我が家は、リビングにテレビが2つあります。
1つは一般の番組を見るためのもので、もう1つがTVゲーム用、それもスーパーファミコン専用です。
つい先日、スーパーファミコン用の『ドラクエIII』を入手いたしまして、本当にひさしぶりにゲームに興じておりました。
かたわらでは、家族がテレビを観ておりますので、音は出しません。
したがって、画面は見ないものの、テレビ番組の音は聴こえます。
で。ちょうどアリアハンからロマリアあたりについた頃、テレビから奇妙な単語が聴こえてきました。
「テレポートする漁師・・・・学者・・・東京大学・・・・研究・・・・」
ああ、ひさびさに、しょーもない超能力番組をやっているのだな、と思いまして気に留めずにおりますと
「研究機材・・・・数億円・・・・」
また馬鹿なことを。と、思いまして
「今、どこ観てるの?」と、家人にたずねますと
「NHK」とのこと。
そうか。NHKもしょーもない番組をやるものだ、と、さらに聞き流しておりましたが
「漁師・・テレポーテーションに成功・・・・教授・・・アメリカ・・・共同研究・・・ノーベル賞・・・」
え!?
これは聞き流せません。
「なんだって?漁師がテレポーテーションに成功したって?」
「うん、そーなんだって」
「え~~!それってどえらいことじゃん!」
「うん、だからこの博士、ノーベル賞の最有力候補なんだって」
ノーベル賞!そりゃそうでしょーとも!
なんてったって、少年マンガにしかなかった超能力。それも最高レベルのテレポーテーション!瞬間移動!「どこでもドア」です!
すごい漁師もいたものだ、と思い、私も画面にくいつきますと、なにやらすごい機材がいっぱい映っておりまして
「そうか・・・。これがテレポーテーションの研究機材なんだ・・・」。
ひとりブツブツとつぶやいていると家人
「よくわかんないんだけど、テレポーテーションってそんなにすごいことなの?」
なんということを!
「そりゃーすごいなんてもんじゃない。しかし実現できるとはなー・・・驚きだなー」
でも。なんで漁師なんだろう?
もっと、そういう才能のある職種の人もいそうなものを・・。でも、誰でもいいや。
漁師であれ、消防士であれ、サラリーマンであれ、テレポーテーションを成功させたってことがスゴイ!
番組名を尋ねると『プロフェッショナル』。かの『プロジェクトX』の後釜とか。こりゃホンモノです。
なるほどぉ、テレポーテーションのプロフェッショナルかぁ。そらぁすごいわけだ。エスパーだ。エスパー漁師。
どうやらテレビに出ている教授だか助教授だかが、このテレポーテーションを研究しているらしいのですが。
しかし、番組を見続けていても、いつまでも「瞬間移動」の実写を映し出しません。
しかもパーソナリティがへんに冷静。
私が彼の立場なら、興奮さめやらぬところですが。
そのくせ「漁師のテレポーテーション」という単語だけは何度も出てくるのです。
???
「漁師、出てこないね」と、私。
「見えないんじゃない?」と、家人。
ああ、そらそうだ。だって瞬間移動だからね。ごもっともだ。
でもインタビューくらいはあってしかるべき、と思い、家人にそのようにたずねますと
「誰に?」
「いや・・・だからその漁師さんにさ・・・」
「・・・・・」
爆
「りょうし・・・リョウシって・・・・魚を捕るリョウシ??」
息も絶え絶えに、家人がたずねますので
「え?他に漁師ってないだろ?」
「ず・・・ずっ・・・ずうっと・・・そう思って見てたワケ?」
家人は、すでに呼吸困難で危険な状態。
「え?ちがうの?だって漁師のテレポートって・・・」
「バカだ」
爆笑し続ける家人。
バカ・・・そのあまりにストレートな揶揄に、ふと、我に返ると・・・・・・・・・・・・わかりました。
これって「量子」だ。
「テレポートする量子」
ほんとだ・・・・バカだ・・・・。
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