ちぇこ屋貿易 商い日記

チェコのかわいいものを集めた雑貨店です。
手作りチェコビーズアクセサリーの販売も始めました^^

戦争

2009-10-30 19:23:30 | Weblog
今日はプラハ城内、聖ヴィート大聖堂にはめてある、アルフォンス・ムハのステンド
グラスのアップです。
いつ見てもきれいです…描いてあるものの詳細がよく分からなくてもただ眺めて
いるだけで心が洗われるようです。
他のステンドグラスがカットしたガラス片のはめ込みなのに対して、ムハのはガラス
に直接描いてあるそうで…なるほど、どこまでもなめらかな曲線ですね。

今、チェコ人作家の第2次世界大戦中のことを書いた本を読んでいます。もうすぐ
戦争が終わってナチスドイツが撤退しそうなところまできました。
たとえそれまで仲良くしていたお隣さんでも、家族の間でも”密告”の嵐です。
今日自分が誰かを密告しても、明日には自分が密告されるかも知れない…事実無根
でも密告されたら罪は確定。捕まったら、事実どころか、捏造の事実まで認めさせ
られ、それが事実上の次の密告となる…

誰ひとり信用できない…

よくまぁ、こんな時代を乗り越えて今のチェコが存在すること、驚かずにはいられ
ません。(ナチスドイツの徹底ぶりにも驚きますが…)

あとがきに書いてありました。
チェコ人は玉砕覚悟で戦争に参加したりしない、と。
参加した結果に国民の全滅、国の滅亡が見えているならば、耐えがたきを耐え、
時が移るのを待つ、と。

こんなことも書いてありました。チェコ人の特徴。
一人一人の意見をまとめるのは時間がかかるけれど、一旦一致団結してしまえば
すごい威力を発揮する民族だと…

普段、見かけるチェコの人ったら、何だかのんきそうで、仕事もあんまりはかどら
ないようだし”もうちょっと集中して、効率よくやろうよ…”と文句を言いたくもなる
のですが、内には激情を秘めているのかも…

チェコがチェコになってまだ17年。私たち日本でのほほんと暮らしてきた世代には
想像もできないあれこれをチェコの人たちは乗り越えてきたのですね…

ちぇこ屋貿易商
コメント
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