がんになってもぽじぽじいこか

2012年6月食道がん発見、53歳でした。始めての体験で体当たりの治療とリハビリ。見つけたものも意外にあり!

タイムマシンだと思う事にする

2012-12-30 23:16:04 | 抗がん治療
抗がん治療はタイムマシン的。
半年前のがんの状態くらいまで戻してくれる。
(人によってはくれない場合もあるのが困ったものだ)
だからリスクもしかたない、とする。
そう思う事にするしかない。

体重計に乗るたび、筋肉量が減っている。
食べられないと、体は勝手に生きていくために体を作り替えてしまう。
筋肉はエネルギーをいっぱい食うから、まずそれから落として、脂肪を燃やすのはもっと先なのだ。
キャデラックのからだは軽トラくらい燃費が良くなった、つまり筋肉が減った。
タンパク質をしっかりしっかり取る事がとても大事だ。
切実に思った。
命が元気ない時はいのちの詰まったものを食べたい。
帰宅中はとれたての魚やさっきまで畑にあった野菜をなるべく多く食べた。
初夏だったのですいか、きゅうり、じゃがいも、トビウオの叩き、あじ、いろいろおいしいものがあった。
食生活をしっかりする事しかやることはないのだった。
真剣に食べた。
この一口がわたしを作る、と思いながら食べた。
なんか同じことを思ったことがある。
昔、子を産んで、乳を飲ませたとき。
ちいさないのちはわたしのおっぱいで生きて、育った。
離乳食を始めた頃もこの一口で大きくなるんだ、と思ったなあ。
リアルに思い出し、タイムマシン的効果かも、と思った。

とにかく、食べて乗り切るしかないのだ。

一回めの抗がん治療治療のとき、病院のホールに偽物の笹が置かれていて、短冊がつけられていた。
ビニールの笹なんてあるんだ、と驚いた。
病院には衛生的で確かにいいだろう。
短冊には願いがいっぱい書かれていた。
当然ながらがんの克服への悲願が綴られているのだった。
家族が「また帰って来て一緒に過ごしたい」と願うもの、
患者本人が「こどもが大きくなるまで元気でいたい」というもの。
切実なものばかりだった。
が、中には「○○食堂のご飯がいつまでも大盛りでありますように」というのがあった。
実に丁寧で達筆だから本当にそう思うのだろう。
行ってみたい、そんなすてきな食堂。
面白い人もいるものだなあと思って、さらに隅々まで短冊を読んでいた。
「母が病院でわがままを言って迷惑をかけることなく、無事に治療が終えられますように」という短冊もあった。
なんだか、見慣れた字にも見えた。
本当に願いがみんな叶うといい。

食べる事と、短冊みたいに希望を持つ。
それにつきると思う、今もそれにつきている。


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