社会的制裁

酒井法子容疑者に関しては毎日のように報道されていますね。
まだ容疑者段階なのに既に犯罪者のように扱われていることを不思議に思っている人もいることでしょう。
取り調べに関する報道を見る限り起訴されるでしょうね。
最初は発見された覚醒剤が微量だったことや尿検査でシロ判定だったこと、さらに初犯であることから起訴は難しいという意見もありましたが、
所持罪だけではなく使用罪も適用できる状態であるということから起訴は間違いないのでは？

刑事責任に関しては裁判ではっきりすることでしょう。
問題は社会的制裁というものです。
よく刑事裁判の判決でも被告は既に社会的制裁を受けており…ということで若干刑が軽くなることがあるでしょ？
あの社会的制裁についてです。
これは客観的には私刑にあたるもので近代国家、法治国家では認められないものであるというのは理解できます。
法的なものではないために明確性に欠け、どの程度まで認められるのか不明なのです。
つまり明確な基準がないというのが否定される理由です。
しかも私的なものであるために、いろんな立場から違った制裁がなされる危険性があると。

したがって、社会的制裁は認めるべきではないというのが理想なのかもしれません。
しかし、わたしはこの社会的制裁が一番犯罪抑止に繋がっているのではないかと思ってます。
特に初犯に対する抑止効果は大きいと。
特定の被害者が存在しない場合は民事の損害賠償責任も発生しない場合があり、
行為者は誰にも迷惑かけてないという思いから、あまり反省しない場合が多いと思う。
このような事例こそ社会的制裁の存在価値があると思われます。

今回の酒井法子容疑者の場合は、CM契約など民事の損害賠償責任が億単位になるといわれているために、
たとえ刑事で執行猶予が付いても社会復帰は大変でしょう。
そして芸能人に対する社会的制裁の典型例としてワイドショーなどの報道があります。
目立つ存在だけに注目されている。
したがって視聴率が計算できるということで過熱気味です。
事実だけ放送していてもおもしろくないということでコメンテーターが厳しい意見を言う。
これが受けるのでしょう。
もし同情するような意見だと逆に批判されてしまうからね。
でも放送するための取材がかなり厳しかったりするから疑問に思う場合も多々あります。
たとえば酒井法子容疑者の生い立ちや中学時代の恩師とか。
中学時代の先生とかどうなの？
特定の女子生徒のことを覚えてるものなのかなぁ。
中学時代は普通の生徒だったんだろうし。

社会的制裁はそのまま差別に繋がる危険性があります。
でも禁止すればするほど裏で非常に盛り上がることになるでしょう。
全面禁止は不可能でしょうから、名誉毀損との関係で調整することになる…か。