重慶でラン&山登り

マラソンと山登りが趣味。
重慶の街を走って見つけた面白いことを記録します。

亜丁その3

2016-05-04 19:27:44 | 亜丁
CP4からは木道の階段をしばらく登ります。

ここは観光地の為観光客が多く、当然のことながら「加油!」から始まり、「よくこんなとこ走るようね」とか「わしにはできん、すごい」と色んな声をかけられます。

「仙乃日」に向かい走って行きます。そして木道を登りきるとトレイルに入る道におります。

右手には何やらタルチョがはためいていて綺麗です。最後の登りを頑張ります。

どんどん山が大きくなっていきますが、この「仙乃日」を左手にしながらトレイルを登っていきます。途中では最高点に達し折り返してきたトップランナー達がものすごい勢いで下ってきます。

そして急遽設置されたのCP6が見えてきます。

CP4から約2.5km。この先にある折り返し地点のCP5が本来のCPですが、ここでも補給は可能です。

残り2.5kmの登り道で最高地点に着けば後ば下るだけ。4000mを超えた登りは呼吸が辛いですが、「登り切った後の下りは酸素がどんどん濃くなるので楽しく走れるはず」と自分に言い聞かせ、登り続けます。

レースではありますが、周りにほとんど人はおらず、4000m以上の高地を一人でゆっくりと走ります。稜線に出ると心地よい風が体を冷やしてくれます。呼吸が辛いのは変わらないのですが、山に守られているような不思議な感覚に包まれます。

ふと振り返ると自然の雄大さに心を奪われ、こんな景色を見るためにトレランを始めた事を思いだし、今この地を走っていられることに感謝します。

先を見るとまだ登りがあります。ですが最高地点までもう少しです。

最後の登りの手前にミニエイドがありました。左上部に小さく見えるタルチョがあるところが最高地点です。もうひと踏ん張りです。

そしてついに

本レースの最高地点に到着。


2800mから4664mまで自分の足で登ってきました。何とも言えない達成感があります。

ここからは標高差600m、距離5kmの下りを残すのみです。頂上でストックをザックにしまい、下りモードに入ります。
酸素もどんどん濃くなるはずですし、足はほとんど使っていないので残っています。

そして今までで最高の「ご褒美」の下りが始まりました。

人もほとんどおらず、地面は柔らかく、ほぼ直線で降りることができ、4000mの中にいるという高揚感の中、「下る」というよりは「飛んでいる」ような感覚で駆け下りていきます。アドレナリンかドーパミンかはわかりませんが何かが分泌されたようで、いつも以上の力がでていました。

そして木道にたどり着く少し手前で、軽い酸欠とハンガーノックの状態となりフワフワした感覚になり真っすぐ走れない状態になります。残り1km位ですが、きちんとジェルと炎熱サプリを取り、疲労回復に努めます。無理は禁物。自分も成長しました。


体調が回復するまで自撮りをして待っていると頭から山が生えてました。

体調も少し回復し最後の木道を下ります。

左手に冲古寺が見えたらゴールは目の前。ラストスパートの応援をしてくれます。

最後の川を越えて

ゴール!!

距離は29kmと短かいのですが、天候に恵まれ、景色をずっと楽しめ、酸素は薄いけど内容は非常に濃い大会でした。

完走記念メダル。


一緒に参加したY君。色々とあったようですが無事にゴール。他の日本から参加されたみなさんも皆さんゴールされました。

その後ゴール地点も雪がちらついたり天候は崩れ始めました。今回持っていた装備はほとんど使いませんでしたが、それは運が良かっただけで、山の天気の変わりやすさと何かあった時の為の装備の重要さを改めて感じた瞬間でした。

今回のレースを総括すると、
・直行便もこれから増えると思うのでアクセスもしやすくなるので一度は経験してほしいお勧めのレース。
・とにかく空気が薄いので無理は禁物。
・高山病はなる人はなる、ならない人はならないらしい。自分は運よくならなかった。
・景色は最高。トレイルも最高。コース案内もほぼバッチリで、運営も事前連絡がなかったこと以外はとてもよかった。
・そうはいっても4000m以上の高地。装備は滞りなく準備する必要あり。

といった感じです。観光で行くとトレイルにはなかなか行けないので、レースに参加されるのがお勧めです。
登りより下りが好きなのですが、こんな景色の中を走れるスカイラン、ハマりそう・・・

おわり