気まぐれ徒然かすみ草ex

京都に生きて短歌と遊ぶ  近藤かすみの短歌日記
あけぼのの鮭缶ひとつある家に帰らむ鮭の顔ひだり向く 

2月の扉

2017-01-30 19:09:54 | 短歌人
夕焼けが闇と攪拌されてゆくさま屋上にひとりみている

上弦の月をぼんやり映しつつ青い目薬落しておりぬ

(鶴田伊津)

高い所を怖がるわれをむかしから許して回る大観覧車

四十八年重ねし日々の頂上に仲よくをれどあやしくなりぬ

(竹内光江)

地図のかたちと同じ半島見ゆるなりなにもそこまでと思い見つるも

スチュワーデスこの音韻の格別にわれら昭和の男は恋す

(松村威)

幾つもの頂に立ちわたくしはいったい何を見たのだろうか

わが世界せまくなりしと裏山に登りて棲みいる町を見ている

(谷口龍人)

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短歌人2月号。題詠*高い所からを詠む

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