新・定年オジサンのつぶやき

残された日々をこの世の矛盾に対して勝手につぶやきます。
孫たちの将来に禍根を残さないよう、よき日本を「取り戻したい」。

国民の財産と声明を守るといいながら、ホームレスは国民ではないのか?

2019年10月14日 12時21分25秒 | 安倍晋三

「2010年に亡くなった哲学者フィリッパ・ルース・フットが提唱した「人間が道徳心から生まれるジレンマにどう対処するのか」を見るための倫理学の思考実験がある。

線路上を走るトロッコが制御不能になり、そのまま進むと5人の作業員が確実に死ぬ、5人を救うためにポイント(分岐点)を切り替えると1人の作業員が確実に死ぬという状況下で、線路の分岐点に立つ人物(自分)はどう行動すべきかを問う「トロッコ問題」。

一部にはすでに知られていたが、広く知られるようになったのは先月末の、「死ぬのは5人か、1人か…授業で「トロッコ問題」 岩国の小中学校が保護者に謝罪」という記事であったかもしれない。

「授業は5月に東中の2、3年生徒、東小5、6年児童の計331人を対象に「学級活動」の時間(小学校45分、中学校50分)であった。同じスクールカウンセラーが担当し、トロッコ問題が記されたプリントを配布して授業した。
 プリントは、トロッコが進む線路の先が左右に分岐し、一方の線路には5人、もう一方には1人が縛られて横たわり、分岐点にレバーを握る人物の姿が描かれたイラスト入り。『このまま進めば5人が線路上に横たわっている。あなたがレバーを引けば1人が横たわっているだけの道になる。トロッコにブレーキはついていない。あなたはレバーを引きますか、そのままにしますか』との質問があり「何もせずに5人が死ぬ運命」と『自分でレバーを引いて1人が死ぬ運命』の選択肢が書かれていた。」

中学生ならともかく小学生の中には「授業で不安を感じている」という児童がいたので、謝罪に追い込まれたという顛末。

この問題は以前からネット上でも大いに盛り上がり、さまざまな「解」が登場したが、一番人気はこれだった。

基本は、1人でも命は救うべきだということなのだが、このツイッターを知っていたら、記事中の小学生は悩まなかったかもしれない。

さて、台風19号が日本列島から去り、もたらした被害の大きさが時間の経過とともに明らかになってきた。

昨朝の新聞では死者は10数名だったが、今朝になると30名を超えており今後行方不明者の数だけ死者が増える可能性がある。

そんなことも知らずになのか、こんな暴言を吐いていた老政治屋がいた。

二階氏 台風被害『まずまずで収まった』緊急役員会で」    

災害等で人命が失われた場合、「まずまず」という表現はしない。

人の命は地球より重いといった昔の政治家がいたが、最近の政治屋はどうやら尺度がくるっているようである。

もっとも二階俊博幹事長の本音はこのあたりか?


自民党の幹事長がこの体たらくなので、自民党の総裁で国のトップでもある安倍晋三にいたっては、非難の嵐に晒されていた。

台風19号上陸の24時間を検証。甚大な被害の中、安倍総理は何をしていたか?」 

安倍首相が今日になって『やってる感』アピールも、台風襲来最中の『休養』に批判殺到! 立川談四楼は『寄り添う気がない」」という記事では、こんな声を紹介していた。

〈こんなに凄まじい被害なのに安倍も菅も今井もニュースに顔を一切現さない。よくわからないけど、これが普通なのでしょうか??〉
〈安倍晋三の防災嫌いはちょっと異常なんじゃない?〉
〈これだけ大きな災害に直面しても何の声明も出さない安倍晋三。余計な発言して失点するくらいなら何もしないほうがよい、って考えなんだろうな。ほんとにこんな人が国家元首でいいわけ?〉
〈安倍首相のツイッター、なぜ台風のことを何も呟かないんだ?ラグビーで日本代表が勝った時はすぐツイートしてたのに。千葉の台風被害に関しても言及なかったよね。未だに政府は災害対策本部を設置してないらしいし、理解できないんだが。〉
〈今、安倍晋三のツィッター見に行ったらラグビーとノーベル賞のことしか呟いてなかった。この人の職業ってなんなんだろう。〉
〈安倍首相は「悪夢の民主党政権」とよく揶揄するが、311 の対応で色々な問題はあったにせよ、少なくとも当時の枝野官房長官や菅首相は繰り返し会見を開き、国民に語りかけてはいた 現政権は普段は「先頭に立つ」や「責任を果たす」など、威勢の良いことを言うが、この危機の中、彼らの顔が全く見えない〉

〈被害が進む中、安倍さんは公邸で休養していたという。菅官房長官ともどもなぜ表に出てこないのか。テレビやラジオを通じて「国がついてますよ、もう少し頑張ってください」と言えばどれだけ励まされるか。それどころでなくても後日にそれを知ることの価値は大きいのだ。やはり寄り添う気はないんだね。〉(落語家の立川談四楼)


安倍晋三のこんなツイッターを見たドイツ在住のこの人も怒りに燃えていた。


まさかのラグビー観戦。ウソでしょ。
日本各地で水害が起き、グチャグチャになっているさなかに、自宅でのんびりラグビー観戦する総理大臣ってなんなのだろう。
「元気と勇気」って、まだ家が水に沈んで救出されていない人にそんなものが必要だろうか。
まさに災害が進行している間は、息をひそめたようになにも発しない首相だが、誰かがメダルを取ったとか、ノーベル賞を受賞したとかいう話に便乗する時は、実に反応が速い。
安倍首相ほど露骨に災害を見ないふりする総理大臣がかつていただろうか。
「国民の命を守る」が口癖で、それを理由に武器を調達したり、自衛隊を強化しようみたいな話は大好きだが、災害や貧困から国民を守る気はさらさらない。
災害や貧困から国民の生活を守ることだって重要な「安全保障問題」なのである。
ミサイルを迎撃するばかりが安全保障ではない。
要するに彼の口から出る「国民の命」という言葉は、この人にとっては富国強兵のための方便に過ぎない。
改憲によって導入しようとしている「緊急事態条項」が、災害時に有効とか?
笑わせる。
バカ言うんじゃないよ。
そもそも災害自体に、これっぽっちの関心もない人が!


わが国の最高責任者がこの程度では、自治体レベルの職員にも、人権感覚欠如の公務員がいる。

国民に繰り返しNHKが「直ちに命を守る行動を」と呼びかけ、それに応じたわけfではないが自ら危険を感じて避難したホームレスたちは国民ではないというのか?

<台東区、野宿者の避難所利用拒否の二重三重の問題点。求められる検証と改善>
 2019.10.14 ハーバー・ビジネス・オンライン
・・・前略・・・
 台東区による野宿者拒否の情報をTwitterで報告した山谷労働者福祉会館(台東区日本堤)は昨日、施設を避難所として開放。約20人が避難してきたという。同館のメンバーは、こう語る。
「渋谷区でも当初、避難所が野宿者を受け入れていなかった。それはおかしいと抗議してようやく受け入れてもらいました。台東区については12日に、山谷労働者福祉会館を避難所として利用できるというビラを配布していた際、野宿者に区でも避難所を開設していると話したら『オレたちはダメなんだよ』と言われた。まさかそんなことが、と思い区に電話して聞いてみると、『野宿者はお断り』『タダで使われちゃ困る』などと言われたんです」
 これが事実なら、区の対応はかなり露骨だったことになる。
「区側は、『川が氾濫するなど、どうしても危険だとなったら現場判断で対応する』と答えていました。野宿者とそうでない人をどう見分けるのかと尋ねると、『住所と身なりで見分ける』と言うんです」(同)
 避難所や区広報に確認したところ避難所では身分証の提示などは求めないが、前述のように「避難者カード」を書かせる。そこで住所がないと判明したり、身なりが野宿者っぽかったりすると、追い返されてしまうというわけだ。
「実際に追い返された人が少数であっても、その背後には無数の人達がいるんです。そして『どうせ自分たちは入れてもらえない』と諦めて、避難所に行こうともしない人を生み出している。野宿者の多くはネットやテレビを使える環境にありません。主な情報源はラジオです。単に野宿者も受け入れるという方針にするだけではなく、ラジオや広報車で周知するなど野宿者に伝わるようにする必要もある。隣の墨田区に確認したら野宿者でも受け入れると言っていましたよ」(同)
 同会館近くで、昨夜はドヤ(簡易宿泊所)で過ごしたという男性に話を聞いた。
「この辺りは野宿者が多い。1泊2,000円以下のドヤもあるが、そこに泊まるカネがない人だっている。普段ならそのへんの道路で寝ている人も多いが、昨日みたいな日は外にいるだけでも危ない。でも避難所が使えなければ行くところなんかないよ
広報担当者「野宿者への観点が欠けていた」
 台東区は上記の自主避難所と避難所の他に、外国人観光客向けに「外国人観光客等の緊急滞在施設」も12日の午後1時に開設していた。外国人や帰宅困難者といった区民以外の人々にも手を差し伸べた。にもかかわらず野宿者は度外視されていた。
「命に関わる状況になれば」
 区職員たちの言葉は、河川の氾濫や土砂災害など、いざ切羽詰まった状況が生まれれば柔軟に対応する可能性があったことをうかがわせる。しかし問題は、川の氾濫や土砂災害の有無に関わらず屋外にいること自体が実際に危険だったという前提には立っていない点だ。
 台風19号が記録的な暴風雨を伴っていることは事前にわかっていたし、12日夕方には気象庁が大雨特別警報を発した際には「直ちに命を守るための行動を」と呼びかけていた。前述のように屋外では街路樹が折れて落ちてくることもあれば、看板などが外れて飛んでくることだってある。当たれば怪我をしかねないし、打ち所が悪ければ死ぬ。
台東区の隣の墨田区では、台風19号の影響で増水した荒川の河川敷が水没。ブルーシートで作られた複数の小屋が水没もしくは孤立していた。
 野宿者にとっては、家がある人の感覚ではわからない「命の危険」がある。それに、死ななければいいというものではない。命さえあれば人権が守られたことになるわけではないだろう。
 現場の職員たちには同情する。そもそも野宿者を拒否した自主避難所や避難所は、区が区民のために開設したという建前があった。相当切羽詰まった状況にならなければ現場で独自に判断するのは難しい。
 個々の職員ではなく区の方針の問題だ。
「今回は住所不定の方への援助という観点が欠けており、援助の対象から漏れてしまいました。その点も含め、こういう場面でどのようにして命を守っていくのかということについて、今後、区として検討していきたいと考えております」(区広報課の担当者)
 区側も問題は感じているようだ。
 今回は、台風19号の暴風雨が吹き荒れている真っ最中に、Twitterで台東区の対応を問題視する声があがり、抗議の電話をする人もいた。私も12日のうちに事実確認(取材)のつもりで災害対策課に電話をかけたが、電話を切る前に一言「命に関わるから方針を変えるべきだ」と意見を言った。Twitterでは、共産党の台東区議・秋間洋氏が区の災害対策本部に電話で抗議し改善を求めたが方針が撤回されなかったと報告している。
「自治体は法律上滞在者もまもる義務もある、と反論しましたが、結論は、今回は受けられない、次の教訓にする、と方針撤回しませんでした」(秋間氏のTwitterより)
 内閣府は災害救助法に関連する「災害救助事務取扱要領」(平成31年4月)の中で、「法による救助の原則」として「被災者の経済的な要件等は必ずしも問われず、現に救助を要しているか否かにより判断されるべきであり、現に救助を要する場合には平等に行われるべきである」(平等の原則)、「住民はもとより、旅行者、一般家庭の訪問客、その他その土地の通過者等を含め、全ての被災者に対して、その現在地を所管する都道府県知事(又は市町村長)が救助を行う」(現在地救助の原則)としている。また同要領には「法による救助の性格」として、「法による救助は、現に災害により救助を要する状態の者に対して緊急的かつ一時的に行われるもので、当該市町村の住民であるか否かは問わない」とも書かれている。同要領の平成29年版も同内容となっており、昨日今日にできた原則ではない。
 法や制度の不備ではない。台東区の方針が、従来からある法の趣旨に明らかに反していた
 にもかかわらず抗議を受けても方針を変えず、台風が通過し避難所を閉鎖するまで押し通してしまったこともまた、問題点のひとつだ。「次の教訓」で済ませていては、いまその場で助けを必要としている人を救うことはできない。
 同じことが繰り返されないよう、必ず検証と改善がなされるべきだ。


「法による救助の原則」として「被災者の経済的な要件等は必ずしも問われず、現に救助を要しているか否かにより判断されるべき」という立派な災害救助法に関連する「災害救助事務取扱要領」を制定している内閣府。

内閣府のトップの安倍晋三が、家でラグビー観戦する前に、NHKテレビでこの取扱い要領を各自治体や国民に周知していれば、このような事態にはならなかったであろう、とオジサンは思う。

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