お気楽ヲタ人生

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「スペル」観てきた

2009-11-09 01:14:22 | 映画

サム・ライミが久々に撮ったホラーという事で「スペル」を観てきた。

※ネタバレあり

 









































ストーリーは単純明快。

主人公のクリスティン・ブラウンは銀行に勤めるやり手の融資担当係。彼女は銀行の次長の座をライバルのスチュと争っている。

そんな中、融資返済の期限を延長して欲しいとガーナッシュという老婆がやってくる。クリスティンは一度は支店長に延長を相談するも、次長席欲しさから非情な決断をガーナッシュに告げる。プライドを捨て頼みを請うも、逆に恥をかかされたガーナッシュはクリスティンに襲い掛かり、警備員につまみ出される。

その夜、駐車場で再びガーナッシュから襲われたクリスティン。なんとか撃退するが、ガーナッシュは去り際にクリスティンから奪った服のボタンを元にクリスティンに呪いをかける。その呪いとは、ラミアと呼ばれる悪霊が呪いがかけられた物の持ち主を3日間悩ませ続けてその翌日に持ち主の魂を奪いにくるというものだった。

その日からクリスティンの身の回りで夢とも現実ともつかない出来事が起こり始める・・・。


まず、これはあくまでもホラー映画。最初から最後までそれは貫かれる。決してコメディ映画として撮られたワケではない。しかしライミのホラー・・特に「死霊のはらわた」シリーズを見た事がある方ならお分かりの通り、決して笑わせる場面ではないんだけど恐怖を突き抜けて笑いに転じるのがライミ映画の真骨頂。御多分に漏れずコレも同類。はっきり言って「死霊のはらわた」シリーズでもいいんじゃね?ってくらいノリは似通ってる。死霊~の方はアッシュのキレ芸が面白さを増幅していたけど、この映画の主人公は女性。しかも最初は悪霊の悪戯に怯えるばかりで「まあ女性だからこんなもんだよな」と期待していなかったものの、終盤はアッシュさながらのキレ芸を見せてくれるよ!さすがに無くなった手の代わりにチェーンソー装着して死霊をブッた切るとかはしないけど。

「スペル」のもう1人の主人公とも言えるのがクリスティンに呪いをかけるガーナッシュというババア。またコレがバッチイんだ(笑)

銀行のカウンターでおもむろに黄色い痰を吐き出すわ、唾液まみれの入れ歯を取り出すわ、クリスティンの顔に噛み付いて唾液だらけにするわと生きている間もやりたい放題なんですが、死んだ後もクリスティンの顔に噛み付いて(好きだね!)ゲロをぶっかけるわ、頭に重りが落ちてきて海外アニメよろしく目ん玉がポーンと飛び出すわ・・・。もう、この映画のライミ節を一身に引き受けて全開で表現しているのがこのババアなんだわ。死霊のはらわたに登場した死霊が汚い言葉を吐きつつ体液を撒き散らすあのノリなのね。

死霊~を彷彿とさせるシーンは他にもクリスティンの家で何かが動き回る音がするシーン。音がする方向にカメラが瞬時にパンするアレね。あと、生き物のように動き回りクリスティンに襲い掛かるババアのハンカチ(痰を包んだり入れ歯を置いたりしてた汚さMAXの奴)を引き裂いて止めを刺すシーンはアッシュが自分の手首を相手に立ち回ったシーンのよう。あと、ラミアに憑依された霊能者の助手が空中で奇怪なダンスをするシーンとか。

直接的に似ているわけではないけどノリを継承しているなと感じたのは、クリスティンが何故か鼻血を勢い良く噴出して支店長が鼻血シャワーの洗礼を受けるシーン、寝ているクリスティンの顔を這い回ったあげく口の中に入っちゃう蝿。結局それからしばらくこのネタフリは放置されるんだけど、彼氏の実家の食事会に呼ばれた時に「ポン!」と口から蝿が飛び出した時はさすがに吹いた。

もうとにかく色々と酷い目に合わされるクリスティン。ある「奥の手」を使ってガーナッシュの呪いに一矢報いたかに見えたのだが・・・。詳細は伏せるけど結果はバッドエンド。


VFXを駆使した派手なシーンもあるけど、昔ながらの手法(クリスティンの家でのポルターガイスト現象の効果ややたらデカい音で驚かせようとする)も併せて使われていて結構懐かしい感じがするフィルムになってました。ほんの少しの不親切が逆恨みとはいえ全てを奪うきっかけになってしまう、という、ともすれば現実にも起こりうる(さすがに呪いとかはないだろうけど)現代の寓話に仕上がっているこの映画。「死霊のはらわた」3部作が好きな人はぜひとも観て「ニヤリ」と笑って欲しい。



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