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肉まんに秘められた思い出

2007-10-05 07:49:18 | 思い出



 あったかい食べ物がおいしい季節になりましたねー
 おでんに肉まん、などなど…。

  そういえば、肉まんを食べる度に思い出す話があって…



 私が小学校5年生~6年生の頃、隣のクラスは、子どもたちからメッチャ怖がられてる先生が担任してたんすよね
 その先生、実は1~2年生の時も私の学年を受け持ったことのある先生で、もうドッキドキ。


 でも学年を抜けた2年間の間に、その先生が変わる何かがあったらしく、「N先生、すっごく優しくなったんだよ」なんて噂が子どもたちの中を飛び交いました。
 その噂に、子どもたちの反応は本当に様々で、1~2年で担任を経験している子は「嘘だ!」って感じだし、今担任に当たっている子どもの中にも、「前と変わらず怖い」という子と「ほんとに優しくなったんだよ」という子が分かれてる。

 私のように1度も担任された事がなく、いつも部外者の子どもにいたっては「どんな風に優しくなったんだろう?」なんていう好奇心で、休み時間にチョロチョロとN先生のクラスをのぞきに行ったりしてました。ははは。


 さすがにN先生もそんな子どもたちの反応にはうんざりで、のぞきに来た子を3度に1度は怒鳴りつけたりするもんだから、1学期が終わる頃までには「やっぱ怖いまんまじゃん」という事で、N先生の話題は子どもたちの興味から除外されていきました


 そしてちょうど店先に肉まんが並び始めるこの時期、私の小学校では学習発表会の練習が始まります。

 このときだけは、クラスの区分けを取っ払って、学年として3つの演目を発表するのですよ。

 大抵は、演劇・合唱・合奏って感じで、子どもたちはそれぞれ自分のやりたい演目に参加する方式でしたが、私の場合、幼少からピアノを習っていたので、ほぼ毎年選択の余地はなく、合唱・合奏担当の双方の先生の間で私の身の振りが決定されている感じ


 「今年は、合奏で…」とか「去年は合奏だったから、今年は合唱を…」なんて感じで言われたもんです。
 そんなわけで、5年生の時は合奏でN先生担当。そして、6年生の時は合唱だけどN先生担当って事で、2年間のこの時期だけだったけど、N先生の変わったと言われる部分に接することが出来た私。


 N先生のスイッチが入れ換わるのは、授業・発表会練習の全てが終わった時。  N先生は、おもむろに教室にある自分の机にドカッと座ると、一番下の引き出しを開けるんですよ。なんとそこにはチョコレートがいっぱい
 先生はで、「にー、しー、ろー、やー…」なんて感じで教室に残る子どもたちの数を数えると、「みんなに言うなよ」なんて言いながら、メッチャ嬉しそうな顔でチョコを配って、一緒に食べるのでした。


 今じゃ、平等平等って言われてるし、こんな事してたらきっと教育委員会とかに訴えられちゃいそうだけど、この時代には許されたのかな?

 まー昔は、そんなに学校の事を親に言ったりしなかったし、親も出てこなかったから出来たのかもね


 そんな、普段とはかけ離れた先生の一面を見て、『人って面白いな~』なんて思ったし、『ものすごく嫌な人っていないのかも?』とも思ったものです。(ここが今の私の原点かも?)


 6年生のある時、いつもの先生の引き出しのチョコレートと子どもの人数が合わなくて、『今日はチョコレートはもらえないのかぁ…』なんて諦めかけた時、N先生が「よし!じゃあ皆で肉まんでも買ってこい!」と言って、お金をくれました。

 子どもながらにそれは悪いな…と思って、みんなで「いいよN先生。いつもチョコもらってるし、肉まんなんて…」と言ったけど、N先生は「いいからいいから。お前たちにはいつも遅くまで残って、色々とやってもらってるんだし。子どもが遠慮なんてするなよ」と言って私たちを送り出しました。

 その日、N先生を囲んで食べた肉まんは、すごくおいしくて、温かかったな


 N先生は、2年前位に50代という若さで亡くなったと聞きました。


 今はあの頃のN先生と同じくらいの年齢になった私。


 わが子と肉まんを食べる度、あの日のN先生の笑顔を思い出すのです。