私,京都の街中(四条・河原町近辺)に出るときには寺町通のRANDOM WALKをのぞいてみることが多いんですけど,ここは日本コミックの英訳版の存在感があるのはお決まりとして,アート,デザイン系の品揃えがいいですね。東京だったら六本木ヒルズのABC(青山ブックセンター)とか新宿ルミネのブック1stとか,便利なところにある普通の書店でも個性ある品揃えをしてたりしますが,RANDOM WALKはビレッジバンガードともまた違って,スペースはけっこうあるのに,個々のコーナーが凝縮され濃密な感じで面白いです。早くから工場萌え系の写真集を置いていたり,あと,ワンダーJAPANなどの廃虚ものが充実していてかなり強烈なオーラを放っていますw。
その書棚で先日見つけたのが,こちらの写真集。
いや,いい刺激を受けました!
日本の風景なんです。
空撮など,上方から俯瞰した構図が多いのですが
どう見ても本物の風景を撮影しているのに
どの写真もミニチュアのジオラマを撮ったように見えるんです。
※参考→■本城直季 ::::::StairAUG.::::::
いちおう…理屈は想像がつくんです。
ここに収録(おさ)められた写真は,中央部分はピントが合っているけれど
周辺部分はピンボケになっている。
遠景を見たり撮影する場合,ふつうは被写界深度が非常に広くなるため
ピントは全体に合うか合わないかのどちらかになるはずなので
こんなにピントが合っている範囲が狭い写真を見ると
被写界深度のむちゃくちゃ狭い,接写撮影した写真じゃないか?と
脳が混乱する…という仕掛けなんだろうと思います。
でもまあ,これらの写真を眺めてると
すごい不思議な気持ちになりますね。
マジでミニチュアじゃないか,けどこんなに細かく
厖大な数の建物を配したジオラマ造れるか…?
看板も実在の企業の名前だしなぁ…。
とかね。
巻末に載ってる佐藤雅彦先生(メディアクリエイターで
CMプランナー,慶應義塾大学環境情報学部特別招聘教授で
東京芸術大学大学院映像研究科教授でバザールでござーるや
だんご3兄弟やピタゴラスイッチの人)の解説も
なんか「本物に見えるミニチュアの写真」と勘違いしてるんじゃ
ないかと思わせる,解説になってるんだかどうなんだか,
わかっているのかどうなんだかよくわからない解説文になってますし。
実際のところ,人間(ヒト)の目も,ピントがきっちり合うのは
視界中央のわずかな部分だけなんですよね。
レンズの精度的にも,網膜の視細胞の密度からいっても
視覚情報を処理する大脳の視覚中枢の神経細胞の分布からいっても。
それを眼球運動でピントの合う範囲を広げていたり,
見えた気になって済ませる脳のしくみになっていたり。
(ハトなんかは視野全体が一様にはっきりと見えているそうですよ。
目の前のエサをついばむ時などは切りかわるみたいですが)
だからある意味これはヒトの目がとらえた映像の瞬間を
忠実に再現したものなのかも…と思ってもみたり。
また,公式によればレンズの被写界深度は焦点距離が小さいほど深く
(ピントの合う奥行きが広く)なるので
神の視点…っていうんですか,天空から大地を見下ろす
巨大な目があったら,本物の風景を見ても
われわれが箱庭の写真を接写するようにこんな
ピンの合う範囲の狭い映像に見えるのかな…とか。
しかしこの写真集,見れば見るほど,
「こんな写真,俺も撮りてぇ~~!!」
って気がかきたてられます。
ただ…
写真の周辺部分をピンボケにするのは簡単ですけど
(一眼レフならレンズの前につけるフィルターのピンボケ
させたい部分にサラダ油塗るとか)
写真の中央部分が,遠景なので細かい部分ははっきり
見えないながらもカッチリとピントが合ってないと
ここまでのインパクトは絶対生まれないはずです。
さらに『small planet』写真のミニチュアっぽさの秘密は
ピントが合っているのみならず
被写体のぶれも全く排除され,動きという要素も全く存在しない
ことにあるのではと思われ。
なので,よっぽど明るいレンズを使って
相当速いシャッタースピードで撮らないと
私のような素人の腕では足元にも及ばないゴミ写真しか撮れないだろうな…と思われ。
けどまあ,『タモリ倶楽部』で『TOKYO NOBODY』よろしく「人が写っていない東京の風景写真」を撮ってみようって企画やってたみたいに,気楽にとりあえず挑戦してみるってのもいいかもしれませんね。
ちなみにこの写真集,第32回の木村伊兵衛写真賞受賞。
2006年度ですw
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その書棚で先日見つけたのが,こちらの写真集。
small planet本城 直季リトルモア |
いや,いい刺激を受けました!
日本の風景なんです。
空撮など,上方から俯瞰した構図が多いのですが
どう見ても本物の風景を撮影しているのに
どの写真もミニチュアのジオラマを撮ったように見えるんです。
※参考→■本城直季 ::::::StairAUG.::::::
いちおう…理屈は想像がつくんです。
ここに収録(おさ)められた写真は,中央部分はピントが合っているけれど
周辺部分はピンボケになっている。
遠景を見たり撮影する場合,ふつうは被写界深度が非常に広くなるため
ピントは全体に合うか合わないかのどちらかになるはずなので
こんなにピントが合っている範囲が狭い写真を見ると
被写界深度のむちゃくちゃ狭い,接写撮影した写真じゃないか?と
脳が混乱する…という仕掛けなんだろうと思います。
でもまあ,これらの写真を眺めてると
すごい不思議な気持ちになりますね。
マジでミニチュアじゃないか,けどこんなに細かく
厖大な数の建物を配したジオラマ造れるか…?
看板も実在の企業の名前だしなぁ…。
とかね。
巻末に載ってる佐藤雅彦先生(メディアクリエイターで
CMプランナー,慶應義塾大学環境情報学部特別招聘教授で
東京芸術大学大学院映像研究科教授でバザールでござーるや
だんご3兄弟やピタゴラスイッチの人)の解説も
なんか「本物に見えるミニチュアの写真」と勘違いしてるんじゃ
ないかと思わせる,解説になってるんだかどうなんだか,
わかっているのかどうなんだかよくわからない解説文になってますし。
実際のところ,人間(ヒト)の目も,ピントがきっちり合うのは
視界中央のわずかな部分だけなんですよね。
レンズの精度的にも,網膜の視細胞の密度からいっても
視覚情報を処理する大脳の視覚中枢の神経細胞の分布からいっても。
それを眼球運動でピントの合う範囲を広げていたり,
見えた気になって済ませる脳のしくみになっていたり。
(ハトなんかは視野全体が一様にはっきりと見えているそうですよ。
目の前のエサをついばむ時などは切りかわるみたいですが)
だからある意味これはヒトの目がとらえた映像の瞬間を
忠実に再現したものなのかも…と思ってもみたり。
また,公式によればレンズの被写界深度は焦点距離が小さいほど深く
(ピントの合う奥行きが広く)なるので
神の視点…っていうんですか,天空から大地を見下ろす
巨大な目があったら,本物の風景を見ても
われわれが箱庭の写真を接写するようにこんな
ピンの合う範囲の狭い映像に見えるのかな…とか。
しかしこの写真集,見れば見るほど,
「こんな写真,俺も撮りてぇ~~!!」
って気がかきたてられます。
ただ…
写真の周辺部分をピンボケにするのは簡単ですけど
(一眼レフならレンズの前につけるフィルターのピンボケ
させたい部分にサラダ油塗るとか)
写真の中央部分が,遠景なので細かい部分ははっきり
見えないながらもカッチリとピントが合ってないと
ここまでのインパクトは絶対生まれないはずです。
さらに『small planet』写真のミニチュアっぽさの秘密は
ピントが合っているのみならず
被写体のぶれも全く排除され,動きという要素も全く存在しない
ことにあるのではと思われ。
なので,よっぽど明るいレンズを使って
相当速いシャッタースピードで撮らないと
私のような素人の腕では足元にも及ばないゴミ写真しか撮れないだろうな…と思われ。
ちなみにこの写真集,第32回の木村伊兵衛写真賞受賞。
2006年度ですw
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