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『ピローマン』演劇集団 円

2022-03-20 19:17:24 | 国内ストプレ
小川版の感想はコチラ
韓国版の感想はコチラ

アリエル@石住
刑事。
鞭担当からの飴担当。

一番、滑舌が良く、
雰囲気だけで持って行く。

最後、美味しいトコロを
持って行くのを知っていても、
キッチリ、推さえていく。

トゥポルスキーより、
年上が演じる意味。



渡辺@カトゥリアン
作家
滑舌のワルさ。
それが勿体ない。

一番、台詞量が多いだけに。
話してる台詞が、
すっと、頭に入ってこない。

また、その抑揚が1パターン。
とにかく、苦悩のみ。
ひたすら、ウケの芝居。

それの変化が無いので、
1幕は相手役が変わるものの、
台詞の部分での魅力が少ない。

2幕は話が二転三転するので、
一応、引っ張られるけど、
それでも、若干1パターンな言い回し。



瑞木@トゥポルスキー
刑事。
飴→鞭
キャリアっぽさ。

話し方に独特の訛り
が有るので、冷酷さは薄め。

一定の冷徹さで、
セメてくるものの、
理知的な面も。

後半、それが、崩壊すべきか、
あくまで、それを通す役なのか。

変わるのは、アリエルだけか。



玉置@ミハエル
カトゥリアンの兄。

ここが、絶妙な演技。
ヤリ過ぎず、でも、普通過ぎず。

あくまで、
カトゥリアン視点の、
ちょっと個性的な兄なのか?




寺十演出。
シンプルなセットに、
特に、映像に頼ることなく、
カトゥリアンの作品も、
シンプルに朗読のみ。

それゆえ、もっと、
台詞の応酬みたいな展開に、
なるのかと思ったら、でもない。

なので、1幕は、
カトゥリアンの自己紹介
そして、伏線を張る、のみ。

メリハリが薄く、
兄弟の話とかが、若干、中弛み。

そもそも、兄弟の会話が
噛み合わない、思惑が違う、
っていう、内容だし、
そのすれ違いゆえに、
兄ゴロシ、という展開になるのだけど。

カトゥリアンの役割、
主人公なのか、脇役なのか。
っていうか、今回、主役でない?

クレジット的には、
アリエルが先。

あくまで、
アリエルの変化、
という意味で、
アリエルが主人公なのか、今回。

むしろ、今までのアリエルは
脇役の印象だっただけに、
そういう演出なら、かなり斬新かも。




時折、挿入される、
弦の音楽が妙に耳に残る。



マクドナー脚本では、
一番、再演が多いのか『ピローマン』



長塚脚本での初見は、
ストレートにグロい。

ともかく、派手、
セットも豪華、役者も豪華。

で、残酷な、でも、
ホロっとする童話。



小川演出は、
小劇場ではさみ舞台。
ジワジワとグロい。

舞台と客席が密接で、
監獄の兄弟の会話がリアルに近い。
ともかく、カトゥリアン熱演の印象が強かった。

そして、命を懸けても、
作品を残したい、という異常性と、
それに絆された、アリエル。




ソウル版は、
完全に4人芝居。

少女も居るテイで進む。

なので、心理サスペンスのような、
完全に、観客の想像に委ねる、演出。




で、今回の演出。
スゴい、老舗の劇団の芝居、という印象。
こんなに、クセが強い内容なのに、
クセをあまり感じさせない。

なんか、フツウっぽさを、
フツウの対話劇なような雰囲気。
ただ、その内容は異常。

カトゥリアンにクセが無いと、
意外とフツウっぽさに見えてくる。




マクドナー脚本と円の
親和性というのも有るのか?

他のマクドナー脚本を
どんな風に演出していたのか。
社会派な作品として、上演してたのか?

かなり、気になってくる。
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