遅生の故玩館ブログ

中山道56番美江寺宿の古民家ミュージアム・故玩館(無料)です。徒然なる日々を、骨董、能楽、有機農業で語ります。

師匠の笛で萬斎・海老蔵が舞う

2019年10月25日 | 能楽ー実技

即位の礼が終わりました。

要は、儀式。退屈にきまってます。

でも、さすがに、あの総理大臣が万歳三唱の音頭をとった時には、背中を冷たいものがはしりましたね(**;)

万歳も含め、こんな儀式がなされるようになったのは、明治になってから。富国強兵の日本づくりとセットだったんですね。

そのあと、外国要人に対する歓迎レセプションがもたれました。メインは、日本文化の紹介。三番叟(さんばそう)と石橋が上演されました。

これで、やっと儀式の味気無さが少し中和されました(^^;)

特に三番叟は、能、歌舞伎、文楽のコラボレーションという珍しいものでした。共演は、狂言師の野村萬斎、歌舞伎俳優の市川海老蔵、文楽人形遣いの吉田玉男。

この出し物の中で、囃子のベースとなる旋律をずっと吹いていたのが、私の能管の師匠、竹市師です。

師と狂言、萬斎とは、当然、同じ舞台を何度も踏んでいますが、海老蔵とは、何年か前、カーネギーホールで公演をしました。また、能楽師、梅若玄祥(実)が世界最古の劇場「エピダウロス古代円形劇場(世界遺産)」で、ギリシャ神話を題材とした新作能「冥府行」を上演した時も、師匠の笛が、夜の円形劇場に響きわたりました。

能楽界、特に、囃子方では、押しも押されぬ若手のホープです。私とは、親子ほども歳がちがいますが、不肖の弟子にも、懇切丁寧に指導してくれます。そのおかげで、少しは能管が吹けるようになりました(^^;)

師の笛、その音色の美しさと迫力には出色のものがあります。元来が職人かたぎの一匹狼(一匹子羊の私とはウマがあう?(^^;)。不断の精進をかかさない姿勢には、頭が下がります。そこへさらに円熟味が加われば、後世に語り継がれるような能楽師になるでしょう。

今回の舞台は、その意味で、ひとつの転回点となるかも知れません。

Yutube: 師匠の笛で萬斎、海老蔵が舞う『三番叟』)(約19分)


なお、師匠は、今週日曜夜のTV番組にも出演します。

古典芸能への招待「第二回 古典芸能を未来へ~能楽・歌舞伎 囃子」10月27日(日)Eテレ午後9時00分~ 午後11時30分

 

 

 

コメント (4)
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