重慶でラン&山登り

マラソンと山登りが趣味。
重慶の街を走って見つけた面白いことを記録します。

最後に

2017-09-20 00:30:09 | 重慶いろいろ
2014年6月に最初の投稿をしてから気が付けば3年ちょっと。
途中更新がなかった時期もありましたが、飽きっぽい性格の自分としては良く続いた方だと思います。

最初は重慶でのおもしろい経験を書こうと思っていましたが、途中からほとんど趣味のトレラン参加体験報告のようになってしまったのも自分らしいです。

たまに過去のブログを読み返す時がありますが、当時の記憶がよみがえり、物覚えの悪くなってきた近年、貴重な備忘録としても活用できそうです。

重慶を離れ環境が変わった事、また目標としていたUTMBを完走した事を契機にこのブログは終了しようと思います。

数少ない読んでくださった方、偶然通り過ぎた方、つたない文章におつきあい頂きありがとうございました!


終わり

UTMB2017 完走記その12 後日談

2017-09-19 08:09:04 | UTMB
ゴールをしてからフィニッシャーズベストを受け取り、ビールを飲んでからホテルに戻りシャワーを浴びると間もなく表彰式が始まりました。

今年はフランソワ・デンヌ選手が並居る強豪を抑えて20時間を切るタイムで優勝。自分の1周する間に2週してもお釣りがある時間。超人すぎます。そんな超人達の表彰式をみた後にドロップバッグを受け取り、ホテルに戻った後、即効で深い眠りに落ちたのでした。

9月4日
夢のような舞台が終り心地よいを通りすぎた激痛とともに目が覚めます。
足の水膨れと筋肉痛とでペンギンのような歩き方になりますが、余韻に浸りながら荷物の整理を行います。

一緒にゴールした戦友S君と別れの昼食を一緒にすることになりました。

2人前からしか注文できない食べたかったラクレット。S君と2人で注文できました。
ビールで乾杯をしておいしい料理を堪能。レース後半はほとんど食べられずお腹がペコペコだったのでジャガイモを4個ほどたいらげました。空港へ向かうバスの時間が近づいたS君とはまたいつかどこかのレースで会う約束をしてここでお別れです。

翌日のフライトを予定していた自分はその後シャモニーのアクティビティを満喫しました。

パラグライダーで走ってきた道のりを見下ろしたり・・・

UTMBの翌日に開催されたシャモニーサービス業の皆さまで行われるトレーの上の水をいかにこぼさず運ぶかレースを応援したり・・・

翌日はゴンドラにのってモンブランを近くまで見に行ったり・・・

標高3842mでビールで祝杯をあげたり・・・

とすっかり後夜祭を楽しみUTMBを締めくくり大大大満足の旅を終えたのでした。

おわり。


UTMB2017 完走記その11

2017-09-18 08:27:58 | UTMB
なんとかTrientのエイドに到着します。
胃の調子は悪くないのですが、何か食べるとお腹の調子が良くなくなるためエイドでは食べ物は補給することを諦め、眠気覚ましにコーヒーだけを飲みます。

暫く休んでいるとS君もエイドに到着します。クールマイユールでは約1時間位自分が先行していましたが、ここで略同じとなりました。あまりにも眠いこともありこの先一緒に行かないか相談します。最初はペースが違うからという事で断られましたが、何とかお願いして一緒に行っていただけることになりました。

S君のエイドでの補給を待ち、トイレで用を足しTrientを出発。
最後に残された2つの山を一緒に越えていきます。その間色々と話をしました。自分は人見知りですが一度お会いしたことがある人とは結構打ち解けることができるので会話も弾みます。しかしこの眠たい時間帯、話していても内容は特になく、ただバカなことを言って盛り上がったような気がします。
後2山だけど最後の山はコース変更でショートカットだから実質1.5山だから頑張ろう。夜明けまでもうすぐ。終わらない夜はない。とお互い励まし合いながら進んでいくといつのまにかスイスとフランスの国境であるピークのCatogneを過ぎていました。
次第に夜もあけ、壮大な景色が広がります。

S君と「こういう景色の中を走りたかったんだよね」とか、「夜にゴールした人はこの景色見れなかったよね」とか話をしているうちにそうだ記念写真を撮ろうということになり、お互いに走っている写真を撮り合います。

壮大な景色をバックに(写真を撮るときだけ)走ってみます。

そうやって楽しんでいるうちにどんどん選手に抜かれていきますが、「ここまできたら時間より楽しむことを優先にしよう、いやむしろ制限時間いっぱいまで目一杯レースを堪能しよう」とか「多くの人がゴールで待っている昼間にゴールして多くの祝福を受けようよ」と関門アウトにならないペースでゆっくり行くことにします。

そんなこんなで麓までおりてきてVallorcineのエイドに到着。

時刻は朝の9時45分。このエイドの関門時間は11時15分。1時間30分しか貯金がありません。しかしここからは最後のひと山。11km登って8km下るだけ。貯金としては十分です。

最後はコース変更がありLa Tete aux ventsというピークは通らず、直接最終エイドのLa Flegereに向かいます。そうは言っても900m程のUPがあり、ゴールまでは1200m程の下りがあるようですが、いよいよ最後の山となり色々な思いがこみ上げてきます。S君と一緒に最後の山に向かいます。

最後の登りとなり気温も上昇してきて暑くなります。レインパンツ、レインジャケットも脱ぎS君と話をしながら進みます。
「もうここまで来たら完走は間違いないよね。なのでもう完走にしてもらえないかな?」とか、「ゴルフのパットでいうならもうOKだよね。だから完走でいいよね」とか「ゴールのポーズはどうしよう?やっぱ両手上げる?ゼッケン見えたほうがいいかな」とか、どうでも良い話をしながら最後の登りを楽しみました。

道中今まで見えなかったモンブランもついにその頂の姿を見ることができました。(真ん中の少し丸い雪山がモンブラン)

そしてついに登りきったところでLa Flegereのエイドに到着。

時刻は13時45分。ここの関門は14時45分。1時間の余裕を残しています。後は8kmを900m下るだけでシャモニーにつきます。

滑落でもしないかぎりゴールは間違いありません。ゆっくり行こうと思っても自然と歩みが早くなりついつい走ってしまいます。
1時間少しでシャモニーの街におりてきました。
ここから最後のゴールまでは走る事にします。

川沿いを少し走っていくとシャモニーの街中に。多くの人がブラボーと迎えてくれます。

いよいよゴールが近づいてきます。先行するS君を後ろから激写します。

どんなに制限時間近くの遅いタイムでも完走した人みんなが勝者です。大きな声援で迎えてくれます。


ゴール前の最後の道。S君とお互いに記念に写真を撮り合います。この場所に立ち、モンブランを1周してこの場所に戻ってくることを夢見て始めたトレラン。そしてその夢がついにかなった瞬間。しかもこんなに多くの人に囲まれた至福の時。


そしてついに・・・

ゴーーーーール!!

46時間の制限時間の中で45時間弱というタイム。致命的な大きなトラブルもなく最後まで本当に夢の舞台を楽しむことができました。

レースを終わった感想としては・・・
・本当にホスピタリティはすごい。皆が世界一というのは納得。
・想像していたものと違いコースは単調。難しいパートはなく走れるひとは走れるコース。
・山の一つ一つが大きいとよく言われるが4K(逆トルデジアン)で経験した山と比べると物足りない位。
・今年は前半天気が悪かったが、程よい気温となり景色は一部楽しめなかったがレースには適した気候だった。
・レース参加者が多く、期待していた選手やボラの方との交流みたいなものがあまりなかったのは残念。
・100マイルはやはり辛い。でも途中でリタイヤしたいと思った事やリタイヤしそうと思ったことは1度もなかった。
・100km近く走っても普段は痛くなる膝や足が痛くなかった。やはりUTMBに対しての特別な思いと特別な何かがある。


そして今回完走できた要因としては
・スタートギリギリまでホテルで休んだため、睡魔と闘う時間が後ろ倒しとなった。
・気温が低くレースには適した環境だった。
・直前まで行ったランジスクワットのおかげで登りの筋肉がついた。
・過去にもっとつらい経験をしていたため、耐性、免疫力がついていた。
・お腹を冷やさないように基本厚着をしていた(お腹は下したが、胃が気持ち悪くならなかった)
・UTMB独特の雰囲気でドーパミンがかなり分泌されていた。
・自分の集大成のレースであり完走する事しか考えていなかった。
・いろんな友人、仲間から応援してもらえた。
・最後S君と一緒になりものすごく力をもらえた。
・家族がレースに対して理解と応援をしてくれた。

正直もっとハードなレースになるかと思っていましたが、いろんな幸運に恵まれて余力を持ってゴールすることができました。

最後に100マイル一緒に3カ国渡り歩いた(走った)靴と一緒に。


6年間抱いていた夢がついに実現した瞬間。本当に最高のひと時でした!!

つづく。

UTMB2017 完走記その10

2017-09-17 06:30:37 | UTMB
だらだらと本完走記もその10を迎えました。もうそろそろゴールですので今しばらく我慢してお付き合いください。

シャンペ湖を過ぎてPlan de L'auまでは5kmの約平坦な道であっただろうにも関わらず約1時間もかかっていました。

制限時間はまだ余裕があるので、ただ確実に進む事だけを考えます。この頃にはすっかり雨は上がっており、空気も透き通り遥か頂上へ続くヘッドライトが見えていたと思います。睡魔と闘いながらその明かりの先をめざし進んでいきます。中々ペースが上がらず後続の選手にどんどんと抜かれていきます。その度に気持ちは凹んでいきますが、皆辛いのは同じ、自分もいつか回復することを信じて少しずつ進んでいきます。

時々日本の選手とすれ違うことがあり、何とか話かけて目を覚まそうとします。最初は良いのですが、お互い疲れており話題も乏しく徐々に会話がなくなり気まずくなりそして眠い時間が再び訪れます。
ゆっくりとストックを着くリズミカルな音が眠気を誘って仕方がありません。この時間帯になると錯覚が見え始めました。木の形や石の模様が人の顔や動物に見えたりします。2015年にUTMFを完走した時には幻覚をみましたが、それとも少し違うので錯覚だと自分に言い聞かせます。まだUTMF程疲れていないことは自分でもわかっていました。

そんな時間を過ごしながら何とかピークに到着しTrientに向けた下りに入ります。しかしここで又もやお腹も下りになります。ゆっくりとお腹に衝撃を与えないように気を付けて歩きます。睡魔とお腹と闘いながら17kmを実に5時間かけてTrientに到着。

ゴールまで後約30km。眠さは極限状態。でもここで運命の出会いがあるのでした。

つづく。

UTMB2017 完走記その9

2017-09-16 08:40:39 | UTMB
La Foulyに到着したのが19時30分。これから2日目の夜の時間に入ります。すでにレース開始から25時間経過。しかもすでにLA Foulyが109km地点で久々の100km越え。ここまで順調に来ており、又メッセージで活力をもらいましたが、24時間闘う事ができたのは30代前半まで。徐々に体と脳が休みを欲しがるサインを引っ切り無しに出してきます。ここからは睡魔との闘いとなります。わかってはいたけどやはり眠い。まだ夜は始まったばかりでこの眠さはヤバい。でも進むしかない。幸い周りに人が多くいるのでコースロストすることはなく、道幅も広い(そうだったと思う)ので滑落することもないので安心して進めますが、ここら辺の記憶がありません。当然写真もありません。それでも何とか14km先のChampex-Lacに到着。正直いつ到着したか覚えていませんが、とりあえず少しでも横になろうと場所を探します。しかし雨に濡れた服だと寒くて眠れません。そこでダウンを取り出してきますが、先ほど雨の中で少し着た為、ダウンも濡れており、暖を取るには至りません。椅子の上に横になって寝ますが、寒くて眠れません。仕方ないので足をかがめて胎児のポーズをとり体を密着することで暖を取りながら眠ろうとしますが、中々うまく眠れずモゾモゾしていましたが、しばらくすると体が寒さで震えてハッと気が付きます。どうやら知らぬ間に眠っていたようです。

このままでは低体温症になってしまうかもしれないと思い、時計をみると40分程進んでおり記憶はないですが寝れたようなので先に進むことにします。

野戦病院みたいだったChampex-Lacのエイド。ベッドもあったはずだけど見つけられず、冷静な判断ができない状況になってました。

Champex-Lacを出る前に温かいスープにアルファ米を戻したごはんを入れ、少しでも栄養補給をしようとしますが、ごはんが冷めていてスープもぬるくなりおいしくなかったです。でもエネルギーは少し補給できました。エイドのコーヒーを飲んで眼を覚まし、出発したのが丁度0時。

関門は2時。3時間程あった貯金が2時間になりましたが、残りは後45km程。フルマラソン1回位と割り切り頑張ります。

もちろんChampex-Lacを越えた後の残りが本当のレースである事、まだ16時間近くレースは残っている事、夜明けまで7時間近くある事、何かあれば完走はできない事は十分理解しています。でもここから先は止まらなければ歩いてでも完走はできるという事もわかっており、大きな事故を起こさないように丁寧に走っていこうと冷静に判断できる自分もいました。

ここから先は3つの山を越えるだけ。3つと考えると長いので1つずつ越えていく事を考えよう、いや目の前の1kmを進むことを考えようと頭を切り替えます。
1歩ずつ進んでいけば必ずゴールにたどり着ける。いつもそうやって来たように、今回も自分の体・足を信じて、1歩ずつただ進んでいこうと。

そして略平坦な道を行くこと4kmでPlan de L'auというチェックポイントがに到着。

ここにあったトイレで身も心もさっぱりとして一つ目の山La Giete越えてTrientへすすむのでした。


つづく。