4月14日だったかな、市長のTwitterでこの本が紹介されていたので、購入してみた。
出版元が熊本市なので、ほぼ市内のみだが、「あの日」何が起きていたのかがよく分かった。
市長、副市長2名、各部署のトップ、いろいろな機関のトップ、様々な人の手記。
市長以外は大体3ページに収まっているので、読みやすかった。
多くの人、特に市役所の職員の多くが記載していたのが、
「14日の地震で断水した地域も16日の早朝には復旧できると聞いていた」
という旨の文章。
それを受けて、15日と16日の境目付近で自宅に戻った人も多かったようだ。
まさかね、16日の早朝に復旧どころか、さらに悪化する自体に陥るとは誰も思わなかったよね。
我が家は、14日の地震では断水は起きなかった。
ただ、お風呂にお湯を貯めたときに、赤さびのようなものが底に沈んでいたので、
断水の一歩手前ぐらいの影響はあったようだ。
「明治22年の地震の教訓が生かされなかった」とあったが、それはもう仕方ないんじゃないかな?
震災当時で127年前。住宅事情も何もかもが違うのだから、生かせる教訓もあったのだろうけど、
あまり参考にならない、と放置されていた部分もあるんじゃないかと思った。
あと、災害救助基本法(?)の制定が昭和22年というのにも驚いた。
昭和22年って!父と同い年じゃないか…。
震災当時で69年前だよ。これもまた「時代遅れ」の面もあるよなぁ。
定期的に見直していく必要があると思うのだが、「見直す必要なし」と思われているのか、
「先輩たちが作った法律を変えるのはちょっと…」と二の足踏んでいるのか。
国も、そういうところをきちんと対処して欲しいなぁ。
他の自治体からたくさんの応援職員が派遣されてきた。
だからこそ、だったみたいだけど、市長が「職員に休め、と言えなかった」と回想している。
「他の自治体から来てくれた人が頑張っているのに、当事者を休ませるわけにはいかない」
と思っていたそうだ。
これについては、私はその応援職員を派遣した自治体のトップなり何なりが
「当事者の職員たちを休ませる為に来ています!」
と高らかに宣言してくれると助かるんじゃないか、と思う。
他の災害でも、そのように宣言して貰えると、全員一斉にとは無理でも少しずつ職員を休ませやすいと思う。
こういう課題も見えてきたので、この書籍が発売されたのは良いことだと思う。
昨年出版されたようだが、全然知らなかった。
これで我が家にある、熊本地震に関する資料は4冊になった。
立て続けに何度も読めるようなものじゃないけど、また気が向いたら目を通そうと思っている。