ふたたび、亀山焼です。
ずいぶん昔、骨董の右も左もわからない頃、地元の田舎古道具屋で買った品です。高かったです。もちろん、亀山焼と気づいたのは、ずっと後になってからです。
先日のブログで紹介した染付山水紋深皿と非常によく似た構図の絵です。
径21.2㎝、高5.7㎝
前に紹介した山水紋深皿よりも、さらに鮮やかな染付です。
これが唐呉須というものでしょうか。
筆使いは、非常に細やかです。
前の染付山水深皿と同様、純白の細やかな胎土です。
造りは、やはり、伊万里焼よりも分厚くしっかりとしています。
外周に、フリル状の飾りがついた凝った造りです。
圏線は、先に紹介した深皿と同じく、高台の内側に1本、外側に3本あります。
また、高台の畳付も、広く、真平です。
銘は、「亀山」か「亀山製」かよくわかりません。
結構風格のある、台鉢だと思います。
「実用品が多い亀山焼の中で、ついに上手品をゲットしたぞ!」
と有頂天になっていた時、手許の図録をパラパラとめくっていたところ・・・・
よく似た品が載っているではないですか。「染付山水紋蓋物」とあります。
もしこれだとすると、上手には違いないのですが、下側が失われた半端物。くそっ、道具屋のオヤジにいっぱい食わされたか?
一息入れて、私の品を冷静にもう一度見てみました。
図録の品のふたの部分、形は非常によく似ていますが、表側に(裏がわは不明)精緻な山水紋が描かれています。私の品では、同じ部分には、桜の花びらが六枚、描かれているのみです。山水紋は、反対側に描かれています。
一方、私の品では、高台(と思われる)の内外に圏線が4本と高台内に銘が描かれています。さらに、高台の部分(図録の品では、蓋を持つ部分)が、11.3㎝と非常に大きく、手で持つには大きすぎます。また、外側のフリルは、蓋につけてもゴミがたまるだけで、意味がありません。図録の蓋物には、フリルは付いていません。
以上のことを総合するなら、やはり、私の品はこの向きに置くのが正解でしょう。
うーん、なかなか風格のある上手品、これぞ亀山焼。
それにしても、あのボロ道具屋に、どうしてこの品があったのでしょうか。