特にヨーロッパにおいてその発展が顕著に現れていきました。
スエーデンではヴィクトル・シュストレームやマウリッツ・スティルレルによる写実と神秘の交錯ともいえる映像美学が発達しました。
『波高き日(1916)』『霊魂の不滅(1920)』、『吹雪の夜(1920)』は映画芸術の神髄と言われています。
マウリッツ・スティルレル監督『吹雪の夜(1920)』のラストシーン
ドイツでは当時の芸術の主流であった表現主義が映画にも取り入れられるようになります。
ロベルト・ウィーネの『カリガリ博士(1919)』は≪現実の裏に真実を見る≫という表現主義の代表作となりました。
また、フリッツ・ラングの『ジーグフリード(1925)』は神秘的ロマンチシズムの最高映像美と称されます。
ロシアにおいては、エイゼンシュテインがモンタージュ理論の集大成ともいえる『戦艦ポチョムキン(1925)』を発表します。
一方、フランスでは映像美と文芸を融合させて映画に感情表現が織り込まれていきます。
フラッシュバックの手法を用いたアベル・ガンスの『鉄路の白薔薇(1922)』はその代表作といえましょう。