遅生の故玩館ブログ

中山道56番美江寺宿の古民家ミュージアム・故玩館(無料)です。徒然なる日々を、骨董、能楽、有機農業で語ります。

ものぐさ有機農業。八朔倒れりゃ、虫が喜ぶ。

2019年10月10日 | ものぐさ有機農業

 

暑いけれどもう十分秋、秋風野菜に移らねばなりません。この場所は、昨年11月にマルチを全面被覆し、玉ねぎ、大葉、ウリ・メロンと作付けしてきた所です。一番の眼目は、いかに長くマルチを使うかです。マルチを張る手間を考えたら、最低、1年間は使用しないと、わりがあいません。

ということで、少しずつ畝の準備をしています。

まず、畝の中央でマルチを縦にずーっと切り、その部分を養生します。牡蠣殻、鶏糞、牛糞を施して、手で耕します(右2列)。

左側3列は、白菜、大根、白菜・ブロッコリーです。これで、マルチは、1年半ほど使いまわすことになります(^^;)


もう一つ、秋冬野菜で非常に重要なのは植え付け時期です。

早すぎると、虫の猛攻撃を受け、一晩で網状に。遅すぎると、生育が遅れます。

で、毎年、気温と虫の活動度をみながら、じっと我慢をして、ぎりぎりまで待ちます。

今年は、9月28日に、白菜を植えました。周りの農家より、2週間ほど遅い。温暖化で、年々、植え付け時期が遅くなります。秋植え野菜は、1週間の植え付け時期のずれが、生育に1か月の差を生じることもあるので、非常に気をつかいます。

苗を植えたら、防虫ネットで覆うのですが、これが完ぺきではないのです。どこからか、幼虫はやってくる。そこで、例年、虫の忌避剤を併用してきました。

これまでいろいろなタイプのものを作りました。

その中で、一番けっさくだったのは鉄〇ダッシュという番組で紹介されていた虫よけ。早速作ってみました。

材料がすごい。

とうがらし、ニンニク、ニラ、コーヒー殻、茶殻、よもぎ、しょうが、焼酎、酢、牛乳を大鍋でグツグツ煮るのです。目はチカチカ、喉はゴホゴホ。あまりの刺激臭に、途中でたまらなくなり、屋外へ移動、加熱を続けました。もうやけくそで、番組にはなかったカレー粉、ワサビ、からしもほうり込んでやりました(*|*)

こりゃあもう、激辛ラーメンの汁ですね(笑)

蒸気の刺激だけでもすごい。人間には絶大な威力でした。が、肝心の虫の方はそれほどでも(^^;)


いろいろ試した末、自力でたどり着いたのが柑橘類の皮です。ところが、この時期、柑橘類にはまだ早い。そこで、どっさりとある柑橘類を加工して使うことにしました。

それが、八朔の皮入りEMボカシです。EMでなくて、他の有用菌類でも同じように作れます。が、EM菌は嫌気性菌なので、切り返しの必要がありません。、2-3か月ほおっておけばいい。ものぐさ有機農業にはぴったりです。

八朔の皮がEM発酵し、なんとも言えない臭いのボカシになります。

虫さんは、柑橘類の臭いが苦手なのです。

これをびっしり撒いておいて、その上に防虫ネットを張るのです。この忌避剤の効果は絶大です。畑中に臭いがひろがります。中山道歩きの人たちも、怪訝な顔をして通り過ぎます。

 

ところが、ある朝、驚愕の風景が・・・・ 

 

 上の写真の奥、畑の端がこんもりしています。

 

近づいてみると・・・・

 昨日までそこにあった八朔の木が・・・

 

 

 風もないのに、倒れているではありませんか

大人3人がかりで力を合わせて起こそうとしましたが、ビクともしません。それほど大きくないこの木から、毎年、数百個の八朔がとれました。今年も、びっしりと実がなっていますが、なんとも空しい。

もう、八朔の皮を使った忌避剤はつくれません。

 

忌避剤に使うは、まず、八朔の皮を小さくする必要があります。

八朔を食べた後、皮を小さく切り、フードプロセッサーで細かくします。

 

 

 こんな感じです。これを毎日積み重ね、最終的には、3kgほどになります。

これを入れて、EMボカシを作るのです。

しかし、今年3月、八朔の皮の粉砕物を冷蔵庫入れておいたのですが、これを6月につかおうと取り出したら、悪くなっていて使い物になりませんでした。

ですから、今年用の忌避剤は作れませんでした。

来年用の八朔を・・・と思っていた矢先、追い打ちをかけるように、八朔の木が倒れてしまったのです。

 

「風が吹けば、桶屋が儲かる」にならえば、「八朔倒れりゃ、虫が喜ぶ」 

今年は、早めに、手で虫退治をせねばなりません(^.^;)

コメント (6)
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