最前線の育児論byはやし浩司(Biglobe-Blog)

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●割り箸事故

2008-12-03 11:36:10 | Weblog

●割り箸事故

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割り箸がのどの奥に刺さって、
死んだ子どもがいた。
それについて、両親が、医療ミスと、
病院側を訴えた。

その判決が、昨日(08・12・2)
確定した。
判決は、無罪。
両親の気持ちもよく理解できるが、
医師がそこまで予見できたかというと、
それは無理ではなかったか。
医師に問われた罪としては、無罪。

私が陪審員なら、同じように判断した
だろうと思う。

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産経新聞(12・3)は、つぎのように伝える。

『東京都杉並区で平成11年、SSちゃん=当時(4)=が割りばしがのどに刺さって死亡した事故で、医療ミスがあったとして、業務上過失致死罪に問われ、1、2審で無罪となったK大学付属病院(東京都M市)耳鼻咽喉(いんこう)科の当時の担当医、NH医師(40)について、検察当局は上告を断念する方針を決めたもようだ。上告期限の4日に最終決定する方針だが、憲法違反や判例違反などの上告理由が見当たらないためとみられ、N医師の無罪が確定する』と。

幼児教育においては、鉛筆は、危険な道具である。
箸や棒も、そうである。
私自身も、「あわや!」という思う場面を、何度も経験している。

鉛筆を口にくわえて遊ぶ子ども。
鉛筆を手にもって走る子ども。
鉛筆をもったまま、「ハイ」と言って手をあげる子ども。

私はそういう子どもを、きびしく指導している。
「ハイ」と言って手をあげたとき、横の子どもの顔を、それでついたりする。
つまり子どもに、鉛筆はもちろん、箸、棒などをもたせたまま、歩いたり、走らせたり
しない。
(実際には、多くの幼稚園では、鉛筆での指導を避けている。)

が、たいへん不幸な事件が起きた。
当時4歳の子どもが、割り箸を口にくわえていて、ころんだ。
その割り箸の一部が、脳の奥まで届き、そのため、その子どもが死んでしまった。
たいへん不幸な事件であり、両親の気持ちを察するに、あまりあるものがある。

が、この事件でとても残念なことは、(子どもが割り箸を口にくわえていた)ことに対する
責任論はどこかへ消えてしまい、医師による医療ミス論(?)だけがひとり歩き
してしまったこと。
(だからといって、親の責任を問うているわけではない。誤解のないように!)

もちろん両親も苦しんだことだろう。
自分たちの不注意を悔んだことだろう。
子を失った悲しみ、つらさというのは、その親でないとわからない。
が、その一方で、医療にも限界がある。
今回の裁判でも、その(限界)が争点になった。
「はたして、そこまで予見は可能だったか」と。

裁判所は、「それは無理だった」という判断をくだしたことになるが、
しかし疑問が残らないわけではない。

こうした医療訴訟では、原告側が勝訴する例は、きわめて少ない。
原告側に立って、医療ミスを証言する専門家、つまり医師そのものがいない。
証言を頼んでも、ほとんどのばあい、仲間意識もあって、断られてしまう。
見方を変えれば、その両親は、こうした医療訴訟の(壁)を破ることが
できなかったということにもなる。

で、話は脱線するが、この記事を読みながら、私はふと、こんなことを考えた。
もしこの事件が、幼稚園とか保育園とかで起きていたとしたら、どうか、と。
そのときは、幼稚園や保育園の過失責任がきびしく問われていたにちがいない。
問われて、当然である。
そしてこのばあいは、幼稚園側なり、保育園側が無罪となる可能性は、きわめて小さい。

……これ以上のコメントはここでは書けないが、これだけは注意したほうがよい。

この事件は、けっして他人ごとですませてはいけないということ。
もしあなたの子どもが、日常的に箸や鉛筆、それに棒などを口にくわえて遊んで
いるようなら、きびしく注意したほうがよい。

これは本当にあった事件だが、昔、鉄製の火箸を両手にもって走っていた
子ども(当時、小学3年生くらい)がいた。
その子どもがころんだ。
両手にもった火箸が、両目につきささってしまった。
そのときのその子どもは、今に至るまで、失明している。

(付記)

私の教室では、鉛筆をもって歩いている子どもを見つけたら、
すかさず手に、チューをすることにしている。
「鉛筆をもって歩いたら、手にチューしてあげるよ」と、
いつも口癖のように言っている。
この方法により、私の教室では、鉛筆をもって歩きまわる子どもは、
ほとんどいない。
禁止命令を出したり、叱ったりするのは、私の教え方ではない。



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