毎週NHKでは「日曜討論」が行われているようだが、二流、三流の政治屋連中のガスス抜きの場と化しているようで、まったく興味はない。
しかしたまにはこんな光景があるとは知らなかった。
「小泉進次郎氏に『反省がない』企業・団体献金めぐるNHK番組での発言に共産、れいわ議員が反論」
NHK「日曜討論」(日曜午前9時)は30日の放送で、企業・団体献金のあり方をめぐり、与野党の代表者が出演し、意見をかわした。野党側が求める企業・団体献金の禁止について、自民党政治改革本部事務局長の小泉進次郎元環境相は「自民党の弱体化を狙った作戦みたいなものだ」と持論を展開し、これに野党議員から批判のツッコミが出る場面もあった。 自民党が企業・団体献金について「禁止より公開」を訴える中、立憲民主党などの野党は禁止法案を国会に提出。一方、自民、公明、国民民主の3党は28日の協議で、企業・団体献金を禁止しないことで一致し、4月以降も協議を継続する方針を確認した。与野党は当初、3月31日までに企業・団体献金に関する結論を出すとしてきたが、31日までに結論を得るのは実質的に困難となっている。4月以降の協議でもどのような結論が得られるのか、まだ見通しは立っていない。 この日の放送には与野党7党の代表者が出演し、進次郎氏は中継で出演。「企業・団体献金が悪で、個人献金が善ということはない。野党幹部で企業献金をもらっている方もおり、こうした二元論は成り立たない。個人献金の世界だけになればまったく問題が起きないわけではまったくない」と主張。自公国による協議にも触れた上で「企業・団体献金を禁止することは、自民党の弱体化を狙った作戦みたいなものです。こういったことをやっていくと、次は野党の資金源を断とうと。こういったことをやっていくと本当に、政治の世界は泥仕合になっていく」と主張した。 司会者から「小泉さん、小泉さん、そろそろまとめてください」と注意される場面もあり、進次郎氏は「はい」と応じ、「公開をしっかりすべきという方向で一致点をみられるよう、努力を重ねたい」と訴えた。 「自民党の弱体化を狙った作戦」という発言には、この後に意見を述べた共産党の塩川鉄也国対委員長が反論。「今の国会の最大の課題は、自民党の裏金問題に端を発した企業・団体献金の廃止。そもそも、裏金の原資は企業・団体からのパーティー収入で、形を変えた企業・団体献金だ。禁止することがいちばんの課題であり、『自民党の弱体化を狙う』というような言い方は、反省そのものがないと言わないといけない」と、進次郎氏の認識を批判した。 また、れいわ新選組の高井崇志幹事長は、自民党派閥の政治資金パーティー裏金事件を念頭に「裏金は自民党の組織ぐるみの犯罪ですよ」とした上で「小泉さんには何度も言っていますが、なぜ自分の党の議員や職員に事情を聴かないのか。国民がいちばん知りたいのは、裏金がいつ、だれが、どうやって始め、何に使われたのかということだ」と指摘。「それをいちばん知っているのは小泉さんのお父さんの小泉(純一郎)元総理や森(喜朗)元総理ではないのか」と、旧安倍派の流れをくむ清和政策研究会(解散)で、かつて会長を務めた2人の首相経験者に言及。自民党本部の「金庫番」ともいわれる元宿仁事務総長にも触れ、「選対委員長だった小泉さんなら、話を聞けるはずだ」などと迫った。 |
ネットニュースに対するまっとうなコメントは・・・・。
●選挙における自民党の強みは族議員の集合体であることです。それは票集めという意味だけでなく、金も集まるということです。 なので企業・団体献金の禁止は死んでも認めるわけにはいきません。 今問題になっている米不足の問題も、そもそもは超農林族議員の森山幹事長がJAの利益を最大化するために、JAの言うことを聞かない米農家を泣かせたり、様々なことをやってきた積み重ねの結果です。 企業・団体献金は自民党にとっても各個人の議員にとっても生命線です。 ●企業や団体から多額の献金を受けた場合、その見返りとしての便宜や政治活動が行われるようになると考えられる。お金をもらえばどんな人間も義理や人情を無視できなくなる。国民のためにもなるのならそれでよいのかもしれないが、便宜が増えると不正の温床になっていく可能性が高い。高度成長期はそれでよかったかもしれないが、景気低迷の現状では一般国民とのずれやひずみが大きくなり、国政を正しく導くことに支障が出てくることになるだろう。 先進諸国の多くは企業献金を禁止している。米英は一部企業献金を認可しているようだが、外国籍の企業献金は禁止となっている。 失われた30年は企業の言いなりになった政府が何ら実効性のない場当たり的な政策を続けた来たからに他ならない。 第一次大戦後のドイツは、企業の言いなりになって低賃金移民を広く受け入れ、ドイツ国民の雇用は失われ、経済はさらに悪化、ヒトラーの台頭を許すことになった。 ●自民党は大嫌いだけど、難しいのが、企業団体献金は禁止する事が仮に出来たとしても、個人献金までは禁止できないって事です。 政治参加の仕方として法で認められちゃってるんですよね。 穴は完全には塞げない。 だからこそ、国民民主、公明案の様に、なるべく穴は小さく、そして公開もして、受け取る側へも規制をかける。 とする事で、かなり穴は小さくできて金額も抑えられるし、公開することで透明性も保てる。 小泉さんは与党だから、全国、もしくは主要都市に秘書が必要で、国民からの声を聞く必要がある。なんて戯言を言っていますが、それこそが慢心で、詭弁だと思います。 仮にそうだとしたなら、国会議員は各都道府県など全国からは必要なく、議員数ももっと少なくて良いって議論になりますよね。 だって秘書が議員の代わりにあちこちで聞けるんなら、議員は今の半分以下で良い。 ほんと腐ってるよ自民党は。 |
小泉進次郎のあたかも自爆発言に対してはあきれた声が多かった。
「企業・団体献金を禁止するのは、
— 毬谷友子 🕊 TOMOKO MARIYA (@mariyatomoko) March 30, 2025
自民党の弱体化を狙った作戦だ。」
と御本人が言っているので。
ああ。やっぱりそういう事なのだなあ。と思いました。pic.twitter.com/xVB9qctSeD
ここまで来るともはや妄想のレベル#小泉進次郎 氏#企業団体献金 を禁止するというのは #自民党 の弱体化を狙った作戦みたいなもの#自民党政治を終わらせよう pic.twitter.com/rpplFn8nXK
— 🌈ラナンキュラス(川上 真二) (@Lanikaikailua) March 30, 2025
これ以上のオウンゴール決める間抜けいるのか?😅
— Tenshi (@masa1961973) March 30, 2025
NHK「日曜討論」
企業団体献金の禁止について
自民党政治改革本部事務局長の小泉進次郎元環境相は
🗣️「自民党の弱体化を狙った作戦みたいなものだ‼️」💦https://t.co/R2JGVf08pw
所詮は世襲政治一家の成れの果てなのかもしれない。
さて明日から4月なのだが「寒戻り」らしく気温が一気に下がったのだが、4月に入れば「開幕まであと〇日」と華々しくカウントダウンの声が聞こえてもよさそうなのだが、現実はとてもじゃないがそれどころではないらしい。
「大阪万博開幕まで2週間、パビリオン未完成で“見切り発車”へ…現場作業員が「絶対間に合わない」と断言」
大阪・関西万博開催まで2週間となった。だが、1970年の大阪万博を知っている私には、“異常”とも思える盛り上がりのなさである。 70年万博は高度成長の真っただ中、「人類の進歩と調和」をテーマに、アメリカのアポロ12号が持ち帰った「月の石」がアメリカ館で展示され、長蛇の列ができた。 今回は不況と物価高の真っただ中、「いのち輝く未来社会のデザイン」がテーマで、目玉は日本の観測隊が“南極で発見”したラグビーボール大の「火星の石」だという。この国の宇宙船が月面着陸に成功したのは昨年の1月だから、アメリカに遅れること半世紀以上。それでも石は持って帰れなかったから、南極で拾った(?)火星の石らしきものでお茶を濁すようだ。 もともと今回の万博は不純な動機で開催が決まったのである。大阪維新の会が牛耳っていた大阪府と大阪市が万博誘致を言い出し、維新主導で全てが決まっていった。 維新は選挙のたびに「誘致に成功したのは維新の功績」と宣伝してきた。メタンガスが埋まっている人工島「夢洲」を万博会場にしたのも、やはり維新が誘致したギャンブル場・カジノを隣に建設するためだったといわれている。 だが、パビリオン建設が遅れ、当初の建設予算が2倍近くの2350億円に膨らんでくると、「万博は国家事業」と言い出したのである。無責任極まりない。 チケットの売れ行きはすこぶる低調。昨年3月には建設現場の火花が土壌から発生したメタンガスに引火して爆発。今年3月には万博のシンボル・大屋根リング(木造・周長約2キロ)の下の護岸が浸食されていることが発覚し、リングの安全性が疑問視されるなど、呪われているかのようである。 同月17日には石毛博行事務総長が、開幕前のリハーサルとして来場者を入れる「テストラン」の際、報道機関の取材を認めないと言った。その理由を「参加国の要請があった」としたが、大幅に遅れている建設現場を見られたくないということだろう。 だが、フライデー(4月4.11日号)が、オーストリア、インドネシア、スペインなど6カ国の開幕約1カ月前のパビリオン建設現場写真を入手した。中には外装さえ完成していないところもある。 作業員の一人は苦笑いしながら、「絶対に間に合わない」と話す。 「だって、47カ国が出展するタイプA(各国が独自に建設するパビリオン=筆者注)のパビリオンが、3月10日時点でわずか8棟しか完成してないんですよ? 来場者の目に触れる部分だけ間に合わせて、開催期間中も工事を進めて仕上げるつもりでしょう。運営もさすがに焦ったのか、2月から3交代制の24時間態勢での突貫工事が始まりました」 遅れている理由は、昨年2月まで夢洲の地盤改良工事をしていたこと。さらに、昨年4月から建設業界にも時間外労働の上限規制が導入され、間に合わせるのが難しいと大手ゼネコンが引き受けなかったため、地元の中小の工務店や建設会社が請け負ったが、安い日当しか出せないので作業員が集まらないからだという。 先の作業員がこう嘆く。 「急ぐあまり、『工事がストップするから、小さなケガぐらいだったら報告するな』とお達しが出ている現場もあるそうです。労務管理もヘッタクレもありません」 6000円も払って“張りぼて”パビリオンなんか見たくない! (元木昌彦/「週刊現代」「フライデー」元編集長) |
>「急ぐあまり、『工事がストップするから、小さなケガぐらいだったら報告するな』とお達しが出ている現場もあるそうです。労務管理もヘッタクレもありません」
— 大阪が好きやねん#カジノのための万博はやめなさい@維新にこれ以上大阪を壊されてたまるか! (@oosakahaoosaka) March 30, 2025
大阪万博開幕まで2週間、パビリオン未完成で“見切り発車”へ…現場作業員が「絶対間に合わない」と断言 https://t.co/Lcl4JgT7Jd…
上の者は軽い気持ちで「小さなケガなら報告するな」と言っているかも知れないが、大きなケガすら隠してる(言い出せない)下請業者もたくさんいるのでは⁉️ https://t.co/dfY1F8HLhH
— ハリー (@RedPolo1028) March 30, 2025
工事はもう急がなくていい、どうせ間に合わないんだし。
— Love_Is_Sma☆カレーなる逆襲 (@LoveIsSma1) March 30, 2025
夢洲は熱中症やガス爆発やヒアリの危険があり、落雷の時手すりを握っていたら感電死するかもしれないし、地震が来たら避難する建物もなく、橋とトンネルも使えず夢洲脱出も困難。
学校の遠足も含めて「行かない」のが正解。… https://t.co/7WBXS2P3Dt
「6000円も払って“張りぼて”パビリオンなんか見たくない」というのが大方の思いであろう。
ところで、一時「財務省解体デモ」の報道があったのだが、その後はどうなったのか?
「財務省が「石破政権と維新の急接近」を演出した全内幕…予算案通過のウラで「主計局のエース」が説得に奔走していた」
■国民民主党「斬り捨て」の裏側 「いろんなものの値段が上がる中、なかなか給料が上がらない人がおり、年金も上がらない。それなのに税負担や社会保険料負担は上がる一方だ。行き場のない怒りや不安が『財務省解体デモ』に現れているのではないか」 国民民主党の玉木雄一郎代表(1993年旧大蔵省入省)は最近、財務省にしきりに噛みついている。少数与党の石破茂政権のもと、今国会の最大の焦点だった来年度予算案を巡る攻防で、賛成する条件として「年収の壁(課税最低限)」の大幅な引き上げやガソリン減税を要求、与党側と幹事長合意まで結びながら最後にハシゴを外され、思惑通りに行かなかったからだ。 予算案は結局、政府・与党に高等教育の無償化要求を丸呑みさせた野党第二党の日本維新の会の賛成で衆院を通過したが、玉木氏はその裏に古巣の政界工作の臭いを嗅ぎ取っている。 実際、「年収の壁」を巡り、国と地方合わせて7兆~8兆円もの減収につながりかねない「高い玉」を投げ続けた玉木国民民主を斬り捨て、財源がその10分の1以下で済む高校教育の無償化を要求した維新に「部分連合」の相手先を乗り換えるよう石破政権・与党を誘導したのは、財務省に他ならない。玉木氏と同期入省の主計局のエース、吉野維一郎次長を中心に、維新の複雑な党内事情も踏まえながら説得工作に奔走した。 ■維新の「大阪系幹部」に頭を下げて… 維新といえば、ともに「鉄道オタク」で安保・防衛政策通として鳴らす石破首相と前原誠司・維新共同代表との長年の親友関係がクローズアップされがちだが、そんなセンチメンタリズムだけで政局を動かせるわけではない。しかも、維新はルーツである大阪系議員と、国政進出後に加わった中央系の議員の間で意見が食い違うこともしばしばという「まとまりを欠く政党」(主計局筋)だ。 前原氏は、先の衆院選での敗北を受けて新代表に就いた吉村洋文・大阪府知事の指名で共同代表に就いたが、もともと旧民主党や国民民主党、教育無償化を実現する会と所属政党を変えてきた「政界渡り鳥」。維新に昨秋入党したばかりの「外様」でもあり、党内を来年度予算案への賛成でまとめ切る求心力を期待するのははなから無理があった。 そこで吉野次長らが目を付けたのが、党内多数派の大阪系議員に影響力を持つ前代表の馬場伸幸氏やそれに連なる遠藤敬・前国対委員長だった。吉野次長は自ら馬場氏や遠藤氏にもとに日参し、教育無償化など維新の要求を丸呑みして予算案を修正する意向を伝え、賛成するよう頭を下げた。 昨秋の衆院選での党勢不振で馬場前代表とともに執行部を追われた遠藤氏だが、永田町では「義理と人情のえんちゃん」と親しまれ、党内でも隠れた存在感を発揮していた。そこに抜け目なく目を付けたのは主計局エースの慧眼。遠藤氏は文部科学省幹部らも東京・赤坂の衆院宿舎に呼び出し、維新が飲める高校授業料無償化予算の段取りなどを詰めたという。最終盤では党内で「予算案には賛成するが、(手取りを増やす対策が不十分な)財政改正関連法案には参戦できない」などと一部で反発する声も出たが、これを抑えたのも遠藤氏だったようだ。 さらに吉村知事に対しては、大阪・関西万博(4月13日開幕)の後始末への財政支援までちらつかせて、懐柔を図った。計画では、1000億円強かかる運営費の8割超を入場券収入で賄う方針だが、地元・大阪を含め国民の関心が一向に高まらず、前売り券の売れ行きは経団連加盟企業に“押し売り”しても、目標の1400万枚に遠く及ばない有様だ。吉村知事周辺筋からも「巨額の赤字が出るのは必至」と悲観的な声が出ており、その穴埋めには政府、すなわち財務省の協力が欠かせない状況になっている。そんな吉村維新の足元を見透かして、予算案賛成への協力を迫ったわけだ。 ■石破首相と政権幹部も「洗脳」 一方、吉野次長と同期の中島朗洋首相秘書官や、岸田文雄前政権で首相秘書官を務めた一松旬大臣官房審議官(1995年旧大蔵省)ら政治に手練れの主計畑官僚は、万が一にも、石破政権が野党対策で赤字国債の追加発行につながるような大幅な譲歩はしないよう、首相をはじめ政府・与党の主要幹部にクギを刺して回った。 説得のための伝家の宝刀として持ち出したのが、憲法が定めた内閣の予算提案権だ。「国会の予算修正は内閣の予算提案権を損なわない範囲において可能」とした過去の国会答弁を引き合いに「予算案の組み換えにはいくらでも応じますが、予算案を撤回して国会に出し直す『政府修正』につながる赤字国債の追加発行は1円たりとも罷りなりません。憲法違反につながります」と刷り込んだ。 関係筋によると、石破最側近を自任する赤澤亮正経済再生担当相は「政策立案の知恵袋」として重用する一松官房審議官からすっかり“洗脳”され、首相に「国民民主の要求を丸呑みしては絶対ダメ」と進言したほどだという。 かくして財務省は次官OBらからも「次の首相の最有力候補などと囃されて増長している」と批判紛々だった玉木国民民主との「部分連合」に早々と見切りを付け、「最小コストで手なずけられる」(主計局筋)維新の取り込みに全集中し、目論見通りの展開に持ち込んだ。 ■財務省は「自・公・維連立」を望むのか? |
どんなに狡猾な黒衣でも振り付けどうりにならない現在の与野党連中では思うようにはいかないということなのだろう。
世界の長引いている争いの調停人を演じようと しているのだがプーチンに翻弄されている米国の不動産屋がいる。
「独裁者プーチンに「停戦受け入れ」を懇願するトランプの腰砕け。米国民のみならず世界中の人々が払うことになる大きなツケ」
■ロシアの意のままに進む停戦交渉。最恐の独裁者プーチンと成果が欲しいトランプが破壊する世界の平和 「トランプ大統領が仕掛ける停戦のプロセスが、完全にプーチン大統領にハイジャックされた」 これはロシア・ウクライナそしてアメリカを巻き込んだ停戦交渉に参加する担当者たちが抱いている認識です。 トランプ大統領が描く停戦シナリオは、イスラエル・ハマスの停戦協議プロセスと同じく、3段階に分けられています。 これまでに【30日間のエネルギー関連施設への攻撃停止】という第1段階に原則合意を取り付け、今週の米ロ専門家会議の場で、その合意内容の発効を3月18日に遡って適用することが決まりました。 これまでロシア・ウクライナ双方とも、原則合意後、互いのエネルギー関連施設への攻撃を継続していましたが、これで合意上では即時に攻撃を停止することになります。ただその実効性はかなり疑わしいと感じていますが、まずはこれから30日足らずの期間において、合意が遵守されうるか、しっかりと見ておきたいと思います。 第1段階の“履行”が動き出したのは、今週のリヤドでの協議で第2段階の話し合いが行われたことが背後にあると思われます。 第2段階においては【黒海における通航の安全を確保すること】についてロシア・ウクライナ双方が歩み寄ることが原則合意されましたが、その合意の発効時期や具体的な発効条件などについてはまだ決まっておらず、激しい駆け引きが水面下で繰り広げられています。 第2段階の履行について、ロシア側は従来通り、【紛争の根本的な原因を取り除くものでなくてはならない】という前提条件を突き付けつつ、【ロシア産の農産物および肥料の輸出拡大のほか、取引のための港湾や決済システムへのアクセス改善の支援】を求め、アメリカとの駆け引きに出ています。 具体的にはバイデン政権下で発動された【SWIFTからの遮断】措置の解除や、様々な制裁の解除を求めており、ウクライナ側の全面的な反対を無視して、トランプ大統領と政権はその条件を前向きに検討しているようです。 ■ロシア側の要求を限りなく呑ませようというプーチンの魂胆 その背後にはもちろん、合意という成果を急ぐトランプ大統領の状況を十分に理解し、早期合意の見返りにロシア側の要求を限りなく呑ませようというプーチン大統領の魂胆がありますが、同時にトランプ大統領が短期的な利益の確保に非常に関心が高いことも十分に理解した上で、【米企業によるロシアの石油・天然ガス事業への参画】【レアアース採掘事業への米企業の参加】【油価引き下げへ一定の協力をすること】という経済的な実利のほか、【イラン核問題への協力】【ロシアで拘束中の米国人の解放】といった外交的な成果・実利も示し、アメリカに譲歩を迫る戦略に出ています。 その背景には「トランプ大統領の支持率が低下し、来年の中間選挙で敗北してレームダックに陥るようなことがあると、ロシア寄りの外交姿勢が取り消される恐れがあり、何としてもそれを避けるために、トランプ大統領に花を持たせることが大事」との思惑も見え隠れします。 そのようなロシアからのラブコールに応じるかのように、実際の停戦交渉を仕切るウィトコフ氏(中東特使)は、リヤドでの協議に先立ち、3月21日に【ウクライナがロシアとの和平合意のため、NATOへの加盟を事実上断念した】【ゼレンスキー氏は大統領選の実施に合意した】【ウクライナ東南部4州は、これまでに実施された“住民投票”により、圧倒的多数がロシアの統治下にはいることを望んだ】そして【大事なことはロシアが実効支配するウクライナの領土を、国際社会がロシアの領土であると認めること】というかなりロシア寄りの発言および見解を示し、ロシアに一刻も早く全面的かつ恒久的な停戦を受け入れて“もらおう”という意図が鮮明に示されています。 ロシア側はそのシグナルを受けて好意的な姿勢を示しているわけですが、黒海における停戦範囲の設定や商業船舶を軍事利用しないなどの内容には合意するものの、黒海絡みの合意、つまり第2段階の発効については「ロシアが提示する条件が認められた場合に限る」という姿勢を崩していません。 その“ロシア側の条件”とは、SWIFTへのアクセス回復やロシア船の港湾に対する制限の解除、食糧・肥料の国際取引に関わるロシア農業銀行などへの制裁解除、輸出業者・保険会社、生産者などへの制裁の一括解除などが挙げられており、トランプ大統領は「前向きに検討する」と答えるものの、「これを認めたらロシアを思いとどまらせるものはない」と強く反対するゼレンスキー大統領の存在が、合意発効を阻んでいるという構図を、ロシアが作っています。 このままでは4月末までの全面的な停戦の実現はおぼつかない状況であるため、トランプ政権はウクライナに対して「ウクライナ国内の原発のすべてをアメリカが所有する」という提案を投げて圧力をかけているようです。 ■「完全なお手上げ状態」に陥りかねないウクライナ 国内の発電量の50%超を4つの原発(フメリニツキー、リウネ、南ウクライナ、ザポロージェ)に依存しているウクライナのエネルギー事情に鑑みると、到底飲める条件ではなく、かつ原発をアメリカに所有させた場合、原発から得られる巨額のエネルギー収入を戦後復興に用いることができなくなることもあって、ウクライナ政府は真っ向から反対しています。 ちなみに4つの原発は現時点で1,400万キロワットの発電能力を持ち、ウクライナ政府は2040年までにその能力を2,400万キロワットまで高める計画をしていることから、アメリカとしては、先に提案したレアアース権益という予測不可能なアセットよりも、安定的に巨大な経済的利益をもたらす原発を所有したいと考えているのではないかと考えます。 一応、トランプ大統領は「アメリカが重要インフラである原発を所有することによって、ロシアからの攻撃を抑止することができる」ともっともらしいことを言っていますが、仮に所有したとしても、米軍をウクライナに派遣して原発の防衛にあたらせるようなことは絶対にしないと考えられるため、本当にロシアによる再侵攻に対する抑止力になるとは思えません。 ただ、個人的な意見ですが、現在、ロシア軍に占拠されているザポロージェ原発については、もしアメリカが所有することになれば、ロシアからの妥協を引き出す交渉カードにはなるかもしれません。 ただ、やはりロシアがそれに合意することはないと思われ、仮に合意の意志を示した場合には、ザポロージェからの撤退の見返りとして、ウクライナの領土割譲を求めることにつながるため、実際に有利かどうかはわかりません。 こうなるとウクライナは完全にお手上げ状態になり、トランプ氏の個人的な利益・実利の追求とプーチン大統領の面子という大きな力の前に屈することになるかもしれません。 それを防ぐには、アメリカからの軍事支援が先細りになる中、欧州からの軍事支援の迅速な拡大が必要なのですが、ハンガリーからの反対に直面して、今、“決めることができないEU”が常態化し、欧州による対ウクライナ支援は完全に止まってしまい、ゼレンスキー大統領とウクライナはロシアに対する有効な交渉カードを確保できず、どんどん知らないところで、自国の権益と尊厳をむしり取られるという屈辱的な状況に追いやられつつあるように思われます。 ただ、トランプ大統領も望むものを獲得できるかどうかは分からず、その成否はプーチン大統領の胸三寸とも言えるため、結局は“できるだけ早く成果が欲しい”という姿勢ゆえに手玉に取られ、合意内容を骨抜きにされるか、合意自体を先延ばしにするかという、プーチン大統領絶対有利な状況を作られているように思われます。 部分的に今、ロシア・ウクライナ間の調停プロセスに関与していますが、残念ながら、ポジティブな出口を見出すことは出来ずにいます。 ■ウクライナにとどまらないトランプ外交がもたらす悲劇 詳細な準備と計画なきトランプ大統領の外交姿勢は、ウクライナに悲劇をもたらしていると言えますが、同じことは、もう一つの停戦案件であるイスラエルとハマスの停戦合意でも言えます。 トランプ政権誕生前夜の1月19日に発効したイスラエルとハマスの停戦合意の第1段階は、停戦期限の3月1日を迎えても合意内容の完遂は叶わず、恒久的な停戦に向けた話し合いの詳細を決める第2段階が始められることなく、イスラエル側からガザ地域への大規模攻撃の再開に発展してしまいました。 第1段階の失敗は、アメリカが明らかにイスラエル寄りの立場を貫き、ハマスをすべての諸悪の根源として軽視したことに起因すると考えますが、そのアメリカのイスラエル贔屓の姿勢を最大限利用して、イスラエルのネタニエフ首相はガザ再攻撃の口実としました。 イスラエル軍はガザ地区全域に大規模な空爆を加え、地上作戦も再開して、ガザ市民に耐えがたい苦痛を与えています。3月1日に停戦の期限が切れてから3月23日までの間に1万人から2万人の死者が出て、すでに昨年10月7日からの死者数は、少なく見積もっても5万人を超え、まだ1万4,000人以上が瓦礫の下に埋まっていると言われています。 また今回、軍事作戦に加え、イスラエル政府はガザ地区への人道支援を完全に停止し、結果としてUN-OCHA(国連人道問題調整事務所)によると、ガザ市民の91%が飢餓状態に陥り、92%の住宅が破壊されているとのことですし、ICRC(国際赤十字委員会)によると、医療機器と薬の決定的な不足から、衛生状態の著しい悪化と感染症の急激な拡大が起きており、過去36時間で壊滅的な人道危機が引き起こされているとのことで、イスラエルの非人道性が浮き彫りになっています。 国際社会、ここでは欧州各国と国連を指しますが、イスラエルの蛮行を激しく非難していますが、実質的に何もできないというジレンマに直面していますが、それはイスラエルが全く聞く耳を持たないことと、アメリカ政府がイスラエル擁護から国際社会による介入を一切ブロックしていることが原因と考えられます。 そのイスラエルの蛮行は、同じく停戦が成立していたはずのレバノンへの攻撃という形でも現れ、3月22日には緩衝地帯として設定していたはずのレバノン南部への空爆とイスラエル地上軍の侵攻が起こっていますが、イスラエルのネタニエフ首相とカッツ国防相は「すべての責任はレバノン政府にあり、イスラエルは自衛のためにレバノンに攻撃を加える権利を行使する」と一方的な正当化を行っていますが、これは、ガザに対する攻撃再開と合わせ、アラブ諸国を激怒させ、新たな火種を作ることに繋がってしまいました。 仲介国であるエジプトとカタールは「イスラエルの蛮行は明らかで露骨な停戦合意違反であり、これはアラブへの宣戦布告ととられかねない」と懸念を表していますし、アラブ諸国の首脳会議は「非はすべてイスラエルにあり、イスラエルはその代償を払うことになるだろう」と激怒しています。 ■アメリカを厳しく非難するイランの深刻な国内情勢 その中心にいるサウジアラビア王国の皇太子モハメッド・ビン・サルマン氏(MBS)は「民間人が居住する地域への攻撃を最も激しい表現で非難する。イスラエルは攻撃を即時に停止し、国際社会が責任を以てパレスチナ人およびレバノン人の深刻な人道的苦痛を終わらせるために介入しなくてはならない」と述べていますし、トルコのエルドアン大統領に至っては「ネタニエフ政権によるジェノサイドが新たな段階に入ったと言える。国際社会はイスラエルに対して断固とした姿勢と覚悟を示す必要があり、トルコはアラブ諸国と共に行動する用意がある」とイスラエルへの牽制を行っています。 そして宿敵イランのアラグチ外相は「パレスチナおよびレバノンでのジェノサイドと民族浄化の試みは、アメリカの許可のもとに行われており、アメリカも決してその批判から逃れることはできない」と激しく非難し、イスラエルとその背後にいるアメリカへの攻撃を示唆しています(ただし、アメリカへの攻撃は、イランとアメリカの直接的な対峙を招く可能性があることから、イラン政府は非常にデリケートな対応に努めていますが、国内の強硬派を現政権が抑え込めるかどうかわからず、革命防衛隊においては、イスラエルはもちろん、アメリカの権益および国民に対する報復を行うべきといきり立っており、事態はかなり深刻化しているものと思われます)。 ところでなぜネタニエフ首相はこのような蛮行に出たのでしょうか? 特にガザを巡る停戦も、レバノンとの停戦も、アメリカが仲介したものであるにもかかわらず、それを一方的に破ることでトランプ大統領の顔に泥を塗ることになる可能性があることを知りながら、このような行動に出たのはどのような背景があるのでしょうか? 1つは、すでに可決されてその危機は脱しましたが、今月末までに新年度予算を通過させないと、憲法上の規定で即時に総選挙になるという政治的な危機が存在したことがあります。 アメリカの仲介の下、ガザにおける停戦合意が成立したことを受け、戦争継続とパレスチナ人の壊滅を訴える極右政党のユダヤの力が連立を離脱したことで、ネタニエフ政権は議会での過半数を失い、おまけに人質の奪還に失敗していることで国民の支持も失っていることから、予算の可決の見込みはなく、総選挙になってしまえば、自党のリクードは敗北が確実とされ、そうなるとネタニエフ首相に対する数々の訴追が復活して、予想では終身刑を言い渡されると言われていたため、ネタニエフ首相としては自身の保身が最優先課題となっていました。 そこで極右のユダヤの力の要求を呑み、ガザへの再攻撃とレバノンへの攻撃を再開し、党首のベングビール氏を国家治安相の座に返り咲かせて連立政権に再度組み込んでかろうじて過半数を保つという荒業にでたのが、今回の残虐極まりないガザへの攻撃と人道支援の停止という非人間的な行いに発展したと考えられます。 ■強い恐怖と懸念を感じざるを得ないトランプの振る舞い 果、最近の発言にもありましたが、「ガザへの空爆は始まりに過ぎず、今後はハマスおよびヒズボラの壊滅のために攻撃の手を緩めることはなく、徹底的に対処する」と公言し、おまけに「アメリカとの関係を重視するために、一応、交渉には応じるが、それでも攻撃は継続する」という大いなる矛盾を示して、宿願である「ハマスとヒズボラの壊滅」に突き進み、イスラエルおよびイスラエル国民の国家安全保障の確保のために、いかなる脅威もすべて廃絶するという非常に極端な姿勢を取ることにしたようです。 それに対して水面下ではトランプ大統領は懸念を示し、「ビビ(ネタニエフ首相)よ、いいかげんにしろよ」と伝えているとのことですが、トランプ大統領も公にはイスラエル非難は行わず、困惑しつつもネタニエフ首相の蛮行を止められずにいるというジレンマに直面しているようです。 ここでも“停戦合意の中身を精査せずに、停戦という形式だけを重視し、合意の獲得を拙速に望んだ”という姿勢を、ネタニエフ首相に逆手に取られ、いわば足元を見られて、結局、ネタニエフ首相がやりたいことのお墨付きを与えさせられるという、とんでもない状況に自らを追い込んだと言えるでしょう。 合意・停戦という形式を重んじるがゆえに、内容を精査せず、強者に受け入れを懇願するという今回のトランプ大統領の失態は、プーチン大統領やネタニエフ首相に力を与え、弱者たるガザの一般市民やレバノン国民、ウクライナの市民にさらなる悲劇をもたらすという結果になろうとしています。 「4月末までに停戦が実現するだろう」 トランプ大統領も、その側近も、そう信じて疑わないようですが、プーチン大統領は自身およびロシアの宿願成就のために時間稼ぎを行い、プーチン版の大ロシア帝国実現のために、ウクライナを手中に収め、今回、ロシアに歯向かった各国を次々と堕とすべく、工作する時間を得たと言えます。 ネタニエフ首相については、自身の政治生命の延命を成し遂げ、かつイスラエルの国家安全保障とパレスチナ、そしてアラブ社会という脅威を取り除くための戦いにアメリカを引きずり込み、再びアメリカを地域にコミットさせるという目的を果たす絶好の機会を得たと感じているようです。 平和な世界とはどのような姿かというグランドデザインを持たず、短期的な成果と実利の獲得という欲に駆られて、すでに弱っている人たちを犠牲にして、世界を真っ二つに割ってしまう片棒を担ぐトランプ大統領と政権の振る舞いを前に、今後に対する強い恐怖と懸念を感じざるを得ません。 |
ロシアのプーチン大統領(69)は柔道家として知られており2000年に来日した際には、柔道の総本山である講道館から「講道館柔道6段」を授与されたという経歴があり、おそらくはボクシングしかしらないトランプに対してプーチン独特の「寝技を仕掛けられ立ち往生しているのがトランプなのだろうとオジサンは思う。