備忘録

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『Wicked』四季版

2014-01-14 11:41:16 | 国内ミュージカル
(承前)
沼尾@グリンダ&江畑@エルファバの感想はコチラ
木村@グリンダ&江畑@エルファバの感想はコチラ

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樋口@グリンダ
可愛い…、それに尽きる。
典型的なブロンドキャラで、これでもかって、くらい"おバカ"
それも、ほぼ、全編。学生時代はまぁ、有りかなと思うのだが、エルファバと決別し、広報担当になっても、ネッサ死後のエルファバとの子供のけんか辺りまで。それゆえ、ラストのモリブルに対する発言が、無邪気という残酷性を帯びたモノに。
こういう、成長しない(変わらない)グリンダキャラも有りなのか。

岡村@エルファバ
コチラは妙に台詞が開口なのに、歌うとそれなりの迫力というギャップのあるエルファバ。
後半は台詞廻しが気にならなかったので、学生という若い役作りゆえか?
で、難曲揃いのエルファバ楽曲を全てはずさず、ある一定の水準を保つのは流石、四季。この役を勝ち取っただけはある。

岡田@フィエロ
観たいな、と思ったキャストをまさか観れるとは。
ただ、他のミュージカル曲を聞く度に、フィエロ役者だな、と思っていたが、いざ本役で聞いてみるとイマイチ。これは四季仕様?

いや、ウマいけど。

中野@モリブル
ベテランなのに、妙に開口な上、歌もそれほど迫力があるという訳でもない。が、あの少ない出演シーンで、悪役キャラとしての存在感を残す演技派。


渡辺@オズ
本日の主役(笑)

それまでは、『台詞と歌が違い過ぎる』とか『グリンダのキャラが濃い』とか、そんな幕間呟きの予定が登場と共に、全て忘れさせる舞台荒らしっぷり。何処の北島マヤですか、彼。
まさに

『恐ろしい子!』(白目)

で、どの辺が、舞台荒らしなのかは、実際観た方が早いのだが、敢えて説明。


基本、この作品のオズ陛下は悪役だけど、モリブルの陰(実際手を下す)に対する、陽イメージ。

今まで観た事があるのが、栗原@オズのパパには見えないけど、グリンダ母が浮気するのも納得の無駄にダンディータイプと、
WEのClive carter@オズのでっぷり太った、包容力のある、パパに成りたかったんだろうな、というマイホームパパタイプのみ。

二人ともタイプは違えど、善人タイプで実は悪者キャラのギャップがオズのデフォルトかと思ったら、見事に裏切る。それが今回の渡辺@オズ。

まず、登場から胡散臭い。ビジュアルは『富豪刑事』の夏八木勲氏が演じていた役、或いは漫画家の黒鉄ヒロシ氏に近い。

そして、他の役者がある一定の水準で聞かせるのに、オズの歌唱シーンだけ、何故か外部作品を観ている感覚に。開口方とは違う違和感。

"センチメンタルマン"では、あれだけ高低差がハッキリしている歌を平坦に歌い(その為、歌詞の聞き取り易さは異常)、
"ワンダフル"では、カラオケ音源と歌詞の尺が合わないのか、ズラしているのか、メロディにのせる箇所だと、思っていた部分も台詞に。

そして、こんな振り付けだったっけ?と思う動きもシバシバ。


ただ、トータルで観ると、想定の斜め上な役作りなだけで、不味くはない。
歌だって、イメージよりも軽いだけで、(音程でなく陛下イメージ)をハズす歌い方で無いし。

ラスト、エルファバは実は娘だと知った時の悲壮感とか、あんなに落ち込むとは思わなかった。感情が無いと言われる四季舞台で。

多分、四季の舞台としてみたら、100%有り得ないタイプだけど、ミュージカルとして、オズ陛下としてなら有りかな、と思わせる陛下タイプ。

"あの"ラダメスを観て、渡辺氏を敬遠気味なら、騙されたと思ってオススメしたい。多分、騙されます(笑)


久々に四季版Wicked。前回の海以来、今回はCDを聞き込んでの参戦なのだが、あまりCDと変わらない四季クオリティ。

ただ、その分、台詞部分の開口方が妙に気になる。というか、話す役者、話す役者、皆さん開口というか。
歌を聞かせるだけに、余計にギャップが。


また、生オケからカラオケに。
どうせ、二階の桟敷席からでは、生ドラムの迫力は伝わらないが、それでも、あのバスの響きが聞こえ無いのは、残念。

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