エッセイ -日々雑感-

つれづれなるままにひくらしこころにうつりゆくよしなしことをそこはかとなくかきつくればあやしゅうこそものぐるほしけれ

 ふたたび大文字・・・・競争

2017年06月14日 | 雑感

2017年6月12日

  大文字山の“大の字”の弘法大師御堂で、高校時代に友達と、トリスウイスキーと少量の食料を持って、夜景を見ながら寝袋で度々一晩を過ごしたことは前に述べた。

                        

60年ほど前の写真が出て来た。あの頃はすばらしい夜景だと思ったが、今の夜景と比較すると光としてはてずいぶん見劣りする。写真が古いせいもある。

                      

 しかし、人工衛星でどこでも光って見える今の地球はどうなるのかと恐ろしい。

 

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ところで、今日は夜景の話ではない、早歩きおじさんの話だ。

 私のこのところの“大文字業”は心肺機能の鍛錬だ。だからいつもジョギングスタイルで、今日は短パンだ。

 山ではときどき私は追い抜かれる。追い抜くのは若者だ。周りを楽しみながら登る普通の人は大半私が追いぬく。登る目的が違うからだ。

 今日は一人の若者に簡単に追い越されたが、これは鉄アレイも持った鍛錬型で、登ってすぐに下って行った。

そして若い女性に追い越された。彼女はゆったりとはしながらも、大文字の“大の中心”で休まずにすぐ20分ほど上の三角点に行った。

 それまでに私は、穏やかな何人もの人を追い抜いた。

 

ここまではいい。

 そして、私はそれから、仲間にいつもバカにされる行動をとることになった。

ちなみに、私は地元の小学校を出ているから、65年以上大文字には登っている。子供のころは、ましら(猿)のごとくここらの山を走り回っていた。

高校の時には家から大の字まで走って登ったこともある。銀閣寺横からは今では25分だが、その時は多分10分ちょっとくらいだったろう。陸上部だった。

 大文字の“大”の中央、弘法大師御堂で少し休憩したあと、下り始めた。帰りはかろやかだ、

千人塚を通り過ぎてしばらくすると、背後にドッドッと重い足音がする。なにかと思ってふりかえると、両手にストックを持って軽登山の恰好をした男性が駆けおりてくる。

  とうとう追いつかれそうになった。その時、私の前にご婦人二人がおられたので、止まりついでに、どうぞと先をゆずった。

 

それからあと私は彼を追跡した。

今日は週日だ。だから勤め人であるはずはない、容貌から見てわたしよりは年下だが大差はないような気がする。

彼のあとを追おうとしたが階段、急な山道、の連続で、同じスピードで追って行くことは出来なかった。

彼に追いつくことは出来ても、場合によっては怪我をしかねない。家内の、“けがをせんといてね”、の言葉も頭にある。

  比較的平らなところで走り、足場が悪いところでは怪我をしないようになるべく早く、を繰り返し、何度か彼に近づき、携帯で写真を撮ろうとしたが、ガラ系のカメラ機能は腹が立つほど悪い。

 銀閣寺に近い最後の坂道に出て、彼の姿を撮りにいこうと走っていたら、二、三回会った、いつも私を元気ですねと褒めてくれる人が、「すごいですね!」と云ったが、こっちの目的は違う、すごいことはない。「前のオジサンのほうがすごい・・・」と指さす。

 「あの人はですね・・・・」なにか彼は説明しようとしたが、オジサンを追うことに一生懸命の私は、それに手をふってやりすごした。

銀閣寺近くで50m近くまで接近して写真をとったが、見えますでしょうか。この写真で、あと70mほどを左に曲がると銀閣寺正門に至る。

                                                   

                                             

むろん、歳だから若者には負けるが、同じ老人にあれほどあからさまに負けるとは思いもよらなかった。

 

登りはだめなことはわかっているが、下りの敏捷さはまだあると思っていた。

 

面白い大文字行だった。


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