニーアイランドの奥へ案内されるグスタフ。
ピアノがあったら、直ぐに弾くというパブロフ状態のグスタフだが、脳内に浮かんだメロディを弾いていると、怪人がある事に気付く。

それが、『10歳とは―!』に繋がる。

"美の真実"
今回の日本語版で一番気になった箇所。
UNDERNEATHは真実と訳す。
メロディーラインはWE版でなく、上がっていくAU版。
また、グスタフの台詞は訳さずイエス!という歌詞。

ラスト、二重カツラを仮面ごと取り、素顔を晒すが、悲鳴をあげ逃げ出すグスタフ。
これは録音かも?
その時のカツラがかなり、白髪。苦労したんだな、怪人。また、クレーターは書いてあるだけ。

"問い詰められて"
そこにクリスとメグが現れ、メグにグスタフを預ける。
一曲だけ歌ってくれと、改めて、クリスに依頼し、グスタフが自分の息子では?と問いかける。
ステージに誰もいなくなると、マダム登場。特に、手持ちの小道具は無いが、熱唱。オベリスクのフリークスもそれに呼応。

"なぜ僕を愛する?"
アル中ラウル再び。バーテンが朝番と変わるから、支払いをしろ、とせっつかされる。朝番のバーテンは特に、怪人と似た体型では無い。
そこにメグ登場。ラウルの事は、子爵呼び。揶揄?
泳いでいたというが、髪は濡れてないような。

で、メグ退場後、バーテンが屈み、立ち上がると、マスク付きの怪人登場。

"負ければ地獄"
サビはタイトルの様に訳す。
血は水よりも濃い的ニュアンスで、グスタフは自分の子をアピール。で、クリスが自分のために歌うと宣言し、ラウルのために歌わなかったら、借金の肩代わりを提案。

身長はラウルの方が高いが、雰囲気で圧倒する怪人。特に、小道具を用いての、ラウルの翻弄は無いが、首を絞めるだけ。
何より、怪人が高音パート、ラウルが低音パートという久々に王道な組み合わせなだけに、ちょっと感動。

"コンサートへどうぞ"
手下トリオによる、一度限りのクリスのコンサートの告知。でも、その前に低俗なショーを、とメグ紹介。

"水着の美女"
大変に直球なタイトル。
内容は、一着に決められないから、全部持ってきた。でも、着替える処がない、という歌詞。
一回、パラソルを男性アンサンブルに投げるが、受け取り損なうアンサンブル。
また、ラストはどう隠すのかは、死角で見えない。
この後に、スケルチの怪力ショーも有るらしい。

"ママ、上出来ね"
このタイトルは、誰目線?
グスタフに綺麗だと、言わせると、ラウル登場し、グスタフを追い出す。ショーが始まる時は呼んでね、と言われ袖でラウルと見るように言うクリス。

"歌う前に"
ラウルに歌わないでくれ、と言われるが、決心は変わらないクリス。
この時、怪人が鏡越しに見るシーンは無いらしい。

ラウル退場後、灯りが消え、ドアが開かなくなる。完全にオリジナルの怪人初登場シーンの再現だが、怪人はベランダから登場。
ネックレスを付け、普通にドアから退場する怪人。

"負ければ地獄 カルテット"
Reでは無いらしい。
セット的に脇に二段の階層は付けられないため、役者本人が動く。他はAU版を再現していたが、現在の状況とリンクする、この複雑なセット転換は輸入出来なかった模様。
DVDもそこは見切れているので、あの複雑なセット転換を見ることは叶わない。

"愛は死なず"
なのに、孔雀セットは輸入したらしい(笑)

"ああ クリスティーヌ!"
楽屋で抱き合う、怪人とクリス。
そこに、ラウルの置き手紙があり、去った事が判明。この時、鏡越しにラウルが居たらしい。
そこで、グスタフがラウルと一緒だった事を思い出し、ラウルと去ったのか?疑惑発生。
しかし、手下トリオからラウルは一人で寂しく夜に消えた(そこまでは言ってないけど)、と報告が入り、マダムが疑われ、しょっぴかれる。

で、フレックから、メグの楽屋が散乱状態と言う報告が入り、メグ探しに。

"コニーアイランドの通り"
また、直球なタイトル(笑)
"水着の美女"稽古中、グスタフと遊んでいた子役をグスタフと勘違いするなど、そういう小芝居を挟みつつ、桟橋へ。

"お願い、ミス・ジリー"
このタイトルはグスタフ目線?
兎に角、この時の夢遊病なメグがハマり過ぎてハマり過ぎて。

そこに怪人も説得。得意のレトリックで、懐柔しようとするものの、最後のクリスティーヌで、発泡するメグ。
それがクリスに当たり、手すりが落ちる。

"そして最後に"
メグはマダムと、グスタフもラウルを探しに行こうとして、クリスによる怪人が父親というカミングアウト。
それに動転し、逃げ出すグスタフ。

怪人による"愛は死なず"歌唱後、ラウル再登場。その場を譲ると、背後から近づくグスタフ。
そして、怪人の仮面を外し、キズがある方を触れるか、触れないかギリギリの処で暗転。


市村@怪人
開幕一週間も経たず、三回目だが、早くも独特な節回し。時折、尺に合わず、間が出来るため、歌詞が飛んだ?と思うことも。
ソロは良いが、デュエット、デュオだと、弱い。これは席位置の問題?
一番の難有りは"TBU"。ロック調にならず、かなり無理した歌い方に。

"TIHYS"は聞き逃したが、それを聞くだけにもう一度は無いかな。
リプライズを聞く分には、高音がつらそうだし。

ただ、年齢を感じさせず、グスタフの関係も、孫まではいかず、甥っ子くらい。
エンジニアとタムにしか見えなくもない。


平原@クリスティーヌ
普通に声楽畑から連れてきたな、というクリスティーヌ。
一カ所、急に地声というか、低音で歌う処があるものの、
普通にソプラノで、『LND』のクリスティーヌを熱演。
ただ、ミュージカル歌唱ではない。

台詞も違和感が無かったが、タイトル曲を歌う前の、グスタフに言う『イヤリングを取って』という台詞だけ、スゴい棒読み。


田代@ラウル
ヒゲ。
兎に角、美声。アル中も抑え目で、AU版設定なラウル。


笹本@メグ
開幕二回目にして、早くもハマり役。メグ役では贅沢過ぎる。
ただ、田代氏と並ぶと、『ウーマン・イン・ホワイト』が、つい脳裏に。

鳳@マダム
歌に関しては想定内だったが、やはり、もっと、歌える人で聞きたかった。
でも、興業の元締め的雰囲気はダントツ。

加藤@グスタフ
意外に綺麗な高音を出す。
あれだけの人気子役で、ガブの時は個性出し過ぎだったけど、今回は抑え目。
初日ゆえ?


手下トリオは、スケルチが良い声再確認。フレックが意外と小柄。ガングルが地味。

また、アンサンブルに田村氏がいるが、ソロ無し、ダンス無し、完全にスタッフ役に徹した無駄使い。



マサカ、日本語で観れる日がこようとは、な今作。
細かい部分に相違はあるものの、AU版演出のホリプロ版。

歌詞とか、字幕では読んでいたが、台詞で聞くと、理解していなかった微妙な箇所も分かる。

一番はクリスは怪人が死んでいたと思っていた設定。
DVD字幕もそのニュアンスはハッキリしてなかっただけに、演出家の意図がハッキリと。


今回のキャストは歌派が多いため、怪人とマダムの演技が濃かった。市村氏なら、後半に観ても問題なさそうだが、ラスト、暗転するギリギリまで、怪人として、グスタフの父親として存在する、あの表情演技は圧巻。

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