ケープタウンマラソン

一ヶ月ほど前にケープタウンマラソンを走った。前回を更新する自己ベスト3時間16分で完走！マラソンは今回で3度目でケープタウンマラソンを走ったのは初めて。去年までのルートは全くのフラットだったが今年はルートが変更され登りが多少ある。ケープタウンはこのケープタウンマラソンが世界主要マラソンのひとつになることを目標としているとのことでマーケティングに大投資し、去年までたいした人気でもなかったケープタウンマラソンは参加者が最も多いマラソンとなった。国内のマラソンでは異例のテレビ中継、上空にはヘリコプターが飛び交った。

いつも大会直前は緊張し少々ナーバスになるけど今回はリラックスしていたし正直どれくらいの力が出しきれるか楽しみなくらいだった。おそらく過酷なトレイルレースをいくつかこなしたので自信がついたのかもしれない。トレイルレースの前はいつも緊張しまたどれほどつらい思いをするのかと考えると気が重くなることがある。それでもトレイルランニングはとても魅力的で肌で感じなければわからない。



ケープタウンスタジアム横のメインロードからスタート。ニューヨークマラソン、東京マラソン、ベルリンなどの主要マラソンと比べるとケープタウンマラソンのルートはいまいちのようである。確かに歴史的な建物や景色がいい中を走る訳ではない。ケープタウンは最高に美しい自然に恵まれているが海岸線を走るとどうしても坂が多くなり主要マラソン入りは難しくなる。主要マラソンはほとんどがフラットで記録を狙い安いようになっていると聞いたことがある。

自分はBスィーディングだったのでかなりスタート地点にかなり近いところに立つことができた。いつも一緒に走るランニングクラブの仲間も同じくBなので皆で同じスタート地点にたった。何千人がひしめきあい、カメラ、ヘリコプター、観衆、市長のスピーチ、MC、カウントダウン、そしてスタート。

他の仲間も3時間半を切ることを最低目標としているので彼らについていき、後半に余力を感じればペースをあげてみようと思った。自分はまだGPS搭載の時計を持ってなくペース配分が分かりにくいため、いつも自分と同じくらいのタイムを目標としているランナーについていくようにしている。3時間半を切るには1キロ5分計算だ。ランナーはいつも1キロ何分をペースの基準にする。1キロ5分は走りなれていれば決して早く感じるスピードではないけど、これを42キロ続けるのはまた別。今までマラソンの実況中継など興味が全くなかったが自分が走るようになってプロが走るのを見るとその力強さと常に更新し、表示されるタイムを見るのはかなり興奮するものである。



ランニンググループのリーダーであるイアンは走らなかったが、自転車でずっと僕らを追従し元気付けてくれた。20キロ地点くらいまでグループにおいていかれないようについていくので精一杯だった。半分を過ぎたくらいからショーン、ジェームス、トレイシーに置いていかれた。彼らがペースを上げたのか、自分のペースが落ちたのか。それでも20キロから30キロ地点までは体が軽くなりいい感じで走れた。この地点ですでにゴール地点であるスタジアムからそんなに離れていない。ここから、行ったり来たりの折り返しがある。30キロから35キロくらいでかなりの人を抜けた。イアンが後ろから現れ「こーじ、3時間15分を狙えるぞ。頑張れ！」と。その後、ちょっとペースが落ちたような気がするがそれでも抜かれるよりも抜いたランナーの方断然多かった。

すでにこの当たりでは瀕死である。水飲むのも一苦労でよだれをたらしながら走っている状態。時計すら持ってないので一体タイムはどれくらいなんだと思っていたが、前回のタイムを更新している自信は絶対にあった。ゴール地点の広場に入り芝の上のコーナーを抜けタイムが見えた。公式タイム3時間16分19秒。崩れ落ちそうになったが堪え、クラブのテントまで足を引きずりながら歩き、すでにゴールしている仲間と合流して倒れこんだ。レース、コースに関して感想を述べ、語り、握手、肩をたたきあう。



体はボロボロだけど気分は爽快だった。